東京新聞の社説【麻生財務相発言 このレベルの大臣では】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2018033102000166.html)。
『久田将義責任編集/TABLO』(http://tablo.jp/)の記事【青木理・連載『逆張りの思想』第五回/森友問題・麻生太郎財務相の「謝罪会見」なのに謝罪する気、永遠のゼロ】(http://tablo.jp/serialization/aoki/news003085.html)。
《麻生太郎財務相が「森友の方がTPP11より重大だと考えているのが日本の新聞のレベル」と述べた問題は、これまで多々ある暴言の域を超えている。改ざん事件の責任をとり身を引いたらどうか》。
《「シモジモのみなさん、わたくしがヨシダシゲルのマゴのアソウタロウであります」…麻生氏は首相らと同様、政治を3代世襲する"由緒正しきお家柄"。シモジモの我々としては、チンケな企業や役所のトップとは違うのだと拝察し、ありがたく戴くしかないということか。まるで封建時代みたいな話だが》。
『●確信犯なナチス擁護…ウルトラ差別主義者・麻生太郎殿の
その体質は野中広務氏による大叱責でも変わらず』
《…締結…ペルー…日本の新聞には一行も載っていなかった…》というデマ三連発な赤っ恥。《断固反対》だったはずのTPPの方が大事なんていう御方。《由緒正しき…》ウルトラ差別主義者。人としての《レベル》は最低。
財務相は、切り離してはいけない「頭」「御頭」、でも「責任」なんて言葉はそのオツムには無し。
『●「「トカゲのシッポ切り」ではなく、「頭の切り離し」」(森裕子さん)。
佐川事件でなくアベ様御夫妻案件』
そして、もう一つの切り離してはいけない「頭」であるアベ様ときたら…。
東京新聞の記事【改ざん念頭?「高い倫理観持て」 首相、新人官僚に訓示】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201804/CK2018040402000256.html)によると、《新人官僚約七百五十人を前に訓示し「国民の信頼を得、負託に応えるべく、高い倫理観の下、細心の心持ちで仕事に臨んでほしい」と呼び掛けた。学校法人「森友学園」に関する公文書改ざんや、陸上自衛隊イラク派遣部隊の日報が発見された問題を念頭に置いた発言とみられる》…。
《倫理観》って、あなた…もはやマンガだね
『●菅義偉・最低の官房長官は、今なぜ、アベ様に向かって
「地位に恋々としがみつく」とは言わないのですか?』
『●すべては「2017年2月17日はアベ様のタンカ記念日」に始まった
…五日後の「秘密会議」に太田充氏も』
最低の官房長官殿は、行政府の長に加えて、《民主主義システムの破壊行為》財務省の責任者にも「地位に恋々としがみつく」な~、と罵声を浴びせないのだろうか?
《改ざん事件の責任をとり身を引いたらどうか》《地位に恋々とせず、国民のために潔く、速やかに辞任したらどうなのか》…適切な主張の東京新聞、そのコラム【筆洗】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2018040202000131.html)によると、《ただ、その大臣にも新聞を読む習慣を身に付けていただきたい一心から引用した。もちろん、麻生太郎財務相である▼「森友の方がTPPより重大だと考えているのが日本の新聞のレベル」。先週の国会答弁で、的外れな新聞批判を展開して大恥をかいた。財務省は森友をめぐる文書改ざんを行った当事者である。その最高責任者が反省どころか報道に責任を転嫁するとはあきれるばかりである▼しかも、まともに新聞を読まないで報道批判をしているらしい。今からでも遅くない。新聞で「反省」「責任」「言語道断」の正しい意味ぐらいはぜひとも理解していただきたい▼そんなに手厳しいことを書いても大丈夫かって。心配はないと思う。どう勧めても、その大臣は新聞をお読みにはならない》。
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【http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2018033102000166.html】
【社説】
麻生財務相発言 このレベルの大臣では
2018年3月31日
麻生太郎財務相が「森友の方がTPP11より重大だと考えているのが日本の新聞のレベル」と述べた問題は、これまで多々ある暴言の域を超えている。改ざん事件の責任をとり身を引いたらどうか。
国のトップ官庁で公文書改ざんという前代未聞の不正を許した大臣としての責任をみじんも感じていないかのような傲慢(ごうまん)さである。
事実誤認に基づく氏の発言は毎度のことだが、当事者意識を全く忘れ、報道機関をおとしめるような暴言は看過できない。
麻生氏は二十九日の参院財政金融委員会で、学校法人「森友学園」をめぐる新聞の報道姿勢に不満をまくしたてた。
米国を除く十一カ国による環太平洋連携協定(TPP11)が八日に署名されたことについてのやりとりの中で、麻生氏は「日本の指導力で、間違いなく、締結された」と強調。「茂木大臣がゼロ泊四日でペルーを往復しておりましたけど、日本の新聞には一行も載っていなかった」と発言した。
続けて「みんな森友の方がTPP11より重大だと考えているのが日本の新聞のレベル」と述べた。
しかし、茂木敏充経済再生担当相が出席した署名式の開催地は、ペルーでなくチリである。署名式の記事は、本紙を含め大手各紙が九日付夕刊や翌十日付朝刊で詳しく報じている。
三十日の同委員会で批判が相次ぐと、麻生氏は「森友に関し、公文書を書き換える話は誠にゆゆしきことで遺憾の極み。軽んじているつもりは全くない」「森友と比較したのがけしからんという点については謝罪させていただきたい」と釈明に追われた。
だが、釈明すれば済む問題ではない。公文書を改ざんし、国会で虚偽答弁を繰り返したことはTPP11と同じく重大事である。
「新聞が一行も報じていない」といった虚偽(ポスト真実)を平気で多用したり、TPP11に比べ大したニュースでもない森友問題を報じ続ける新聞の方がおかしいといった印象操作を繰り返す。
「ナチスの手法に学べばいい」と発言したこともあるように、国民は簡単にだますことができる、政治家は国民をだましてもいいと考えているのではないか。国民の納める税金を差配する要職を任せるには、とても値しない。
「平成の政治史に残る事件」(自民党の小泉進次郎筆頭副幹事長)である。地位に恋々とせず、国民のために潔く、速やかに辞任したらどうなのか。
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【http://tablo.jp/serialization/aoki/news003085.html】
青木理 「逆張りの思想」
森友問題・麻生太郎財務相の「謝罪会見」なのに謝罪する気、永遠のゼロ|青木理
2018年04月03日 森友問題 謝罪会見 財務省 青木理 麻生太郎
以前から、この国の「謝罪会見」には違和感を覚えていた。さまざまな企業にせよ、役所や警察といった公的組織にせよ、不祥事を起こした際の「謝罪会見」は判で押したようにほぼ同じ。
まず、社長や幹部らトップ陣が会見場に現れ、あらかじめ準備した謝罪文を読みあげたりしたあと、揃って立ちあがり「大変申し訳ありませんでした」と言って深々と頭を下げる。その瞬間、カメラのフラッシュが一斉に光り、翌日の新聞やテレビにはその場面が大きく報じられる。以上、終わり。
中にはいきなり土下座したり、号泣したり、そんな例もなくはないが、普通の組織ならばほぼ相似形。本当に謝罪するつもりがあるのか、心から謝罪しているのか、とりあえずはやらないと許されない儀式と化しているみたいで、それを当然のことのように報じるメディアの側も含め、なんだか不思議な日本的光景だと感じていた。
その違和感を見事に打ち破ったのが、財務相兼副総理の麻生太郎氏である。
あらためて記すまでもなく、首相や首相の妻の関与がささやかれる森友学園問題をめぐり、財務省が犯した公文書改竄(かいざん)は前代未聞の犯罪的行為。国権の最高機関たる国会=立法府を改竄文書で欺くのは、行政府に対する立法府のチェック機能を根本から蝕み、後世に伝えるべき歴史まで捻じ曲げる民主主義システムの破壊行為でもある。
そんな所業に手を染めた財務省の動機や改竄の真相はいまなお不明だが、財務相である麻生氏はまごうことなき責任者。仮に改竄を指示していたにせよ、指示も関与もしていなかったにせよ、まったく知らなかったとしても監督責任は免れないのだから、本来は行政府の長である首相ともども辞任するのが筋だと僕は思うが、麻生氏にそんな気はさらさらないらしい。
もちろん、「謝罪会見」は開いた。一応は「謝罪」も口にした。それは財務省が改竄を認めて国会に報告した3月12日のこと。ただ、正式な会見ではなく、メディア業界では「ぶら下がり」などと呼ばれる即席の会見だった。
冒頭、事務方が用意したらしき文書を読みあげた麻生氏は、「極めてゆゆしきことなのであって、誠に遺憾、私としても深くお詫びを申しあげる次第です」と語った。だがその瞬間、頭は1ミリたりとも下げず。いや、会見の間中、1度たりとも頭は下げず。しかもすべての責任は理財局以下の部下にあると断言し、あるメディアの記者が質問をいくつか重ねると、こんなことまで口走って会見を仕切りだす始末。
「1度も2度も質問せず、もうちょっと分散してくれねえかな」
皮肉を込めて書くのだが、唖然とするほどに見事。すべての責任を部下に押しつけ、心から謝る気など永遠のゼロ。そればかりか、つい先日の国会では、こんなことまで言いだした。
「(TPP11が)日本の指導力で締結された。こないだ茂木大臣が
0泊4日でペルーを往復したが、日本の新聞には1行も載っていなかった」
「日本の新聞のレベルはこんなもんだなって経済部のヤツにボロカス言った」
「みんな森友の方がTPP11より重大だと考えてるのが
日本の新聞のレベル。政治部ならともかく経済部もこれかと、
おちょくりにおちょくり倒した記憶があります」
これもまた、見事なほどむき出しの本音。しかもこれ、報じられているように、なにからなにまで間違いだらけ。TPP11はまだ「署名」段階だし、その署名地は「チリ」だし、この件は各紙とも「大きく」報じている。
つくづく思うのだが、不祥事を起こした民間企業のトップが同じような態度を会見などでとれば、メディアや世論の総バッシングを浴び、下手をすればその企業は潰れてしまうだろう。しかし、麻生氏はいまも財務相の座にあり、大した批判も浴びていない。判で押したような「謝罪会見」にも違和感を覚えるが、これほどの開き直りと傲岸不遜な振る舞いが許されるのは、いったいなぜなのか。
既知の政治記者たちに尋ねてみると、これまた口を揃えて「あれが麻生さんのパーソナリティだから」と語る。ある政治記者は「生粋の名家育ちの麻生さんは、頭を下げて謝ったことがないんでしょう。頭は下げるためにあるんじゃなく、帽子をのっけるためにあると思ってるんじゃないですか」と言って笑う。
そういえば少し前、自民党で幹事長などを務めた山崎拓氏にインタビューした際のことを思い出す。麻生氏と同じ福岡出身の山崎氏によれば、麻生氏はかつて初出馬した際、街頭演説で聴衆に向かってこう言い放ったという。
「シモジモのみなさん、わたくしがヨシダシゲルのマゴのアソウタロウであります」
この逸話を明かして苦笑した山崎氏は、県議あがりのたたき上げ政治家だが、対する麻生氏は首相らと同様、政治を3代世襲する"由緒正しきお家柄"。シモジモの我々としては、チンケな企業や役所のトップとは違うのだと拝察し、ありがたく戴くしかないということか。まるで封建時代みたいな話だが。(青木理・連載『逆張りの思想』第五回)
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