The Concert Jazz Band On Tour/Gerry Mulligan, Zoot Sims
(Verve V6-8438)
(Verve V6-8438)
白人バリトンサックスの名手ジェリー・マリガンは1960年に入り、13人編成のビッグバンドを形成し米国、そしてヨーロッパへの楽旅を行い、これがことごとくVerve Recordに録音されています。メンバーは白人が多い(ひょっとして白人オンリーかな?)編成ではありますが、従来のビッグバンドのブラスセクションとサックスセクションが呼応する格好ではなく、極めてコンボライクな編曲でソロパートが充分にあたえられているのが特徴です。本日アップのアルバムは、これまた白人テナーの雄ズート・シムズをゲストにくわえてのヨーロッパ.アメリカツアーからセレクトされたトラックを収録したものです。
メンバーはGerry Mulligan(bs, p, arr), Conte Candoli, Don Ferrara, Nick Travis(tp), Willie Dennis, Alan Raph(tb), Bob Brookmeyer(vtb), Bob Donovan(as) Gene Quill(cl) Jim Reider(ts), Gene Allen(bs, bcl), Buddy Clark(b), Mel Lewis(ds)の13人にZoot Sims(ts)がソロイストとして加わっています。録音はカリフォルニア、サンタモニカの演奏が三曲、イタリア・ミラノの演奏が3曲、ドイツ・ベルリンのものが1曲という構成です。ソロをとるマリガンはもちろんですが、ズートが好調で相変わらずの滑らかなテナーは健在です。他にも、フェラーラのラッパ、ブルックマイヤーのボントロも聴かれます。A面では冒頭のブルース"Go Home"のジャジーな雰囲気が最高です。B面ラストもこの曲が演奏されています。ひょっとしてバンドのテーマでしょうか?個人的に一番好きなのがB-3の"Apple Core"のズートのソロですね、回りのサウンドが小さくなりズートが浮き出てくるくだりはわくわくしますね。ズートはいつもメロディックで駄作が少ないですね。
所有盤はMGMのステレオ盤です。サンタモニカからミラノまでを線で結んだイラストカバーがイカしていますね。