Count Basie Swings・Joe Williams Sings
(Clef MGC-678)
ベイシー楽団は様々なシンガーのバッキングをつとめていますが、やっぱり最もベイシーらしさが現れるのが専属歌手ジョー・ウィリアムスのバッキンッグかも知れません。以前に
"The Greatest"をアップしましたが、これはスタンダード中心のボーカルが聴けるアルバムでBuddy Bregmanがアレンジをつとめていました。今日は、ブルースシンガー”ジョー”の本質とも言えるブルースを中心とするクレフ盤をアップしたいと思います。ここではアレンジはFrank Foster, Ernie Wilkinsがつとめ、独特の間を重視したベイシーのブルースピアノもふんだん聴けるところがまた特別なアルバムになっていると思います。
録音は1955年で、パーソネルはWendell Culley, Reunald Jones, Thad Jones, Joe Newman(tp), Henry Coker, Bill Hughes, Benny Powell(tb), Bill Graham(as), Marshall Royal(as, cl), Frank Wess(ts, fl), Frank Foster(ts, arr), Charlie Fowlkes(bs), Count Basie(p), Freddie Green(g), Eddie Jones(b), Sonny Payne(d), Joe Williams(vo) Wild Bill Davis, Ernie Wilkins(arr)という全盛期のメンバーです。全編を通じて、ジョーのブルースフィーリング溢れるアーシーな歌唱が聴けることは言うまでもありません。A-1の"Every Day I Have The Blues"のベイシーのピアノのイントロのすばらしいサウンドでもう満足してしまいます。続く"The Comeback"のフォスターのテナーソロも聞き物ですね。B面トップの"Roll 'Em"でもベイシーのピアノが活躍しますね。ここでのフランク・ウェスのテナーソロもいいですね。続くB-2"Teach Me Tonight"のアンサンブルなどは黄金期のベイシーサウンドならではの厚みですね。そして"My Baby Upsets Me"のグリーンのギターのスィング感にはいつも感心しきりですね。続く"Please Send Me Someone To Love"のゆったりとしたテンポはジョーが最も得意とするものですね。
また、このアルバムのすばらしさは美しいDSMのカバーにあることも言うまでもありません。個人的にも最も好きなDSMのカバーの一つですね。バックカバー(上図)にもカラーが使われているのも珍しく、グランツがいかに発売に力を入れていたかが伺い知れますね。所有盤はクレフのブラックラベルのオリジナルモノラル盤です。