67camper's Blog

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御大抜きの56年のエリントニアンズ

2007-12-12 00:00:36 | jazz & vocal
Ellingtonia '56/Johnny Hodges
(Norgran MGN-1055)


 リーダーが率いるグループからリーダーが抜けて行われるセッションはサウンド全体を統制を重んじるリーダーが抜けることによって、緊張感は薄れるもののリラックスしたアフターアワーズ的なムードが全面に出て特殊な効果が出るものです。ポール・チェンバースの「ゴー!」やベイシーアイツのリユニオンセッションでもこんな傾向が見られますよね。本日アップのアルバムもカバーだけをみればホッジズのリーダー盤かもしれないですが、見方によってはリーダー不在のジャム的なアルバムとも解釈することができます。

 56年のエリントン楽団に在籍したメンバーによるこのセッションは御大の代わりにBilly Strayhorn(p)がピアノをひきます。他のメンバーはおなじみの顔ぶれですよね。トランペットにClark Terry, Willie Cook, "Cat" Anderson, Ray Nance, トロンボーンにBritt Woodman, Quentin Jackson, クラリネットにJimmy Hamilton, サックス陣はJohnny Hodges, Russell Procope, Paul Gonzalves, Harry Carney, ベースにJimmy Woode, ドラムスがSam Woodyardという黄金期を支えたタレントたちです。一曲としてスタンダードがないのがやや淋しい感じもしますが、サイドAの12分にわたる"Texas Blues"やサイドBの”Duke's Jam"でのリラックスした雰囲気が最高です。贔屓のホッジスは、他のリーダー盤に比べると目立っていませんがB-3のNight Walkなどのソロは彼の艶っぽいサウンドで存在感抜群です。随所に見せるジミー・ハミルトンのクラリネットの好演が光りますね。

 所有盤は手持ちの数少ないノーグランのイエローラベル、モノラル、オリジナル盤と思います。横顔のホッジスを捉えたカバーが大好きな一枚でもありますね。