埼玉県立近代美術館(MOMAS)訪問記のつづきは後回しにして、「順不同の大阪&奈良旅行記(その4)」のつづきです。
東大寺の至宝を免震構造の建物で守りつつ公開する東大寺ミュージアムが開館したのは昨年10月10日のことでした。
ちょうどこの日、私は京都をぶらついました(記事はこちらとこちら)。
オープン当日は混むだろうと思っていましたし、今回のTHE TOUR OF MISIA JAPAN SOULQUEST GRAND FINALEの大阪初日に参戦するつもりでしたから…
そんなわけで、初めて訪れる東大寺ミュージアムに大いなる期待を込めて南大門をくぐりました。
ただねぇ~、前面に張られた金網が…
今のように陽が低い時期だと、この金網が日光を反射してしまって、うまく写真が撮れない…。
阿行像(の写真)は、ほぼ全滅でした
ところで、これほどデカイ木像(高さ8mらしい)って、東大寺南大門のこの仁王さま以外にあるのでしょうか?
と調べると、頭だけで18mもあるという仏さんが見つかりました
中国・浙江省海寧市の安国寺大雄宝殿の釈迦牟尼仏だそうな
ただ、Record Chinaのこの記事、
2007年2月12日、浙江省海寧市の安国寺・大雄宝殿に釈迦牟尼像の頭部が設置された。
48人の職人が1か月以上もかけて設置作業に取り組んだというこの像は、重さ108t、高さ18mおある。耳部分だけでも、9.3mの大きさだというから驚きだ。唐時代に造られたというこの釈迦牟尼像、「世界最大の木像」と紹介されている。
だそうですが、なんだかよく判りません。唐時代に造られた木像が、21世紀になってから、それまでとは違う場所に設置されたということなのでしょうか?
また、写真で見る限り、まるで造られた(彩色された)ばかりのようですし、お顔立ちも、唐っぽくない…
ちょっとWEBをさまよっていたところ、「盛唐」といいますから8世紀前半≒天平期の仏像の写真をこちらのサイトで拝見してビックリ
お顔立ちがこちらとそっくりではありませんか
右の画像は東大寺の法華堂(三月堂)に伝わる月光菩薩像。
ポーズはまったく違いますが、いかにも同じ時代を感じさせてます。
それにひきかえ、「浙江省海寧市の安国寺・大雄宝殿に釈迦牟尼像の頭部」は、こちらの仏さんたちとの共通点が見つかりません…
ところで、法華堂(三月堂)の月光菩薩像は、相方の日光菩薩像ともども、東大寺ミュージアムに展示されていまして、1年半ぶりに拝見することができました(1年半前の記事はこちら)。
ということで、やってきました、東大寺ミュージアム
回りの風景に溶け込む佇まいで、期待が高まります
入館料は大人(大学生以上)が500円と、他の寺社の拝観料と比較して割安な感じ。しかも、大仏殿の拝観とセットなら、200円お得な800円
ちょっと考えた結果、私は大仏殿の拝観とセットになった共通券を購入しました。
そして、肝心の展示はといいますと、展示されている仏さま・仏具・その他資料や教典の質も、照明も、建物の造作も、雰囲気も、大満足
2010年の晩秋に東京国立博物館(東博)で開催された特別展「東大寺大仏-天平の至宝-」で、大勢の人混みの中でなんとか拝見した寺宝の数々と、今回はかなり親しく再会できましたし、何よりも、初めて不空羂索観音立像を拝見できたのはうれしかった
この不空羂索観音さま、1年半前に法華堂(三月堂)を訪ねたときは修復中でしたし、東博には光背だけが東下されたし、高校の修学旅行の時は法華堂(三月堂)には行かなかったしで、その大きさに驚きつつ、立像から発せられる気というか何というか、見えない力に(心の中で)ひれ伏した私でありました。
っつうことで、ちいと書き足りない気もしますが、東大寺ミュージアムを「超お薦め」と評し、今日はおしまい。
つづき:2012/02/09 順不同の大阪&奈良旅行記(その6)