原爆投下は「絶対悪」である

2013-08-07 21:05:02 | 雑感
ナチスが「絶対悪」だ,という話をしたが,その一番の理由は,「ホロコースト」に手を染めたことにあるのは異論の無いところであろう。民族浄化の名の下に,「ユダヤ人根切り」を実行に移したからである。文字通り「大量虐殺」行為であり,正当化の余地はない

しかし,これが「絶対悪」の理由であるとするならば,原爆投下も「絶対悪」であり,その正当化は許されないように思われる。一撃で無抵抗の民間人を10万人単位で抹殺しようとするものであり,これを「大量虐殺」と言わずに何を「大量虐殺」と言うのであろうか。

しかも広島だけでなく長崎にも投下し,更に8月20日前後を目標に,3回目の原爆投下も計画されていた。原爆を3回落とすと言う発想が人道的に許されるとは到底思えない。間違いなく原爆の使用は「絶対悪」であると断言できる。ホロコーストが選択肢としてあり得ないように,原爆の使用は検討されることすら許されない。
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A-rod狂騒曲

2013-08-07 02:21:20 | 雑感
A-rodの弁護士になったつもりで、今後の戦術を考えてみた。出場停止処分は、不服申し立てをした場合に効力が生じない。つまり執行停止状態になる。これと彼の年齢が38歳と言う点を考えると、次のような「秘策」が出てくる。

彼の契約は2007年にリビルドされ、2017年までの10年総額2億7500万ドル+出来高2500万ドル+サイニングボーナス1000万ドルというとてつもないものである。今季サラリーが2800万ドルで、残り4年で8600万ドルの残高なので、未払いのサラリーは1億1400万ドルにも上る。史上最強の敏腕エージェント、スコットボラス的にもこの金額は無視できない。

A-rodサイドはMLBに対する異議申し立てのみならず仲裁委員会の利用をも表明しており、当然その先には法廷闘争も視野に入れているだろう(ボラスは弁護士でもある)。ここで「泥沼の闘争状態」に持ち込めばどうなるか。上手い具合に長...期化し4年経ってしまえば、その間、出場停止処分は執行停止状態なので試合に出ることができ、当然サラリーの支払いも受けられる

MLBサイドが永久追放処分を持ち出せば、4年なんてあっという間に過ぎて行くことだろう。仮に処分が確定しても、2017年には彼は42歳であるから、そのまま引退してしまっても痛くも痒くもない。恐らく彼らの狙いはここにあるとみている。事実上の逃げ切りを狙っているわけだ。この戦術は38歳という高齢だからこそ取れる戦術だ。ライアン・ブラウン(彼はまだ29歳だ)のように、先の長い選手には真似できない。

そもそも「素直に」処分を受け入れても何のメリットもない。汚名が晴れるわけでもなく、今季(正確には今季残り試合分)と来季分のサラリーは期待できない。何よりも契約自体を破棄されるリスクが高い。すなわち最悪1億1400万ドルがパーになるのである。仮に契約破棄を免れても、怪我上がりで2年のブランクという状況で本当に復帰できるのか、という問題がある。2015年には彼は40歳なのだ。常勝軍団ヤンキースのスタメンが保証されているわけではなく、引退に追い込まれる可能性もある。だとすれば、泥沼の闘争状態に持ち込んだ方が良い、という判断が出てきてもおかしくない。

もちろん、この戦術には後で「手痛いしっぺ返し」が付いてくる。処分が確定すれば、MLBは猛烈に峻烈な対応をとるのは間違いない。永久追放処分、記録の抹消ないし参考記録扱い、当然名誉の殿堂入りの道は永遠に断たれる。彼の背番号13が永久欠番になる日は決して来ない。選手として最も不名誉な道が待っているわけだ。

そこで、弁護士としては「クライアント」の意向が最も重要なファクターとならざるをえない。つまりA-rodは一体何を望んでいるのか、である。残念ながら彼にとって一番重要なのは金だ。金か名誉か、と言われれば彼は間違いなく金を取るだろう。だからこそ、彼一人が処分に服さない、と言う態度を取り続けているのではないだろうか。

コミッショナーのバド・セリグの任期は2014年まで。彼はこの20年間MLBをリードし、リーグに史上空前の大繁栄をもたらした文字通りの功労者である。しかし彼の「治世」は、同時に「ステロイド・エイジ」でもある。ステロイドの蔓延を野放しにした、という否定的な評価は彼には必ず付いて回る。そこで、セリグは、任期終了間近に薬物汚染に対し「断固とした態度」を取り、MLBの健全化に尽くした、との歴史的評価を狙いに来ているのである。既にロジャー・クレメンス、バリー・ボンズ、サミー・ソーサが生贄となっている。最後の仕上げが「A-rod」という訳だ。これ以上の大物は見当たらない。MLBが徹底抗戦に出てくるのは間違いなく、「息の根を止めに」来るであろう。

A-rodは本当に才能に溢れる天才だった。しかし、彼の汚名が晴れることは22世紀になってもないだろう。MLBが生涯打率歴代3位の裸足の天才プレイヤー「シューレス・ジョー・ジャクソン」を永久追放処分にして100年近くが経つが、彼の復権はまだなされていない。MLBの通算安打記録を保持するピート・ローズも永久追放処分がなされたままで復権の可能性はないと言われている。残念な事に、この系譜に彼は名を連ねてしまうのかもしれない。彼は本来、打撃王の系譜に名を連ねるはずだったのだがその夢は潰えてしまった。

8月5日、A-rodが復帰した。このときのブーイングは本当に凄まじかった。はたして彼は4年もの間、このブーイングに晒され続け、かつチームメイト、球団から見放された状態でプレーすることができるのだろうか。かつての盟友であるデレク・ジーターは出場停止処分について聞かれ、メディアにこう述べている。「本当に残念だ。彼とはもっと野球の話をしたかった」と。

シューレス・ジョー・ジャクソンが法廷から出てきたときに、幼いファンが叫んだ気持ちが良く分かる。「嘘だと言ってよ、ジョー!」と叫んだという伝説の逸話だ。

Say it ain't so A-rod!!
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