(2022年09月15日[木])
《戦争の惨禍を伝えようとする強い決意》、特に子供たちへ……水木しげるさん。
『●水木しげるさん《「殺りくの記録は…いまここに書きとどめなければ
誰も知らない間に葬り去られる」…戦争の惨禍を伝えようとする強い決意》』
『●斎藤貴男さん《人間が、とりあえずアングロサクソンが一も二もなく
取り組むべきは、エビやイカの痛みなどよりも、戦争の廃絶ではないのか》』
志真秀弘氏による、レイバーネットの書評【〔週刊 本の発見〕水木しげる『総員玉砕せよ!(新装完全版)』/水木しげるの伝えたかった戦争】(http://www.labornetjp.org/news/2022/hon263)によると、《水木は「ぼくは戦記物を書くとわけのわからない怒りが込み上げてきて仕方がない。多分戦死者の霊がそうさせるのではないかと思う」(「あとがき」)とも書いている。ビンタばかり食らい、敵軍に片腕をふっとばされた一兵卒、それが軍隊のなかの水木だった》。
どう戦争の記憶を残し、戦争を回避するのか。戦争の記憶の継承、《語り継ぐ》。
「火事場ドロボー」どもが、台湾有事を煽り、先制攻撃・核保有までも口にする。戦争法を盾に、子や孫を戦場に送り出したくて仕方ないらしい。《戦争絶滅受合法案》の制定を切に願う。
『●「戦争の愚かさを身に染みて知っているはず…
9条の「戦争放棄」「戦力不保持」の理念はその教訓の結晶」』
『●《戦争の記憶を継承…なぜ継承するのか。端的に言えば、過ちを繰り
返さないためである…過ちを繰り返さないために過去の過ちから学ぶ》』
『●《「真実を後世に伝えることが生き残った自分の義務」と心の傷を
押して語り部を続け大きな足跡を残した》安里要江さんがお亡くなりに…』
「平和な社会への《語り部》の皆さんの重要な貢献。特に、
《沖縄戦の語り部》の皆さんは高齢化している。そんな中、
戦争の記憶をどのように継承していくのか。
《「真実を後世に伝えることが生き残った自分の義務」と心の傷を
押して語り部を続け大きな足跡を残した》安里要江さんがお亡くなりに
なったそうです」
『●琉球新報《かつての戦争「前夜」の状況を繰り返さないことを誓いたい》
《沖縄のメディアとして改めて誓う。戦争のためにペンは取らない》』
『●《沖縄戦をどう継承するか。…国のために死を強いた沖縄戦の実相を
美談にしてはならない。紡いできた住民目線の継承を大切にしたい》』
「皇軍兵士として戦場で地獄を見た」水木しげるさん、「一番いけないのが戦争です」。そして、《戦争に向かうハードルが低く…戦争の怖さが(若者の)耳に届きづらい》恐ろしい世になってしまった。腐敗した自公お維コミによる政治では、決して良い世の中には向かわない。戦争法を廃止し、核廃絶に向かうこともない…。
「総員玉砕せよ!」には、《「人間の生き死にははかないものである(中略)殺りくの記録は、ここの石と木だけが知っている。いまここに書きとどめなければ誰も知らない間に葬り去られるであろう」との記述が、戦争の惨禍を伝えようとする強い決意》があった。
『●やはりアベ様「の頭は普通じゃな」かった:
誰一人止めない、止めようともしない自公議員…決して忘れない』
『●そもそも、子どもたちのためにこそ
「ドブガネしている」税金を使ったらどうなのか?』
『●水木しげるさんと堀江邦夫さん:
原発ジプシーと云う地獄と戦場と云う地獄』
『●「皇軍兵士として戦場で地獄を見た」水木しげるさん、
「一番いけないのが戦争です」』
《あれだけ国民をいじめた歴史はないんじゃないでしょうかね》。
「「皇軍兵士として戦場で地獄を見た」水木しげるさん。
《自由を国家が制限するんですからね。一番いけないのが戦争です。
戦争で死ぬんだと思うと希望もわきませんでした》という水木さんの
言葉は、戦争したい人々、「死の商人」たち、「戦争屋」たち、自公議員や
その支持者達には聞こえないらしい。
自公議員に投票できる親御さんや祖父母ら……、ブログ主には彼ら、
彼女らの神経が知れない」
『●桂歌丸さん…《戦争なんて本当に愚の骨頂》
《あんな思いなんか二度としたくないし、させたくない》』
《高畑勲、野坂昭如、大橋巨泉、永六輔、かこさとし、水木しげる、
愛川欽也、金子兜太など、戦争を知り、自身の体験をもとに平和を
希求するメッセージを発してきた戦中世代の著名人が続々と鬼籍に
入り始めている》
『●水木しげるさんの言葉を…《戦争に向かうハードルが低く…
戦争の怖さが(若者の)耳に届きづらい》恐ろしい世に』
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【http://www.labornetjp.org/news/2022/hon263】
〔週刊 本の発見〕水木しげる『総員玉砕せよ!(新装完全版)』
毎木曜掲載・第263回(2022/7/21)
水木しげるの伝えたかった戦争
『総員玉砕せよ!(新装完全版)』(水木しげる、講談社文庫、2022年7月刊、858円)ほか
評者:志真秀弘
今年は、水木しげる生誕(1922年)100年にあたり、かれの作品が何冊も新装版として刊行されている。小狡いくせに失敗ばかりの愛すべきねずみ男が登場する名作『ゲゲゲの鬼太郎』、世界各地の伝承に生きる数々の妖怪たち、ヒトラーや南方熊楠などの人物伝、古典の漫画化、『コミック昭和史 全八巻』など数えきれないジャンルと作品がかれにはある。見落とせないのは戦記物である。
水木の戦記物の中で、『総員玉砕せよ!』はまちがいなく最高傑作だろう。
ニューブリテン島(ニューギニア島北隣り)の日本部隊が昭和20年(1945年)6月に玉砕するまでを描く。漫画は「私はくるわに散る花よ/ひるはしおれて夜にさく」と歌う従軍慰安婦たちとそこに何十人も行列して待つ兵隊たちの場面から始まる。その末に「これから全員玉砕する 最後にお前たちの好きな歌をうたって死のう」と上官がいうのに応えて「わたしはなーあんで/このようーな/つらいつとめーを/せーにゃなあらぬ」と歌って兵隊たちは突撃する。首や手足がちぎれ、身体が砕け散り、累々と屍が並び、そして白骨と化す水木独特の細密画が何ページも連なり、終わる。そんな悲惨極まりない話なのにどことなく水木らしいユーモアも漂う。(*写真=水木しげる)
水木は「ぼくは戦記物を書くとわけのわからない怒りが込み上げてきて仕方がない。多分戦死者の霊がそうさせるのではないかと思う」(「あとがき」)とも書いている。ビンタばかり食らい、敵軍に片腕をふっとばされた一兵卒、それが軍隊のなかの水木だった。
この『総員玉砕せよ!』の単行本は1991年10月に刊行された。同じ年に水木は、「ねずみ男」を語り手に、短編漫画「戦争と日本」(『水木しげるの戦場―従軍短編集』中公文庫所収)を『小学6年生』に発表している。十五年戦争は「隣近所」に日本刀をかざしていきなり土足で暴れ込んだようなものだから、「悪かったと謝る気持ちがなかったら、これから仲良くやっていくことはできない」とねずみ男は侵略戦争への反省と謝罪の必要性を説く。それは作者水木の考えでもあったに相違ない。90年代は社会主義体制の崩壊と湾岸戦争に始まる時代の転換点でもあった。水木は戦争を称揚する流れが強まることを直感して、この時期に『総員玉砕せよ!』「戦争と日本」などで子どもたちに戦争を伝えようとしたのだ。 『水木しげるの娘に語るお父さんの戦記(新装版)』(河出文庫、2022年7月)は淡々としたしかも味わいのある文章にかれの画が挿入された本。入隊直後便所に行き、うんこがあまりに太くて長く、なかなか切れず、結局召集時間に遅れ、早速ビンタを食らう話など、かれの底抜けのエピソードがいくつも語られ、現実は地獄なのになぜかおかしい。「土の人」との愉快な交流は水木の人間像を、戦後の紙芝居作家、貸本漫画家としての苦闘は当時の日本の世相をよく現している。
軍備増強がまことしやかに語られる現状をなんとかして変えたい。そのために私もまた水木にならい戦争の真実を子供たちに伝えたい。
*「週刊 本の発見」は毎週木曜日に掲載します。筆者は、大西赤人、志水博子、志真秀弘、菊池恵介、佐々木有美、根岸恵子、黒鉄好、加藤直樹、わたなべ・みおき、ほかです。
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