終戦に思う日々

2013-08-16 20:57:20 | 雑感

今日は「巨大戦艦大和」を読む。これは大和に乗員した下士官クラスの生存者による証言集である。将校クラスではなく、下士官、志願兵達は何を思い何を感じていたのかが赤裸々に告白されている。

何故「大和」が愛されているのかもよく分かる。大和関連の本はそれこそ小学生の頃から読みあさったがこの本は新鮮だった。大和に乗船する際の気持ち、最後の沖縄特攻の際の前夜から当日にかけての証言。大和乗員であることのプライド、死地へ赴くに当たっての意外なまでの清々しさが分かるとともに、戦前の軍国主義教育の恐ろしさも同時に伝わってくる逸品。

大和の沖縄特攻については海軍上層部でも相当もめた。しかし最後に大和出撃決定を決めた運命の一言がこれだ。

「1億総特攻の先駆けとなってくれ」。
...
帝国海軍は、命令を出す際に、「○○用意」という形式で命令を出していた。最後の沖縄片道特攻の命令が出たあと、以下のような命令が出た。

「総員死ニ方用意」。

そんなことが当たり前のように行われていた時代が70年前まで現に日本にあった。先日、海軍の基地だった猿島でBBQをした時に、史跡を巡ってみた。70年前の同じように暑い夏、軍兵達はどのような思いでこの地を行き来していたのだろうか。先人たちには感謝してもしきれない思いを感じる。暑い夏が来るたびに。

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