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北米project 5 ~How do you like Canada? その39【2016/6/15~22】

2023-11-02 22:30:24 | 海外旅行記
2016年6月19日。
ブタ箱の中からおはようございます。4日目の朝です。これが監獄ホステルの独房部屋の中です。ね、本当にベッド以外の空間が無いでしょ?寝返りも打てないよ?私は案外寝れてしまいましたが、これ大柄な欧米人にはさぞ窮屈であろうに。
朝起きて、ホステルのフリーフードを適当に食べて、独房に不要な荷物を置いてきたら一日の始まりです。


2016年6月19日(日)9時13分
オンタリオ州オタワ オタワ・ジェイル・ホステル
4日目はホステルからスタートです。今日はというとですね、まずはカナダ最大級の航空博物館である「カナダ航空宇宙博物館」 (Canada Aviation and Space Museum) へ行きます。最大級だけあるので今日一日を潰す覚悟で臨みます。
もし日が暮れるまでに時間があるようなら、オタワ市街地の閘門運河を見るとか公共交通機関の観察とかをしようと思います。


航空宇宙博物館はオタワ市街地の外れにあります。路線バスでも行くことができ、自動車乗らない人にも割と親切です。バス停のあるところまで市街地を歩きます。今日は日曜日だからか、静かな朝です。


途中で見かけたオタワの路線バス、OCトランスポ。見たこと無い二階建てバスが走っていますな。OCトランスポについては翌日撮影するので、また後ほど・・・。


途中で見かけたSTOのNova LFS Article (#1316)。STOとは、ソシエティ・ド・トランスポート・ド・ル・ウタウエ (Société de transport de l'Outaouais) の頭文字。オンタリオ州オタワとケベック州ウタウエを結ぶ路線バス事業者です。
カナダのケベック州はフランス語圏というのは、知っている方もいると思います。そのケベック州は実はオタワ市街地を流れるオタワ川の反対側、つまりすぐそばに存在するのです。フランス語圏がすぐそばということで、オタワは他の都市よりもフランス語を見聞きすることが多いです。このSTOのようにフランス語表記の路線バスも走っているのです。
そしてケベック州に入ると完全にフランス語が主で英語が従という環境になるんですが、それはまたのちの話。


さて、ダウンタウンのRideau 3Aバス停からOCトランスポ#7系統 St. Laurent行のバスに乗り、St.Laurent/Eastbourneバス停で下車します。バス停から東へ向けて数分歩くと博物館に着きます。途中にはこんなポケモンかよといういかにもな野原を歩きます。本当に博物館へ着くのか疑わしいですが、この林を抜けるとただ広い博物館の敷地が出てきます。


はい着きました。カナダ航空宇宙博物館です。建物の立派さでは今まで見てきたカナダの航空博物館では一番です。
1964年に開館したカナダ航空宇宙博物館は、旧カナダ空軍ロッククリフ基地の脇に建てられています。基地は今も民間のロッククリフ飛行場として供用されています。こっちの博物館では珍しくない、飛行場の脇に航空博物館が建っているパターンです。
航空史の黎明期から現用機に至るまでのカナダにまつわる航空機の膨大な収蔵品が展示されています。オタワに行ったら必ず訪れてみたかった場所です。対戦よろしくお願いいたします。


博物館のロゴマークです。日本人が見たらなんで菊御紋が・・・と疑問に思うでしょう。


入口をくぐり入館口へ入ると目に入るのは天井から吊るされたカナディアCT-114チューターが目に飛び込んできます。
しかしかわいそうに、上下を逆さまにされて吊り下げられています・・・。というわけではなくて(多分)、このCT-114はカナダ空軍の曲技飛行部隊「スノーバーズ」の塗装なので曲技飛行をしているシーンを切り取った展示をしているのです。


CT-114は、ハミルトンの博物館でも見ました。カナダ製のジェット練習機で、この手の練習機としては珍しい並列複座のコックピットが特徴的です。
1961年初飛行で、主にカナダ空軍の練習機として運用され、同軍からは2000年に退役しました。ただし「スノーバーズ」用の機体は2023年現在も運用が続いています。すでに耐用年数を超えていると思われますが、後継機問題がまだ決着していないので、少なくともまだ数年は飛び続ける見込み。


ちゃんとパイロットも乗っています。


こんな角度からも観察できるのは宙吊りならではですな~。


シンプルなトリコロール塗装が美しいです。下面は赤いので地上から飛行展示を見るとよく目立つのです。




CT-114に関する弊ブログの記事はこちらもどうぞ。


エントランスを抜けて展示室へ入ります。柱の少ない広々とした館内に航空機が所狭しと並んでいます。
今まで見てきた航空博物館は、格納庫の中に機体が並べられていた事が多かったんですが、ここは格納庫ではないちゃんとして展示館です。床はカーペット敷きで人が歩き回れる区域は明確に区別されています。日本の博物館に近いような展示だなと感じます。それにしても広いな・・・。


エントランス通ってすぐのところに空中に置かれているのは、A.E.A.シルバーダート (A.E.A. Silver Dart) で、1909年2月23日、カナダで初めて制御動力飛行を成功させた機体です。いわばカナダ版ライトフライヤー号です。ライトフライヤーの初飛行からは5年3ヶ月ばかし後のことです。こういう機体を入り口に置くのはどこも同じですな。
アレクサンダー・グラハム・ベル技師の設計で、ノバスコシア州の氷上で初飛行しました。


機体正面に昇降舵を備えているのは、ライトフライヤーと同じですね。パクったのかな。材料は、鋼管、竹、木材、布、ワイヤーで構成されていて、複合素材飛行機です。ブレーキが付いていないという、危険な乗り物です。


これはレプリカ機です。オリジナルは消失してしまったみたいですね。
シルバーダートの初飛行50周年を記念して、50周年の前年1958年にカナダ空軍の修理工場で製作されました。そして1959年2月23日に同じノバスコシア州でレプリカ機の初飛行と迎えました。しかし、離陸後に強風に煽られて墜落してしまいました(飛行士は無事!)。
墜落した機体は修理されて、1960年に開館した当館に寄贈されました。


後部にエンジンを積む推進式です。エンジンはコンチネンタル・A-65水平対向4気筒65馬力です。


ブレリオ・XI号 (Blériot XI)。初飛行1909年。ルイ・ブレリオとレイモン・ソルニエが開発した飛行機です。
1909年7月には英仏海峡を初めて横断した飛行機として名を残しています。さらに1910年にはイギリスとフランスが同時期に世界で初めて軍用機として使っています。



骨組みだけですが、そのほうがかえって桁構造が美しいものです。
この機体は後年製作されたレプリカかと思いきや、1911年にカリフォルニア州の飛行機工場で製作された当時物です。長いこと保管されていた後、1950年代にカリフォルニア州の個人が購入、1971年に博物館が取得しています。


この時期の飛行機は工芸品ですな。


エンジンはエルブリッジ・エアロ・スペシャルの直4気筒、60馬力。

というところで今日はここまで。
この博物館の紹介は長くなるでしょうが、お付き合いくださいませ。


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