[※ アサヒコム(2007年9月22日)↑:「69年、出版された『豆腐屋の四季』を手にする松下竜一、洋子夫妻=松下洋子さん提供」(http://www.asahi.com/travel/traveler/images/TKY200709220092.jpg)]
(2024年02月19日[月])
大谷昭宏さん《「(事件を)後悔している」と話したそうです。意味はわかりませんが、爆弾やテロでは社会は変わらない。事件当時21歳だった自分と同年代の若者がきちんと選挙に行き、ゆっくりであっても社会を変えて行ってほしい。…》。根岸恵子さん《出所した浴田由紀子さん…が裁判の最終陳述で語ったことは、心に沁みた。自分たちは暴力ではなく、考えを広めるために、平和的に仲間を増やすべきだった。そうすれば社会は変わるだろうと。》
日刊スポーツのコラム【大谷昭宏のフラッシュアップ/「桐島聡」最期に名乗り出た意味は…ラジオでじっくり語ってきた】(https://www.nikkansports.com/general/column/flashup/news/202402190000052.html)。《死の直前、捜査員に「(事件を)後悔している」と話したそうです。意味はわかりませんが、爆弾やテロでは社会は変わらない。事件当時21歳だった自分と同年代の若者がきちんと選挙に行き、ゆっくりであっても社会を変えて行ってほしい。そう捉えてもらえたら、彼が名乗り出た意味はあったのではないか。私は勝手にそう考えています。》
『●《われわれは大きな不正を正すために何をしたというのか。
何もしないからこそ、彼らのように重大な失敗を招くこともなかった》』
『●《「冷酷非情の狼」という印象》…でも彼らがなぜ「その闘争」を
やらなければならないと思ったのか?、には耳を傾ける必要がある』
『●《浴田由紀子さん…自分たちは暴力ではなく、考えを広めるために、
平和的に仲間を増やすべきだった。そうすれば社会は変わるだろう》』
『●松下竜一さん《『草の根通信』の読者にして…知ろうとする心を閉ざ
して拒絶する壁をめぐらせてしまうことほど、危険なことはないのだが》』
松下竜一さん《知ろうとする心を閉ざして拒絶する壁をめぐらせてしまうことほど、危険なことはないのだが》。《何もしないわれわれが、やったがゆえに死傷者を出してしまった彼らを、裁くことができるのか》(松下竜一さん)。
もう何十年も前、当時の『草の根通信』の読者にしても、そうだった。《…拒絶反応だと断じざるを得ない。/…私は暗然とする。信頼してきた『草の根通信』の読者にしてこうなのかと思う。/一度焼きつけられた「冷酷非情の狼」という印象は消えることなく、大道寺将司という名だけで、もう拒絶反応が起きてしまうことになる。知ろうとする心を閉ざして拒絶する壁をめぐらせてしまうことほど、危険なことはないのだが》。
根岸恵子さん《“大地の牙”メンバーだった浴田由紀子さん…「東アジア武装戦線の戦いに最も欠けていたのは、いま現在から革命後の社会を、物的に、人的に、思想的に、あらゆる領域から作っていく創造の戦いとして考え、実践することだった。敵を打倒し、破壊することよりも、味方を増やし、味方の力を育て、作り出す戦い方をしたい。それは『もう誰も死なさない革命』でもあるはずです」。未来は私たちの手に委ねられている》。
〝殺人〟、人を殺めることは絶対に否定されなければならない…でも彼らがなぜ「その闘争」をやらなければならないと思ったのか?、には耳を傾ける必要がある。
『松下竜一未刊行著作集5/平和・反原発の方向』から、再々度、引用。
「…拒絶反応だと断じざるを得ない。/…私は暗然とする。信頼してきた『草の根通信』の読者にしてこうなのかと思う。/一度焼きつけられた「冷酷非情の狼」という印象は消えることなく、大道寺将司という名だけで、もう拒絶反応が起きてしまうことになる。知ろうとする心を閉ざして拒絶する壁をめぐらせてしまうことほど、危険なことはないのだが」。
「…つい感情を昂ぶらせてしまった。/「あなたは、なんでそんな第三者的な質問をするのか。死傷者を出したことで一番苦しんでいるのは、彼らではないか。われわれは大きな不正を正すために何をしたというのか。何もしないからこそ、彼らのように重大な失敗を招くこともなかった。何もしないわれわれが、やったがゆえに死傷者を出してしまった彼らを、裁くことができるのか」」。
「そのことで彼らを無差別大量殺人者として糾弾することはたやすい。だが、時代の痛みにも気づかず、あるいは気づいても知らぬふりをしていた者が(行動しなかったがゆえに失敗しもしなかっただけのことで)、行動を起こしたがゆえに大きな失敗をしてしまったものを威丈高(いたけだか)に指弾できるだろうかという思いは、『狼煙を見よ』を書き進むにつれて私の中でつのっていった。なによりも、そのことで一番苦しみ抜いているのは獄中の〝狼〟たちなのだ。/荒井まり子は、企業爆破事件の実行犯ではない。謀議にすら関与してはいない」。
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【https://www.nikkansports.com/general/column/flashup/news/202402120000102.html】
コラム
大谷昭宏のフラッシュアップ
2024年2月12日8時0分
「桐島聡」とあの頃の日本 ラジオでじっくり語ってきた
大阪のABCラジオ、「おはようパーソナリティ小縣裕介です」から「あのころの事件を語れるのは、いまでは大谷さんくらい」と、なんだかよくわからない依頼をいただいてスタジオでじっくり語ってきた。
テーマは逃亡49年、死の直前に「桐島聡」と名乗り出た連続企業爆破重要指名手配犯。リスナーから事件について、さまざま疑問が寄せられていた。
-連続企業爆破犯は、なぜ学生運動と一線を画したのですか
1969年の東大安田講堂陥落を最後に大学を追われた学生は学外で連合赤軍を結成するなど武力闘争に走り、72年にはあさま山荘事件を起こします。一方で、群馬の山中で10人もの仲間をリンチして殺害したことも発覚。桐島容疑者らは理屈ばかりで頭でっかちな学生に見切りをつけるのです。
-そこでできたのが東アジア反日武装戦線だったのですね
戦後、みんなが貧しかった日本も、70年代の高度経済成長期に入ると貧富の差が激しくなります。加えて経済力をつけた日本は、中国、韓国などアジアの国々に進出します。これを彼らは戦前の日本帝国主義の再来と捉えたのです。
-そんな帝国主義と、学生以外のだれが闘うのですか
彼らはまさにその帝国主義によって踏みにじられている人、日雇い労働者、在日朝鮮人、アイヌ…そういう人こそ闘いの中核になるべきと考え、これを“窮民革命”と呼んだのです。
-厳しい生活を強いられている人に大企業相手の爆弾闘争をさせることが、どうしても結びつきませんが
そうでしょうね。70年代の日本を揺るがした事件、とても1回では語り尽くせません。ラジオの続きはまた来週。
◆大谷昭宏(おおたに・あきひろ)ジャーナリスト。TBS系「ひるおび」東海テレビ「NEWS ONE」などに出演中。
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【https://www.nikkansports.com/general/column/flashup/news/202402190000052.html】
コラム
大谷昭宏のフラッシュアップ
2024年2月19日8時0分
「桐島聡」最期に名乗り出た意味は…ラジオでじっくり語ってきた
49年間逃亡の末、死の4日前、神奈川県で男が重要指名手配犯「桐島聡」と名乗り出た連続企業爆破事件。リスナーの疑問に答えながら話した大阪・ABCラジオの先週の続き。
東アジア反日武装戦線が学生運動を見限って、日雇い労働者や在日朝鮮人を中核に据えた“窮民革命”についてのリスナーの疑問。
-踏みにじられた窮民と財閥系企業の爆破がどうしても結びつかないのですが
その通り、実際結びつかなかったのです。やはり自分たちが見限った学生運動と同様、彼らも頭でっかちだったのです。明日のお米にも困っている人々に爆弾を作っている余裕なんかあるはずがないのです。結果、自分たちで手を下し、組織は壊滅してしまいました。
-爆弾テロで社会が変わるはずがないですよね
当然です。爆破で犠牲になったのは家族を大切に懸命に働く市民たちです。そんな人の命を奪っておいて共感を得られるはずがありません。
-それにしても49年間、よくも逃げ続けましたね
彼らが教本にしていた「腹腹時計」には「単独で逃げ、深入りせずに人とつき合い、隣人には挨拶(あいさつ)を欠かさず」と書かれていて、その通り実行していました。
-最期に名乗り出た意味はあったのでしょうか
死の直前、捜査員に「(事件を)後悔している」と話したそうです。意味はわかりませんが、爆弾やテロでは社会は変わらない。事件当時21歳だった自分と同年代の若者がきちんと選挙に行き、ゆっくりであっても社会を変えて行ってほしい。そう捉えてもらえたら、彼が名乗り出た意味はあったのではないか。私は勝手にそう考えています。
◆大谷昭宏(おおたに・あきひろ)ジャーナリスト。TBS系「ひるおび」東海テレビ「NEWS ONE」などに出演中。
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