1月19日の記事に「今週末は北浦和に行ってみようか…」なんてタイトルをつけたというのに、遅まきながら、昨日、埼玉県立近代美術館(MOMAS)に行ってきました。
そして、なんとか「アンリ・ル・シダネル展」の最終日に間に合いました
もう会期が終わってしまった「アンリ・ル・シダネル展」のことは後回しにして、まずは中銀カプセルタワービルのモデルルームから。
そのカプセルは、予想どおり彫刻ひろばにありました。
残念ながら、内部に立ち入ることはできず、外から覗き見るだけ(コバトン登場
)。
この中銀カプセルタワービルのカプセルは、「今週末は北浦和に行ってみようか…」で引用した朝日新聞の記事にもあるとおり、
1960年に提唱されたメタボリズム(新陳代謝)は、建築も時代や用途の変化に応じ、空間や機能を取り換え成長させればよい、という発想。ベッドや机などを備えた着脱可能なカプセル140室を重ねて72年に東京・銀座に完成した中銀ビルは、象徴的存在だが、老朽化のためすでに建て替えが決まっている。
モデルルームはその足元に長年置かれ、東京の森美術館で15日まで開かれていた「メタボリズムの未来都市展」に出品されていた。同展がきっかけとなり、中銀ビルディング株式会社が寄贈することになった。
もの。メタボリズムの立役者だった方々も、まさか三十数年経って、「メタボ」が別の用途で(意味は同じ)日本人の多くになじみ深い、いや、忌み嫌われる
言葉になるとは思わなかったことでしょうな…
「メタボリズムとは何ぞや」は、「メタボリズムの未来都市展」のHPに詳しいのでこの辺にしておきまして、MOMASに展示されているカプセルをじっくり観ていきましょう。
ガラス越しなので、なかなか上手く写せなかったのですが…、
SFチックです 無機的です
そして、調度類がいかにも大量生産品っぽくて、かなり安っぽい…
立派なオープンリールデッキとレシーバー(アンプ+チューナー)も装備されているのですが、スピーカーが見劣りしたり(当時のカーステレオ用スピーカーか?)と、私は居住する気にはなれません。
とは言え、たまにはこんな閉鎖的な場所に閉じこもるのも悪くはないかも…。
そうそう、先日の大阪・奈良遠征のとき、地下鉄の車内でこちらのカプセルホテル
の広告を見ました(写真は無し)。
「1979年、世界初のカプセルホテルとして誕生した」という『カプセル・イン大阪』の広告です。
こちらの記述によれば、
黒川紀章氏が設計し改良を重ねて1979年に完成した「スリープカプセル」は、想像以上に広く快適で安らかな眠りが得られます。そのパーソナルなスペースの中にテレビ・ラジオ、パーソナルライト、安全性に配慮したスプリンクラーなど備え、お休み中はもちろんお休みになるまでのお時間も快適で、安全にお過ごしいただけます。
とな
日本が世界に誇るユニークな宿泊施設「カプセルホテル」は、黒川さんの「発明」なのですよ
そのご本家が現在も元気に営業中とは、大変に結構なことだと思います。
話を北浦和の黒川さんに戻しまして、カプセルは何でできているのかと思い、拳固でポンポンと叩いてみました(触るのはOK
みたいデス
)
感触はボンボンというもので、FRPっぽい感じがしました。
ところで、このカプセルが置かれている「彫刻ひろば」は、北浦和公園にあって、MOMASの一部と言えなくもない場所。
そして、MOMASの建物は、このカプセルがやって来る縁ともなったように、黒川さんの作品です。
グリッドとグニュグニョしたガラスの壁面が特徴的ですなぁ。
もう一枚いきましょう
「いかにも近代美術館
」といった風情だと思うのですがいかがでしょうか。
更にもう一枚
斜めに突き刺さっている角柱は、田中米吉さんの「ドッキング (表面)No.86-1985」という作品の一部です。
「今週末は北浦和に行ってみようか…」で「黒川さん設計の美術館・博物館」としていくつか写真を載せたのですが、その中で奈良市写真美術館は名前だけの紹介でした。
その奈良市写真美術館を今回の大阪・奈良遠征で、外観だけ拝見しました
写真の真ん中に新薬師寺(訪問記はこちら)がちょっとだけ写っています。
今回は時間の余裕がなく、外観を拝見するだけ
でしたが、いつか訪問したいと思っています。
ということで、かなり楽しんだ今回のMOMASの館内展示の話は、またいつか