講義を聞いて復習する際に、原理・原則を覚えることに集中すると思います。憲法で言えば「内容に着目した規制は厳格に」、「事前抑制は原則禁止」などですね。もちろん、全てが原則の確認から始まるのでとても重要なことです。
しかし、試験では、原則をそのままどストレートに聞いてくることはまずありません。正直試験で問われるのは「原則の逆」「例外」の方です。復習の際にはこの点を強く意識する必要があります。
例えば、憲法で言えば「表現内容着目規制なのだが厳格度を緩めたい」等が典型でしょう。で、どうするか、ということです。表現内容着目規制の場合、厳格度を上げるべき理由を考えます。原則の確認です。「権力が恣意的に規制権限を行使するおそれがある」というのが大きな理由の一つです。要は、「権力の考え次第で規制権限が行使されるから」内容着目規制は一般的に危険だ、というわけです。
であるならば、その恐れがなければ多少緩めてもいいのではないか、という考え方が出てきます。これが「趣旨から考える」ということです。営利広告規制の場合に厳格度を緩めたいなというときに、このあたりから理由をひねり出していくわけです。この作業が「現場思考」なり「応用力」ということになります。原則の逆、例外をどう肯定していくか、入門段階からそれを意識することが大切です。