Jazz Lab/Gigi Gryce & Donald Byrd
(Jubilee JGM1059)
(Jubilee JGM1059)
labとはlaboratoryとは実験室の略ですが、これにジャズが付くと、オーソドックスなジャズとはかなりかけ離れた内容を想起させますね。カバーの下半分を見ても、その名の通りフラスコがいくつか並んだカバーは実験室の雰囲気です。演奏はジジ・グライスとドナルド・バードによる一時期活躍した双頭コンボで57年にはコロンビア、リバーサイドなど、いくつかのセッションを積極的にこなしています。時代が時代(57年)ですから実験的といってもフリーな演奏ではなく、おそらくアレンジをグライスがやっており、当時としてはやや新しいテイストの演奏だったのでしょうね。フリーもモードもクロスオーバーも出尽くした現代では実験的な要素など全く気になりませんね。
メンバーはDonald Byrd(tp), Gigi Gryce(as), Hank Jones(p), Paul Chambers(b), Art Taylor(ds)からなるクインテットです。A-1の"Blue Lights"は有名なグライスのオリジナルブルースですね。ここからグライスらしい端正なアルトを聴くことができます。A-3にはスタンダードの"Isn't It Romantic"でバードの愛奏曲だと紹介されています。バードのミュートがいい雰囲気ですね。B-1の"Bangoon"はハンク・ジョーンズのオリジナルでベニー・グッドマンと訪れたバンコク、ラングーンの名前を合体させた曲でアジアへの旅からヒントを得て作られた曲でジョーンズ自身のピアノが活躍します。B-2の"imagination"もヘッドアレンジだけがなされたハードバップ演奏です。
所有盤はブラックラベル、シルバーロゴの2nd, いわゆるJay-Geeレコードのリリ-スです。タイトル、カバーを気にせず聴ける良質のハードバップです。