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[※ 『原発に挑んだ裁判官』(磯村健太郎・山口栄二) 朝日新聞出版(https://publications.asahi.com/ecs/detail/?item_id=21028)↑] (2024年10月27日[日])
質問にお答えしませんでしたが、特定の誰かをヒーロー視、ヒロイン視するつもりはないです。何度も痛い目にもあっていますしね。樋口英明さんも《「私の政治思想は保守。革新的な考えなんか全くないですよ」と言う。詳述はしないが、天皇制や憲法改正について尋ねると、確かにそうだ》…そうなので、諸手を上げて、全ての面で賛同している訳ではないです。
でも、核発電への批判には賛同。
核発電バンザイなホシュという矛盾。《地震大国の日本には、北海道から沖縄まで原発を動かせる場所はどこにもない》(樋口英明さん)というのにね。「安全な原発」という形容矛盾。《<本件原発の運転停止によって多額の貿易赤字が出るとしても、これを国富の流出や喪失というべきではなく、豊かな国土とそこに国民が根を下ろして生活していることが国富であり、これを取り戻すことができなくなることが国富の喪失である>》、《「原発事故によって放射性物質が拡散され生命を守り生活を維持することが困難となる危険があれば、人格権に基づいて原発の運転の差し止めを求めることができる」》。
ホシュのみなさん、《これを取り戻すことができなくなる》の意味を理解できているのだろうか?
千葉紀和記者による、毎日新聞の記事【真の保守こそ反原発の道を 原発差し止め判決、元裁判官の挑戦状】(https://mainichi.jp/articles/20241021/dde/012/040/005000c)。《裏金問題や物価高対策が注目される衆院選。だが、忘れてはならない大切なことがある。原発政策だ。「真の保守なら原発に反対するのが当然」と説く人がいる。10年前に原発の運転差し止め判決を出した元裁判官の樋口英明さん(72)だ。原発推進は保守系、反対は革新系という固定観念を持つ人は意外に思うだろう。どういうことか。》
『●元福井地裁裁判長・樋口英明さん《地震大国の日本には、
北海道から沖縄まで原発を動かせる場所はどこにもない》』
《二〇一四年五月に福井地裁の裁判長として、関西電力
大飯原発3、4号機(福井県)の運転差し止め判決を出した。
今も自分が正しいと確信を持っている。大飯原発の基準地震動
(耐震設計上の想定の揺れ)は七〇〇ガル(揺れの勢いを示す加速度の
単位)で、重大事故につながる限界点は一・八倍の一二六〇ガルだと
関電は主張していた。私は裁判前は、三〇〇〇ガルのような強い揺れに
原発が耐えられるかどうかが争点になると予想していた。ところがふたを
開けてみれば、一二六〇ガルが来たらおしまいだというのは争いが
なかった。主な争点は「敷地内に一二六〇ガルを超える地震は来ない」
という関電の主張の信用性だった。それが争点なら難しい工学的判断は
不要で、理性と良識があれば簡単に解ける問題となる。地震大国の
日本では、原発で基準地震動を超える地震が頻発しており、大飯も
「ロシアンルーレット」状態だった。日本の国策は「安全な原発を
動かす」であって、「何が何でも動かす」ではない。私の「極めて
危険だから動かしてはいけない」という判断は、国策にも忠実だった
と思っている。仮に私が日本原子力発電(原電)東海第二原発の
差し止め訴訟を指揮するなら、ポイントは三つあると思う。一つは、
基準地震動を超える地震が来ないと言えるかどうか。
これは他の原発と共通の問題だ》
『●反核発電に、高度な工学的知識は不要である…(樋口英明さん)
《原発の耐震性は信頼度も基準値も一般住宅より、はるかに劣る》のだから』
『●2014年5月大飯原発運転差し止め判決…樋口英明さんは《基準地震動を
超える地震が来ないと言えるかどうか…他の原発と共通の問題》』
《規制委の審査が不十分であることが司法によって示されたのだ。
大飯だけでなく、再稼働を目指す東京電力柏崎刈羽原発(新潟県)
や東北電力女川原発(宮城県女川町、石巻市)など、審査に合格
した施設でも規制委の審査が十分だったのか疑問符が付く》
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【https://mainichi.jp/articles/20241021/dde/012/040/005000c】
真の保守こそ反原発の道を 原発差し止め判決、元裁判官の挑戦状
千葉紀和 2024/10/21 東京夕刊
(「原発を止めた裁判官による 保守のための原発入門」著者の
樋口英明さん=東京都千代田区で2024年9月27日、
幾島健太郎撮影)
裏金問題や物価高対策が注目される衆院選。だが、忘れてはならない大切なことがある。原発政策だ。「真の保守なら原発に反対するのが当然」と説く人がいる。10年前に原発の運転差し止め判決を出した元裁判官の樋口英明さん(72)だ。原発推進は保守系、反対は革新系という固定観念を持つ人は意外に思うだろう。どういうことか。
<本件原発の運転停止によって多額の貿易赤字が出るとしても、これを国富の流出や喪失というべきではなく、豊かな国土とそこに国民が根を下ろして生活していることが国富であり、これを取り戻すことができなくなることが国富の喪失である>
2014年5月に関西電力大飯原発3、4号機(福井県おおい町)の運転差し止めを命じた福井地裁判決。言い渡したのが裁判長だった樋口さんだ。11年3月に起きた東京電力福島第1原発事故後、原発の運転差し止めを命じた司法判断は初めて。憲法の人格権を重視した判決は注目を集めた(運転を容認する18年7月の名古屋高裁金沢支部判決が確定)。
一方で原発推進派からは批判が噴出した。一部の新聞は「不合理な推論」「司法の暴走」と指弾し、「左派裁判官の情緒的判断」といった中傷もインターネット上に相次いだ。
それでも、樋口さんは翌年4月、同じ福井の関電高浜原発3、4号機(高浜町)の再稼働差し止めを命じる仮処分決定を出した。退官後は原発の危険性を訴える講演や、各地の反原発訴訟の助言を続けている。
気骨の人だ。でも「さぞかし左寄りの方だろう」と私も思っていた。ところが、会ってみると意外にも「私の政治思想は保守。革新的な考えなんか全くないですよ」と言う。詳述はしないが、天皇制や憲法改正について尋ねると、確かにそうだ。
「そんな私が許せないのが原発です」と続ける樋口さん。………
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