Joy Bryan Sings/Joy Bryan
(Mode MOD-LP#108)
(Mode MOD-LP#108)
50年代のウエストコーストジャズを語る上で、Modeレコードを忘れる訳には行かないでしょう。パシフィックやコンテンポラリーが重要である事は言う までもありませんが、このModeも30枚のリリースがあり、前2者に続く存在かも知れません。この時代にはハリウッドではいくつかのマイナーレーベルが 存在する訳ですが、このModeはマーティ・ペイチを音楽監督にすえ、新進気鋭のアーチストの初リーダー盤を次々とリリースしていきます。このジョイ・ブ ライアンもジミー・ロールズのすすめでペイチが発掘したシンガーで、後のレスター・ケーニッヒのワイフになった女性でもあります。Modeのボーカルと言 うと、ルーシー・アン・ポークのアルバムが何と言っても有名ですが、この盤は風邪ひきアルバムがほとんどで、コンディションが良いものがないという話でも 知られ、垂涎の幻盤ですよね。このアルバムほどではないですが、ここでUPしたJOY BRYAN SINGSもそこそこ幻化しているアルバムではないでしょうか。
デビュー盤とは思えない粋で癖のないナチュラルな歌唱が聴かれますが、伴奏陣もペイチのセプテットがつとめ、これがまた素晴らしく、デビューにかける ディレクターの意気込みを感じます。Marty Paich(p), Bob Envoldsen(vtb, cl, bcl), Herb Geller(as, cl), Ronnie Lang(cl, bcl, as), Jack Sheldon(tp), Red Mitchell(b), Mel Lewis(ds)の7人で、このメンバーだけみてもジャズファンの脳みそをググッと刺激するのではないでしょうか。いずれもウエストコーストの名プレー ヤーで各自のソロスペースも充分に確保されておりインストファンも絶対楽しめます。演奏曲も片面6曲ずつで"Round Midnight"や"My Shining Hour", "My Heart Stood Still"などのスタンダードも聴かれます。なかでも"When The World Was Young"の語りかけるような歌唱は素晴らしいですね。もう一枚コンテンポラリーにもリーダー作がありますが、こちらもWynton Kellyの伴奏が聴け好盤です。
モードのオリジナル・モノ盤です。モードのカバーはご存知のようにEva Dianaの躍動感のある肖像画が使われていますよね。また、バックカバーは紺色で統一されておりこれまたコレクター魂をくすぐる点ですね!