我が千葉県がフランチャイズのロッテが激闘を制し,5年ぶり4度目の日本選手権優勝です。
シリーズ第6戦延長15回,シリーズ第7戦延長12回ですから,実質3試合やったのと同じですね。
レギュラーシーズン3位の(しかも4位と1ゲーム差)チームが「日本一」ということにつき異論が今後出ることだと思います。そもそもクライマックス・シリーズ自体,吉野はかなりけったいな制度だと思っています。
MLB,NFLで導入されている地区シリーズ制を真似たのですが,前提が大分異なります。MLBでは「リーグチャンピオン」以外のチームがワールドシリーズを制覇することはありえません。MLBは,「2大リーグ制」を採用しています。アリーグ14球団,ナリーグ16球団で,それぞれ東・中・西の3地区に分かれています。レギュラー・シーズンにおいては地区優勝チームが各リーグ3球団ずつ出てきます。これに,2位チームの中で一番勝率が高いチームが「ワイルドカード」という扱いで,プレーオフに進出します。この時点では,「地区優勝チーム」しか決まっておらず,「リーグ優勝チーム」は出ていません。ここがポイントです。そして,ディビジョナル・プレーオフで,最高勝率の地区優勝チームとワイルドカードのチームが,勝率2位と3位の地区優勝チームとが激突します。ここは5回戦制です(Best of 5制)。そして勝ち上がったチーム同士が,リーグチャンピオンシップでリーグ優勝をかけて激突します。7回戦制です。ここで勝った方が,「リーグ優勝チーム」となり,ワールドシリーズで世界一を決める,という制度になっています。必ず「リーグ優勝チーム」がワールド・シリーズ・チャンピオンになる制度です。
ところが,日本の場合,レギュラーシーズンで「リーグ優勝チーム」が決まるのでおかしな事になります。よくあることですが,リーグ優勝したはずのチームが,クライマックスシリーズで敗退し,「リーグの代表」として日本シリーズに出られない,という珍現象が制度内在的に起こりやすくなっています。
プレーオフシステムは,MLB,NFL,NBAといった球団数が30以上に上るリーグで,シーズンをなるべく最後まで盛り上げる為に開発されたものです。プレーオフ進出可能性のあるチームが多ければ多いほど最後まで盛り上がるからです。NBAにいたっては,リーグの半分がプレーオフに出られます(16チーム)。NFLはNFC・AFC両カンファレンス合わせて12チーム(両カンファレンス合わせて8地区に分かれている。地区優勝8チーム,ワイルドカード4チーム)です。MLBの両リーグ合わせて8チームは少ない方です(今,増やす方向で議論が始まっている)。MLB,NFLでさえ,「ワイルドカード」扱いのチームがスーパーボウルやワールドシリーズを制すると,制度設計の正当性が議論になります。ましてや日本のようにリーグ優勝チームがそもそも選手権に出られない,ということになるとかなり異論が出てもおかしくないところです。
かつてセリーグ優勝,パリーグ優勝にはかなり重みがありました。ところがクライマックスシリーズ導入後は,プレーオフで1勝分のアドバンテージがあるとか,ホームで全試合ができるとか(個人的にはこれも相当気持ち悪いです),その程度の意味合いしかありません。そもそも,全部で12球団しかないのに,「2大リーグ制」を真似たところからして変わっているんですが,まだリーグ優勝同士の選手権には重みがありました。しかしプレーオフを導入する必然性は現行制度の下では無いと思います。2大リーグ制を廃止し,4球団ごとの3地区制にして各地区優勝3チーム,ワイルドカード1チームで「リーグ王者」を決める,という方式が一番良いと思います。NFL,NBA方式にするということです。因みに,NFL,NBAは1リーグ制なので,例えばスーパーボウルチャンピオンは,NFLのリーグ優勝チームです。NBAはイースタンカンファレンス,ウエスタンカンファレンスの文字通り東西カンファレンスに分かれ(各カンファレンス内で3地区ずつに分かれている),カンファレンス・チャンピオン同士が「NBA FINALS」で「リーグ優勝」をかける,というシステムです。従って,MLB,NFL,NBAは2大リーグ制,1リーグ制の違いはあるものの,必ず「全米王者」は「リーグ優勝チーム」である,という属性が確保されています。ここが日本プロ野球との決定的な違いです。
シリーズ第6戦延長15回,シリーズ第7戦延長12回ですから,実質3試合やったのと同じですね。
レギュラーシーズン3位の(しかも4位と1ゲーム差)チームが「日本一」ということにつき異論が今後出ることだと思います。そもそもクライマックス・シリーズ自体,吉野はかなりけったいな制度だと思っています。
MLB,NFLで導入されている地区シリーズ制を真似たのですが,前提が大分異なります。MLBでは「リーグチャンピオン」以外のチームがワールドシリーズを制覇することはありえません。MLBは,「2大リーグ制」を採用しています。アリーグ14球団,ナリーグ16球団で,それぞれ東・中・西の3地区に分かれています。レギュラー・シーズンにおいては地区優勝チームが各リーグ3球団ずつ出てきます。これに,2位チームの中で一番勝率が高いチームが「ワイルドカード」という扱いで,プレーオフに進出します。この時点では,「地区優勝チーム」しか決まっておらず,「リーグ優勝チーム」は出ていません。ここがポイントです。そして,ディビジョナル・プレーオフで,最高勝率の地区優勝チームとワイルドカードのチームが,勝率2位と3位の地区優勝チームとが激突します。ここは5回戦制です(Best of 5制)。そして勝ち上がったチーム同士が,リーグチャンピオンシップでリーグ優勝をかけて激突します。7回戦制です。ここで勝った方が,「リーグ優勝チーム」となり,ワールドシリーズで世界一を決める,という制度になっています。必ず「リーグ優勝チーム」がワールド・シリーズ・チャンピオンになる制度です。
ところが,日本の場合,レギュラーシーズンで「リーグ優勝チーム」が決まるのでおかしな事になります。よくあることですが,リーグ優勝したはずのチームが,クライマックスシリーズで敗退し,「リーグの代表」として日本シリーズに出られない,という珍現象が制度内在的に起こりやすくなっています。
プレーオフシステムは,MLB,NFL,NBAといった球団数が30以上に上るリーグで,シーズンをなるべく最後まで盛り上げる為に開発されたものです。プレーオフ進出可能性のあるチームが多ければ多いほど最後まで盛り上がるからです。NBAにいたっては,リーグの半分がプレーオフに出られます(16チーム)。NFLはNFC・AFC両カンファレンス合わせて12チーム(両カンファレンス合わせて8地区に分かれている。地区優勝8チーム,ワイルドカード4チーム)です。MLBの両リーグ合わせて8チームは少ない方です(今,増やす方向で議論が始まっている)。MLB,NFLでさえ,「ワイルドカード」扱いのチームがスーパーボウルやワールドシリーズを制すると,制度設計の正当性が議論になります。ましてや日本のようにリーグ優勝チームがそもそも選手権に出られない,ということになるとかなり異論が出てもおかしくないところです。
かつてセリーグ優勝,パリーグ優勝にはかなり重みがありました。ところがクライマックスシリーズ導入後は,プレーオフで1勝分のアドバンテージがあるとか,ホームで全試合ができるとか(個人的にはこれも相当気持ち悪いです),その程度の意味合いしかありません。そもそも,全部で12球団しかないのに,「2大リーグ制」を真似たところからして変わっているんですが,まだリーグ優勝同士の選手権には重みがありました。しかしプレーオフを導入する必然性は現行制度の下では無いと思います。2大リーグ制を廃止し,4球団ごとの3地区制にして各地区優勝3チーム,ワイルドカード1チームで「リーグ王者」を決める,という方式が一番良いと思います。NFL,NBA方式にするということです。因みに,NFL,NBAは1リーグ制なので,例えばスーパーボウルチャンピオンは,NFLのリーグ優勝チームです。NBAはイースタンカンファレンス,ウエスタンカンファレンスの文字通り東西カンファレンスに分かれ(各カンファレンス内で3地区ずつに分かれている),カンファレンス・チャンピオン同士が「NBA FINALS」で「リーグ優勝」をかける,というシステムです。従って,MLB,NFL,NBAは2大リーグ制,1リーグ制の違いはあるものの,必ず「全米王者」は「リーグ優勝チーム」である,という属性が確保されています。ここが日本プロ野球との決定的な違いです。