「荒野のコトブキ飛行隊」というアニメが去年放送されていました。戦車や軍艦のそういう系のアニメ・ゲームは流行っていますが、一方で軍用機はなんにも無いので寂しがっていたのもあり、新宿でやった放送前の試写会にわざわざ行く程度には注目していました。
戦車や軍艦のそういう系のアニメ・ゲームには及ばず、世間ではあんまり流行っていないんですが、西部劇風の世界観は良いし、登場人物の掛け合いは小気味よいです。もちろん戦闘機も良きです。どうやら日本機だけしか出なさそうだな、と悟った時はちょっとがっかりしましたけど。アメリカのP-39出てきたら絶対面白いのに。
今はスマホゲームが展開中ですね。ゲームはやらないんでそっちの方は何も触れていないんですけれども。
で、戦車や軍艦のそういう系のアニメ・ゲームの流れからして、劇中に登場した兵器のプラモデルが発売されるのは自明でして、そこは昔は飛行機に自信ニキだったハセガワが期待通り押さえてくれました。
キットは初め、瞬殺されるほど早く市場から消え去ってしまって、私もどうにかギリギリのところで手に入れました。ただこれはアニメが人気だというよりか、ハセガワが需要を見誤って生産数を絞りすぎたんじゃないかと思いますが・・・。
これはその後再生産されたので、今も市場に流通していると思います。
そんなわけで、今回はこれを作りますゆえ。
デカールはこう。迷彩柄がデカールで再現できるのは大変うれしい限り。あるとないとではやる気が変わってきます。当然ある方がやる気出ます。
最初はコックピット作り。ここは組立図通り進めます。
コックピットを作り終えたら胴体や主翼を組み立てて大まかに機体の形を作ります。ここも組立図通り。
機体の塗装は、まず黒を下塗りします。この上に銀を塗るとやや暗めの仕上がりになったり、下塗りのおかげで表面が平滑になって銀のツヤが出やすくなったりとか、そんな感じです。
全体に銀を吹きます。機種の黒の防眩塗装と主翼前縁の黄色の味方識別帯も塗っておきます。
防眩塗装なのでつや消し黒です。今回はこれに加えて青を黒:青=9:1の割合で加えました。やや退色した印象につながればいいですが・・・。
この後の工程でつやありトップコートを吹くので防眩部分をテープで覆います。
補助翼と方向舵は金属ではなく羽布で出来ているので、色を変えて材質の違いを再現します。銀:灰色=8:2くらいで灰色を加えています。
それ以外は銀一色で、パネルごとに色を変えるような真似はしませんでした。どうせ迷彩柄にしちゃうしね。
フラップは組立図だと青竹色の指示ですが、劇中の機体を見るとここは機内色になっています。組立図の誤りですね。ここは注意しておきましょう。
デカールを貼りました。大判デカールですが、あまり貼り付けに苦労はしませんでした。位置決めは、こっちに合わせようとするとあっちが合わなくなる、みたいな具合に少しずれてしまうようです。気になる人は予めデカールを分割して貼り付けたらいいかもしれませぬ。
デカールの迷彩柄は、くっきりとした表現になっています。まるで新品、塗りたてみたいです。
劇中の機体はとても使い込まれたようになっているのでこのままではちょっと合いません。
エナメル塗料のクロームシルバーを使って、迷彩柄の縁をドライブラシで剥がれた表現をしてやります。
まずは尾翼で試してみます。上の尾翼がドライブラシを掛けたもの。うむ、いいじゃないか。
これを胴体と主翼にも広げます。前後方向にドライブラシを掛けるとたぶんスピード感が出ていいと思います。乗り降りの時に踏まれやすい主翼の付け根の辺りは多めにドライブラシを掛けて他よりも剥がれているように見せます。
次にエアブラシで汚し塗装します。
通常よりも薄く希釈したオリーブドラブ、タンの塗料で薄く細吹します。埃っぽい印象になりました。
胴体の分割線の部分はやりすぎたと反省。
あとはエンジン排気のスス汚れはジャーマングレーで塗りましたが、大げさになってしまいこれも反省。
裏側も同じ様に汚します。
それでも全体的にはなかなか味が出たじゃないかとご満悦。
最後に半ツヤクリアをトップコートして塗装は完了。
フラップはなんだか合わせ位置がビミョーにずれてたみたいで少し苦労しました。
脚は割りかしカチッとはまってグラグラ動くようなことがなかったので良いですね。
風防を貼り付けてアンテナ線を貼って完成です。
ええやん!いいものが作れたなぁ。
今回はこれで終わらず、隼を飾る台も作ります。荒野を連想させる地面を作ったジオラマです。気合が違うでしょ?
まずは100均で買ってきた写真用額縁を用意します。B5サイズにしましたが、隼を枠内に完全に収めるには少し小さかったです。ただあまり大きいとたるんで見えてしまうのでこれでいいかなと。
枠をマスクして、枠の内側には紙粘土を埋めます。少しでこぼこさせると良いかもしれません。
絵の具で粘土に下塗りします。
その上に、タミヤのテクスチャーペイント・ライトサンドを塗ります。セラミック粒子が含まれているので、ザラザラした地面になるのだ。
値段が高いので使いすぎ注意。なので下塗りは必須です。
テクスチャーペイントだけだと色が単調なので茶色系の塗料でエアブラシ塗装して表情を多少なりともつけてやります。
たぶん地面だけだと荒野と言うより砂漠になってしまうので、草を生やします。
鉄道模型のカトーが売っているコースターフを準備します。使ったのは枯草色と緑褐色の2種類。
これを混ぜます。枯草色:緑褐色=6:4くらい。
調合した草を好きな位置に貼り付けます。地面と枠の間に隙間ができてしまったので、そこを隠すのに重点的に使いました。
貼る時は木工ボンドで接着します。ここらへんは、以前に鉄道模型のレイアウトを作った時の経験を使っています。
こんなかんじで完成。隼を引き立てるには十分じゃないかなー?
台の上に隼と付属のキリエのアクリルスタンドを乗せて完成!台の枠にはコトブキ飛行隊のロゴのデカールを貼りました。
いいですねぇ!雰囲気出てるんじゃないでしょうか。
キリエのスタンドは縮尺が隼と合っていないですが、賑やかしということで。他に使い道ないしね・・・。
地面を作るのはキット製作においては余分な蛇足なんですが、あると華が出ますね。うーん、コトブキの作品には台を全部作るのもいいですね。
充実感の高い製作になりました。
完成品はギャラリーにて。
<使用塗料>
機体:C8シルバー
機体下塗り:N2ブラック
防眩塗装:H12つや消しブラック:H5ブルー=9:1
機内:N127コックピット色(中島系)
エンジン:N18黒鉄色
排気管:N76焼鉄色
オイルクーラー:N10カッパー
プロペラ:C131赤褐色
プロペラスピナー:C114 RLMレッド
脚庫内:H63青竹色
迷彩剥がれ:X-11クロームシルバー
汚れ:H27ライトブラウン(タン)、H52オリーブドラブ、N32ジャーマングレー
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