Activated Sludge ブログ ~日々読学~

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●悲観的状況の中の楽観シナリオの垂れ流し: 「メルトダウンした核燃料を捜せ!」

2011年05月24日 01時43分33秒 | Weblog


videonews.comの記事(http://www.videonews.com/news-commentary/0001_3/001891.php)。

 最悪シナリオ水蒸気爆発)に我々から目をそむけさせ、悲観的状況の中での楽観シナリオで洗脳。原子炉圧力容器に「冷却水」の〝水位は存在するのか? 数ヵ月後に、「実は、想定外で、圧力容器の底が抜けていることが〝判明〟しました」なんて声明が発表されるのではないか? 「メルトダウンした核燃料を捜せ!」。建屋が「我々の新たな圧力容器」になっている可能性さへ想定しないといけない。
 γ線の空間線量が安定・低下という楽観論。内部被爆によるα線とβ線を無視した楽観論。
 アイリーン・スミスさんによると、「子供に20ミリシーベルトを我慢せよ」は世界初の悪しき試み?
 20年後、30年後、子供たちに晩発性の疾患が出ても、知らぬ顔をするつもりだろう。でも、未来への遺産としての「放射能マップ」を消し去ることは出来ない
 野菜などを「洗えば大丈夫」は、色々な意味で危険との指摘。

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http://www.videonews.com/news-commentary/0001_3/001891.php

ニュース・コメンタリー (2011年05月21日)
福島原発事故続報1
なぜ根拠なき楽観シナリオを垂れ流し続けるのか

 昨日のスペシャルリポートでお伝えした、京都大学原子炉実験所の小出裕章助教と琉球大学の矢ヶ崎克馬名誉教授による福島原発事故の現状分析をもとに、なぜ東京電力とマスメディアは根拠なき楽観的なシナリオを垂れ流し続けるのかを考えた。
 小出氏によると、メルトダウンが明らかになった福島第一原発1号機は、核燃料が圧力容器の中にとどまっていると考える根拠が希薄であり、また圧力容器の中にわずかでも水が入っていると考える根拠も乏しい
 にもかかわらず、東京電力は圧力容器の中には「測定不能なレベル」ではあるが一定量の水がたまっており、その中に核燃料もとどまっているとの見方を示し、マスメディアも基本的にはその説明をそのまま垂れ流している
 しかし、実際にはこれだけ大量の水を注いでも水位が確認できない圧力容器には大きな穴が空いていて、水が全くたまっていない可能性が否定できない。更に、その場合は核燃料もその一部もしくは全体が、圧力容器からその外側の格納容器に漏れ出している可能性がある。
 小出氏は核燃料が格納容器を突き破り、その外側の原子炉建屋の土台のコンクリートまで到達している可能性も視野に入れるべきと警鐘を鳴らす。
 一方、矢ヶ崎氏は、われわれが日夜耳にする放射線量が、実はガンマ線の線量に過ぎず、内部被曝でより深刻な影響を与えるアルファ線やベータ線は、まったく考慮に入れられていないことを指摘した上で、放射線量が多少下がったとしても、内部被曝のリスクは依然として高いため、市民はその防護策を怠るべきではないと指摘する。
 東京電力や政府がおのおのの思惑で内部被曝のリスクを無視した情報発信を続けたとしても、なぜマスメディアはそれをそのまま垂れ流すのか。
 神保哲生と宮台真司が医療ジャーナリストの藍原寛子氏と議論した。


小出 裕章 こいで ひろあき
(京都大学原子炉実験所助教)
1949年東京都生まれ。72年東北大学工学部原子核工学科卒業。74年東北大学大学院工学研究科原子核工学修了。74年から現職。伊方原発訴訟住民側証人。著書に『放射能汚染の現実を超えて』、『隠される原子力 核の真実』、共著に『原子力と共存できるか』など。


矢ヶ崎 克馬 やがさき かつま
(琉球大学名誉教授)1943年東京都生まれ。67年名古屋工業大学計測工学科卒業。74年広島大学大学院理学研究科博士課程物性学専攻単位取得満期退学。理学博士。74年琉球大学理学部教授、09年退職。03年より、原爆症認定集団訴訟で「内部被曝」について証言。著書に『隠された被曝』など。

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