心の免疫力~書とことばから

もっと暮らしに書やARTを~
雲のように水のように あっけらかんと自在に生きるヒントを
求めて~ by 沙於里

虹のごとく儚い鐘を鳴らして

2009-06-10 | 八木重吉
                      八木重吉の詩  (はがき)



しずかなる にじのごとくに かねがなる こころのそら

昨日の絵手紙教室でのお題のひとつ。
Nさんの書かれた作品を参考に書いてみる。
はがきは小さい上、ことばが多いので筆はやめて、太目のサインペンで。

ところで、この詩の解釈は? とKさんから問いかけがあり、
皆さんとあれこれ語り合う 

これは暗い気持ちではなくて、穏やかな気持ちなのよね?
こころの空・・って、どういう意味?
虹のごとくと鐘がなるって、どういう関係?


昼間は、ここのとこの忙しさに少々朦朧としていたので、改めて考えてみた。

私が感じたのは・・
私の心(模様)は、誰にも気づかれずにそっと、けれど美しく佇む虹のように
静かに鳴っている鐘のようだよ・・って感じかな 

だから暗い気持ちではなくて、けれど両手話の楽しい気分でもなく。
穏やかで、けれどいつの間にか消えてしまう虹のように、どこか儚く切ないような 

決して暗い気持ちではないけれど、どこか痛みを持った心のような。
その痛みと共に、いたわりと愛着を持った心のような。
そしてその思いを、静かに響く鐘の音に乗せて、伝えようとしているような 


しずかなる にじのごとくに かねがなる こころのそら

皆さまは、この詩からどんなことを感じますか? 











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雨の日にはキース・ジャレット

2009-06-09 | つれづれ
                           (はがき)




雨の日は Keith Jarrettのピアノが聴きたくなる。

You tubeで見つけた ♪Somewhere Over the Rainbow





ひとつひとつの音をいとおしそうに弾く彼のピアノは
雨に揺れる紫陽花の葉っぱの うれしそうな姿に似ていて 





あんな風に 音とひとつになれたら 
どれほどの快感なのだろう・・と 羨ましい思いとともに
胸の奥にきゅんと響くものがある

前にもご紹介したけど グレン・グールド のピアノもやっぱりいいです

雨にはピアノが似合うような 

宣言はまだだけど、またまた梅雨入りしたような空模様。
雨をのんびり眺めながら、それぞれのピアノをお楽しみ下さいまし~













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人間「こんなに同じ」

2009-06-08 | つれづれ
                           (半紙)



「獨歩晴天」~晴天に独り歩す 碧眼録(禅問答の書)より

独歩とは、優劣や有無や色空などの相対の世界に住せず、絶対の世界に住すること。
晴天とは、人間の智慧(知識)分別を超越した世界のこと。
つまり、優劣を比べ合い、有無を論ずるところに、安心は存在しないということ、とな。

話はちょっと違うけど。

以前何かの番組で、日本人と在日外国人の対談があって。
日本人は外国人に対して「違う」を前提に、「同じ」を探そうとしないところがある、と。

けれど、色々な民族が住み、国境こそあれ地続きの国に暮らす人々は
「違う」を前提に「こんなに同じ」を探そうとするのだと。

「違う」を前提に・・は、意外と気づかないところかもしれないな・・と、ふと


日本人は「誰かと一緒」を探して追いかける癖があるような。
自分に見合った誰かと同じものを着たり、食べたり・・することで、
自分の居場所を確認しているような。
そのくせ「個性」ということばには敏感に反応する・・っていうか

個性はそれぞれ違うわけで。
でも、日本人とか欧米人とか関係なく、人間なんかどこかみんな似ていて。

ほんとは「だいたい同じ」なのに「人と違う」を探そうとするから、
焦ったり、羨んだり、悩んだり・・。

人間なんて同じようなものさって思えたら、自分も相手も許せるような気がしてくる 

そしたら喧嘩も戦争もなくならないかな・・









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要は自分の在り方様

2009-06-07 | 木簡

                        木簡一節(半紙)
 

6/11のブログ でも書いた木簡の一節を、先週の教室でEさんをイメージして書いてみた。


書いたあとで、あ・・そういえばここ、前は全然違ったイメージで臨書したっけと。




木簡は名筆家として後世に残る人が書いたものではなく、無名の人の日常の書。
臨書は時空を越えて、その人たちに出会う瞬間でもあり 

でもその日の自分の体調や気分によって、相手との会話も変わってくる・・というか。

臨書は自分探しでもあり 

人は人によって作られていくとも思うのだ 
出会った時、出会った相手によって、人生も変わってくるというか。

たとえば同じ相手でも、自分の心が曇っていたら良くない印象であっても
心が晴れやかな日に会ったら、良い印象になったり。

そう思うと、自分の在り方様で、臨書も、人と人との関係も変わってくるような気がする 

今日は久々にいいお天気
ちょっとお疲れで眠いけど、先日ご紹介した 墨人展 に行って来ま~す




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年を取るのも悪くないかな・・

2009-06-06 | 植物・畑・公園
                         茄子・南瓜・蕪・にんじん
                    枝まめ・紫芋・トマト・キャベツ・西瓜



もう梅雨入りをしたかのような、空模様が続いていますね。
でもふと気づくと、うちのベランダガーデンも有難いことに、緑に占領されてます。

2年前に20cm位の小さな苗だった紫陽花も、今年はたくさん咲いてくれて。
ベランダの椅子に座ると、猫が膝の上にやってきて、一緒にぼ~っと眺めてます。
いといとし いとうれし




父の畑もぼちぼち実り、先日一緒に畑に入り、茄子、きゅうり、ししとうを収穫。
おすそ分け頂き、茄子はまたまた大好きな焼き茄子とお味噌汁に。
きゅうりはそのまま、塩をふってボリボリボリ・・。
ししとうはどうやって食べようか・・と思案中。

先日 ツタンカーメンのエンドウマメ を下さったEさんから、
「お父様頑張ってらっしゃるのね」と
珍しい貴重な紫芋の苗を頂き、植え付けしました。
無事に根づいて、たくさん収穫できるといいなぁ。。




こんな、なんでもない日常の楽しいことに気づかないことも多いけど
花にしろ野菜にしろ、育てることで生まれる時間や思いというものを
最近しみじみと、いいもんだなぁ・・と感じます

年を重ねたってことですかねぇ。
年を取るのも悪くないかも・・と、ふと


今日はこれから、職場に3ヶ月間仕事でいらっしゃることになった
ロシア人一家(ご夫婦と9才の女の子)のお迎えに行って来ま~す。

楽しい出来事が更に増えそうです


あ。今日は高校以来の同級生、M加さんの誕生日。おめでとう!

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石鼓文はあったかくてやさしい時間

2009-06-05 | 書の話
                       石鼓文臨書 (半紙)




教室でKさんと勉強中の石鼓文。
迺・楽・巒(←下の部分は山でなくて金)・車。

←原本

最初に書いた半紙右側のは、おっとりとした線を思って一定のリズムで。
次に左側のは、、筆を細いやわらかい羊毛のものに変え、軽妙洒脱を思って。

あ・・またどこからか、遊びすぎでしょそれは・・ って聞こえてきそう。。

石鼓文の臨書といえば青山杉雨氏・・・何度か展覧会でも拝見したことがある。
正直申し上げて好みではないけれど 鋭い独特の線とフォルムは印象的。
こんな風に感じておられるのかぁ・・という、ビームはビビビと伝わる。

この石鼓文、石碑に彫られた文字なので、強くて厳しい線で臨書される方が多いような。
それももちろん納得 

でも私は、どこかあったかくてゆったりとした時間を感じちゃう。
ちょっと太目の、白い割烹着を着たやさしい笑顔のおばちゃんとか想像しちゃう。

で、半紙右みたいな感じに。
左のは、お気に入りのへなへなの筆を持つと、勝手にこんな感じに。
教室では、脳みその中どうなってるの~?って、皆様少々呆れ顔


臨書は楽し。
楽しや臨書 

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6月の書展情報

2009-06-04 | 書展・展覧会情報
                     みやび君のイベント情報館より拝借



今日は久々の書展情報。

まずは、墨人東京展  6月1日~6月10日(水) 東京都美術館
どこかで見かけて、おっ行こう!と思いつつ、忘れるところだった

主催する墨人会は上田桑鳩門率いる奎星会から脱退した森田子龍、井上有一、
江口草玄ら五人が昭和27年に結成した会。現代表は辻太氏。
森田子龍 は「書の美」「墨美」「墨人」といった書雑誌を発行、当時の書壇に新風を吹き込み、
「墨美」「墨人」は、国内だけではなく海外での抽象画家との交流を生み
「墨象」という新しい世界を築いた人として知られる。

ボンドを混ぜた墨で書かれた大作の一字書作品群は圧巻。
入場無料。


上:森田子龍氏「灼熱」'92O美術館展覧会図録より 下:江口草玄氏 (書籍)



不思議なもので、好きな書をどんどん追いかけていくと、辿りついたところは
ひとつだったりする。

先日コメントを下さったnisibundoさん が、書のDNAというお話をされていたけど
なるほど~と完全に納得、同感。

けれどこれまた不思議なもので、あまり好みでない書も同時に見ていないと
本当に好きな書との出会いもないような。

今月もあれこれ書展がいっぱい。
梅雨に入ったようなすっきりしない天候ですけど、だからこそ?
ゆっくりじっくり出かけてみるのもよいかも・・

6月9日~6月14日 日本詩文書作家協会展 東京セントラル美術館 一般500円

6月9日~6月14日 第4回中村蘭台一門篆刻展 鳩居堂画廊 3・4階

6月11日~6月16日 第38回書玄社 現代書展 松坂屋 銀座店別館5階 カトレアサロン

6月11日~6月21日 第37回日本の書展 東京展 国立新美術館 主催:(財)全国書美術振興会

6月11日~6月21日 第48回 書象展 主催:書象会

そして、同じ書の師のもとでの先輩が出品されている亜細亜現代美術展。
6月12日~22日。東京都美術館。
ちなみにお名前は、小椋紫仙さん。
あ。小椋さん・・勝手に載せて 名前がNGでしたらご連絡下さいまし~ 



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歩々すれば到着するなり

2009-06-03 | 禅語・般若心経
                          (半紙)




禅の言葉「歩々到着」

歩いて歩いて到着した・・って意味じゃなくて
調べると・・

一歩一歩がそのまま到着であって
一歩は一歩の脱落であることを意味する・・ということらしい。

ん? よく意味がわからない・・

似たような語句に、「一寸(いっすん)坐れば一寸の仏」というのがあって。

座禅は、どれだけやらなければだめということはなく
一寸坐っても立派な座禅ですよ、でも座禅をすればするほど
頭で考えていることが自分なんじゃないんだということが
だんだんわかってきますよ・・と。

つまり、自分で考えたりしていることから放たれたところにあるものが
本当の自己なんだと。。

うん・・わかるような、わからないような・・むずかしいなぁ 

つまりは、やっぱり何事も続けることが大事なんですよってことなのかな。

若い頃は、どこか人生は人ごとだった。
自分の人生はいつまでもどこまでも永遠で、期待や希望は叶うものだと思っていた。

でもだんだん年を重ねてくると、人生が自分に近くなってくる・・というか。
自分が歩いてきたように、人生はその足跡を残していくわけで 

禅語の解釈はむずかしくてよくわからないけど、
歩々到着・・
一歩一歩を歩き続けたら、どこかに辿りつけるってことでよしとしますかね 

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涙が心をきれいにする

2009-06-02 | つれづれ
                        (はがき)



             雨が空をきれいにする

             雨は 
             全てを洗い流すのではなくて

             大地に沁み込み 
             地下を潤し 
             生命を育み
             時を待って 
             また雨となって
             空をきれいにする

             空が 人の心だとしたら
             雨が 人の涙だとしたら

             涙が心をきれいにする

             らんらんらん
             らんらんらん

             涙は心をきれいにする

             だからたまには
             泣くのもいいんさね 



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その瞬間に立ち会えて

2009-06-01 | 植物・畑・公園
                      「雨香」  (はがき)



今日から6月、水無月。
水の無い月と書くけれど、水が無いわけではなくて、神無月の「な」と同じで
「無」は「の」の意味で、つまりは水の月という意味とか。
陰暦の六月は田に水を入れる月なのでそう言われるようになったらしい。

うちのベランダの紫陽花は、まだこれからだというのに
週末に続いた雨のお蔭なのか、近所の紫陽花は一気に咲き始めて。



紫陽花さん、花の中でも好き 
小さな花が寄り添ってひとつの花になっていて、なのに特に香りを放つでもなく
どこか控えめで清楚 

きれいだなぁ・・ってしばし眺めていたら、
いつだったか自転車レースの実況中継をされていた
確か古賀さんという方が、話されていたことばをふと思い出した。

「自分は選手として伸びなかったけど、選手やレース、観客を盛り上げる中継者として
誰かの夢の一瞬に立ち会いたいって思ってる。」

自分の一番美しい姿を誰に固辞するでもなく静かに、けれど華やかに咲く紫陽花。
その瞬間にこうして立ち会えたことに、感謝感謝。

花は香らねど、雨の香りがより一層花を美しく演出してて 



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