私は法務省発表とは異なり,真実の実態を示すものとして,合格者数を「受験予定者数」で割る,ということをしているので今回もそれで検討していきます。
まずはトップローから。慶應義塾が50.4%,一橋が46.5%,京大が45.9%,東大が45.5%,中大が33.6%,早大が32.2%です。予備試験組は65.2%で全体平均が20.1%となりました。合格率50%を越えたのは慶應と予備試験組だけです。
旧帝大は,北大27.3%,東北大17.8%,名大26.5%,阪大29%,九大19%です。神戸が28.8%。「旧帝大」のブランドをもってしても,東大・京大を除くと,30%を越えたローは一つもありません。これが現実です。しかし神戸が急落したのが意外です。また旧帝大の中でも,九大と東北大の不振が目立ちます。
関西私大は,同大16.2%,立命12.4%,関西大9%,関西学院15.7%。合格率20%越えは0.東高西低状態はその格差が広がる一方で,もはや関東上位に対抗できるのは京大のみと言う惨状と言えます。これだけの差が付いたには理由がありますが,「予備校バッシングなんかしている暇は無いのでは?」と嫌味の一つも言いたくなります。
あと目に付いたのが,日大です。受験予定者261名に対し合格者は9名。合格率は3.5%。消費税率よりも低い。一体何が起きているのでしょうか。短答は75名が突破しており,短答は突破したものの論文でほぼ吹き飛ばされた,という実態が見えてきます。論文対策が脆弱だという事になりますが,恐らく似たようなローは多いのではないでしょうか。
自分のローが試験の総括の際に「短答合格者は云々・・・」という言い方をしている場合,そのローは本当に要注意です。3人に2人が受かる短答試験には「合格」云々の価値はありません。何度でも言いますが「平均点以下でも受かる」試験です。受かるのは当たり前です。
因みに大宮も合格率1.7%です。龍谷大は2.4%,駿河は3.1%,東北学院は4.1%,姫路独協は0%。募集を停止したローは本当に酷いですね。きちんと責任をとった人はいるのでしょうか。因みに東海大は受験予定者数73名で合格率0%。これも酷すぎます。
傷口に塩を塗りこみ捲くるように「酷い,酷い」と連呼しましたが,現に受験生の多くは似たり寄ったりなローの卒業生なわけです。ではどうするか。
受験指導校に「必ず」頼ってください。もう突破口はこれしかありません。それでも受かる保証なんてありませんし,残された時間を考えれば厳しい試練が待ち受けています。しかし,ローに幻惑されているうちはほぼ先が見えません。その点を分かってもらう為に,今回は「酷い数字」を敢えて出しています。司法試験は参加することに意義なんてありません。結果をだしてなんぼです。現に今年も多くの3回目受験で逆転ドライブを決めた人が沢山います。彼ら彼女らも去年は塩を塗りこまれる立場におかれていました。そこから這い上がってきたのです。
何故受からないのか。理由は簡単です。そもそも「やり方」を間違えているからです。「質」を変えないことには幾ら「量」を増やしても「結果」は変りません。まずは「質」の転化から始めて下さい。カウンセリング等もご利用下さい。