Lullaby Of Birdland And Other Famous Hits
The Blue Stars Of France
(EmArcy MG36067)
The Blue Stars Of France
(EmArcy MG36067)
jazz vocalといえばもっぱらアメリカが本場であるので英語は基本の言語である訳ですが、ボッサにおけるポルトガル語の響きなどそのお国言葉でやられる音楽には特種な効果があるものですね。今日はフランス語です。もちろん、フランス語で1から10までカウントすることができない自分には、フランス語について語る資格などないことは百も承知です。私事で恐縮ですが、92年アメリカに遊学させてもらう機会があったのですが、これに先立ち上司から最初に薦められたのがフランスへの留学でした。これを丁重にお断りしたのが、この理由”10まで数えられません”の一言でした。上司は納得してくれ、その翌年アメリカ留学(本当は遊学)のチャンスが巡ってきたのです。本当にいい上司ですね。感謝しています。そんなこんなで日頃フランスには因縁めいたものを感じており、本日アップのこのBlue Starsを聴くたびにそのことが思い出されます。
さてこのBlue Starsには2つの重要なポイントがあります。一つは、このコーラスグループの結成に一躍かったのはキュートなボーカルとピアノの弾き語りで知られるブロッサム・ディアリーであることです。ほとんどボーカリストとしては素人集団ですが、元々は器楽奏者で占められた男性4人、女性4人の混声コーラスで、彼らが繰り出すフランス語の独特な味がパリのエスプリを強く感じさせます。そして、もう一つは名唱”バードランドの子守唄”がA-1に取り上げられていることでしょう!。ご存知のようにこの曲は、ジョージ・シアリングの演奏で市民権を得たジャズスタンダードの名曲ですが、サラのボーカルと並びボーカル界ではこの歌唱は両横綱にあげられる出来だと思います。他にもA-2のTout Bas(Speak Low)やB-1のMister L'Amour(Mister Sandman)も好きなトラックですね。この軽妙で粋なコーラスこそ彼らの持ち味でフランス語の響きが優しく、英語で歌った2作目を遥かに凌駕しているといえるのではないでしょうか?
所有盤はEmarcyの溝ありのモノラル盤です。ラミネート加工が施されたカバーはいいですが、やや退色傾向があるのもEmarcyでは仕方ないところです。オリジナリティについてはよくわからないのですが、カバーにはEmArcy/Mercury両方のロゴが見られるのでやっぱり再発かな?また情報教えてくださいね。