asahi.comの記事『「情報公開の極小化」 沖縄密約原告、最高裁判決を批判』(http://www.asahi.com/articles/ASG7G5HXCG7GUTIL03L.html?iref=comtop_list_nat_n04)と、
社説『沖縄密約文書―説明なしではすまない』(http://www.asahi.com/paper/editorial.html?iref=comtop_pickup_p)。
東京新聞の記事 『沖縄密約の歴史、闇に 最高裁「請求者に立証責任」』(http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2014071590070844.html)と、
社説 『沖縄密約判決 「国家の嘘」を許すのか』(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2014071502000133.html)。
沖縄密約文書について「『ないのだから仕方ない』という国の言い分を正当化する判決。こんなことを認めたら民主主義は崩壊する」・・・・・・「捨てちゃったんだからもういいジャン」の国、それを許容する最高裁!? 「請求者に立証責任」ってどんな言いぐさ?? 世界を見渡してこんなにダメダメな裁判所ってあるのだろうか? それにしても、この国は一体・・・・・・。
『●〝沖縄密約〟東京高裁判決、原告側の逆転敗訴』
『●『沖縄密約』文書破棄という歴史の冒涜
~「捨てちゃったんだからもういいジャン」の国~』
「綿井健陽さんの言葉を再掲。
「【http://watai.blog.so-net.ne.jp/2011-10-01】 wataitakeharu昨日(29日)は
沖縄密約文書開示訴訟の判決の一報を、
普天間基地の隣りの沖縄国際大で聞いた。
東京高裁では頻繁にある“逆転判決”とはいえ、驚く。
外交文書を政府が捨ててOKの国・日本。沖縄の地元2紙から→
http://t.co/j9vJ34QW http://t.co/qw6ZaIKm 09/30 01:32」」
『●西山太吉さん密約事件が示すもの:
「一人歩きし、拡大解釈され、時の権力によって必ず乱用される」』
『●西山太吉さんが喝破、「うそをつく人たちが作ろうとしている危険な法案」』
『●特定秘密保護法案: 「うそをつく人たちが作」る猛毒を
「いい内容に仕上がっている」認識とは!?』
『●森達也さん『国民を騙し続けたこの国には秘密保護法など不要』』
『●特定秘密保護法案「改悪」協議:
沖縄密約事件時どころか、戦前の「治安維持法の再来」』
『●政治家の耳には市民の反対の声は届かず:
特定秘密隠蔽法案が衆院通過』
『●特定秘密隠蔽法案衆院通過: ・・・だから?、
福島の人々の声は聞こえないのだろうか? それとも・・』
『●西山太吉さん: 「特定秘密保護法制の実施機関に
メディアが入っている」非民主国』
==============================================================================
【http://www.asahi.com/articles/ASG7G5HXCG7GUTIL03L.html?iref=comtop_list_nat_n04】
「情報公開の極小化」 沖縄密約原告、最高裁判決を批判
2014年7月15日01時14分
(判決を受け、厳しい表情で会見する西山太吉さん
=14日午後、東京・霞が関、諫山卓弥撮影)
「『ないのだから仕方ない』という国の言い分を正当化する判決。こんなことを認めたら民主主義は崩壊する」。判決後、東京・霞が関で記者会見した元毎日新聞記者の西山太吉さん(82)は、最高裁判決を批判した。
「情報公開をできるだけ極小化し、押さえつけようとするもので、政府にとって都合のよい情報だけが届く危険な状態になる」。情報公開の制度について、「民主主義の一番の要だ」と強調した。
西山さんは、初めて密約の存在を暴いた。だが、沖縄返還が迫った1972年4月、密約を示唆する機密電文を西山さんに渡した外務省女性事務官(当時)とともに国家公務員法違反容疑で逮捕され、78年に最高裁で有罪が確定した。その後も、密約の存在を訴え続けてきた。西山さんをモデルに、作家の故・山崎豊子さんは密約事件をテーマにした小説「運命の人」を書いた。
==============================================================================
==============================================================================
【http://www.asahi.com/paper/editorial.html?iref=comtop_pickup_p】
沖縄密約文書―説明なしではすまない
2014年7月15日(火)付
あるべき文書がなぜないのか。このまま、説明なしではすまされない。
42年前の沖縄返還に伴う米国の財政負担を、日本が肩代わりするという秘密の合意。
日本政府は否定してきたが、米公文書館が公開した文書で、90年代以降裏付けられている。
その存在を認めた司法判断が、きのう最高裁で確定した。元毎日新聞記者の西山太吉さんらが国などを相手に起こした情報公開請求訴訟である。
判決は文書を開示しないことを認めており、形の上では国側の勝訴だ。だがその判断は、密約は存在し、01年の情報公開法施行前に秘密裏に廃棄された可能性を否定できないという見方に基づいている。政府は判決の意味を厳しく受け止めなければならない。
沖縄密約文書を「ないものはない」とかわしてきた政府の態度は目に余る。密約によって多額の税金が使われた。国民の評価にさらされるべきだ。当時の外務省の内規に照らしても永久保存すべき文書だったことは裁判所も認めている。
その存在をジャーナリストとして突き止めた西山さんは刑事罰を受けた。その一方で、闇に葬った政府関係者がとがめなしでは、あまりにバランスを欠くのではないか。
そもそも政府が「文書が存在しない」といって公開を免れられるのなら、情報公開制度は成り立たない。
知る権利のうえからも、歴史を記録する観点からも、「第一級の極めて重要な歴史文書」と裁判所が評価した今回の密約文書が、この先も存在しない状態でいいとは考えにくい。
政府が見つけられないならいっそ、米国側に文書の写しをもらい、それを保存、公開することを考えてはどうか。
気になるのは、米側の公開文書や外務省元局長の証言から原告が密約文書の存在をはっきり立証したのに、文書の性質によってはその後保管されなくても許容されるかのような判断を最高裁がしたことだ。情報公開を狭めることにならないか。
公文書管理法が11年に施行され、公文書の保存や廃棄のルールは明確になった。しかし、年内に施行される特定秘密保護法で指定されたら、それとは別ルートで扱われる。外交に不利益だとみなされれば、半永久的に秘密扱いにできるのだ。
この大がかりな情報隠しの道具を適正に運用できるのか。沖縄密約文書をめぐる一連の政府の姿勢を振り返るにつけ、疑問と不信は新たになる。
==============================================================================
==============================================================================
【http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2014071590070844.html】
沖縄密約の歴史、闇に 最高裁「請求者に立証責任」
2014年7月15日 07時08分
(記者会見する西山太吉さん=14日、東京・霞が関の
司法記者クラブで(平野皓士朗撮影))
一九七二年の沖縄返還をめぐる日米間の密約文書開示訴訟の上告審判決で、最高裁第二小法廷(千葉勝美裁判長)は十四日、元毎日新聞記者西山太吉さん(82)ら原告側の逆転敗訴とした二審判決を支持し、上告を棄却した。西山さんらの敗訴が確定した。行政機関が存在しないと主張する文書について「開示の請求者側に存在を立証する責任がある」との初判断を示した。裁判官四人の全員一致の意見。
情報開示を求める市民に重い立証責任を課した判断で、特定秘密保護法の施行を控え、国民の知る権利に大きな制約を与えそうだ。
判決理由で千葉裁判長は「いったん文書があると立証された場合、その後も行政機関が持っていると認められるかどうかは文書の内容や性質、作成の経緯などに応じて個別具体的に検討すべきだ」と判示。文書廃棄などの立証責任を行政側に負わせた一、二審とは異なる判断を示した。
その上で、密約文書の探索調査をした外務、財務両省が「文書は見つからなかった」としたことを踏まえ、「交渉過程で作成されたとしても、不開示決定時に文書があったと認めるには足りない」と結論づけた。密約の存在を認めた一、二審の判断は維持した。
一審・東京地裁判決は、米国立公文書館で見つかった米公文書や元外務省局長の法廷証言を基に、国が文書を作成、保有していたと認定。国に文書の全面開示を命じ、原告一人当たり十万円の賠償も認めた。二審・東京高裁判決も国が過去に文書を保有していたことは認めたが「外務、財務両省が秘密裏に廃棄した可能性を否定できない」とし、不開示は妥当と判断した。
西山さんらは、日本が米軍用地の原状回復費を肩代わりするなど三つの密約に関する文書を開示請求。外務、財務両省は二〇〇八年、文書の不存在を理由に開示しなかった。
◆国の主張を正当化
西山太吉さんの話 日米政府が共同して国民をごまかすために作ったのが密約文書で永久に保存されるべきだ。最高裁判決は、その文書がないという国の主張を正当化した。国民主権にのっとった情報公開の精神がみじんもなく、民主主義の基礎を崩壊させかねない。
<沖縄返還協定の密約> 1972年5月に発効した沖縄返還協定をめぐる日米の交渉過程で、米軍用地の原状回復費400万ドルや米短波放送中継局の国外移設費1600万ドルを日本政府が肩代わりし、協定で定められた米国への支出金に上乗せして負担することにした密約。「沖縄を金で買い戻した」との批判が予想されたため、国民には伏せられた。毎日新聞記者だった西山太吉さんが外務省の極秘公電を入手し、報道で密約を示唆したが、公電を提供した同省女性職員とともに国家公務員法違反罪で起訴され、2人の有罪判決が確定した。2000年以降、米国立公文書館で密約文書が見つかり、外務、財務両省は10年3月に「広義の密約」があったと認めた。
(東京新聞)
==============================================================================
==============================================================================
【http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2014071502000133.html】
沖縄密約判決 「国家の嘘」を許すのか
2014年7月15日
沖縄密約の文書は、とうとう国民の前には出なかった。最高裁はまるで情報公開の流れに逆行する初判断をした。戦後の重要な領土返還交渉での「国家の嘘(うそ)」を司法が隠蔽(いんぺい)するのと同然ではないか。
「沖縄密約はない」と長く政府は言い張ってきた。でも、米国で次々と密約文書が公開され、日本政府の嘘がばれた。原告らは情報公開法でその公開を求めた。
一、二審とも密約の存在は認めた。東京高裁は「文書は廃棄された可能性がある」と考え、原告の求めを退けた。
だが、最高裁は密約があったとは明確には言わず、「文書が作成されたとしても、(外務省や財務省が不開示の決定をしたとき)文書が保有されていたことを推認するには足りない」と述べた。
かみ砕いて言えば、「役所が文書を保管していることを証明しなさい」と原告側に求めたのだ。
この論法だと、役所が「文書はない」と言えば、情報公開を求める国民は、その時点で「役所に文書がある」ことを証明せねばならない。このハードルは高い。情報公開の精神は、役所側に証明させることではなかろうか。
国家の秘密と公文書の在り方を根源から問うた大事な裁判で、このような判決が出たのを憂う。
米国側がオープンにした「国家の嘘」を挙げてみよう。まず、沖縄返還協定に基づいて、日本が米国側に支払った三億二千万ドルの中に、不適切な出金が数々あった。本来、米国側が負担すべき軍用地復元補償費などだ。
それ以外にも「秘密枠」が存在し、莫大(ばくだい)な金を日本が積んでいた。核兵器の持ち込みなど「核密約」も含まれていた。このような重要情報が米国からもたらされても、日本側は「ない」と言い張ってきた状況は異様である。
「秘密枠」の金は国会の承認を得ておらず、違法なはずだ。「核密約」も非核三原則の国是に反する。国家は国民に嘘をつく-、その典型例が沖縄密約である。しかも、秘密文書は作成、保管、移管、廃棄というプロセスがまったく霧の中である。
特定秘密保護法が年内に施行される。チェック機関が正常でないと、違法な秘密や実質的な秘密でない情報まで隠蔽される懸念がある。特定秘密でなくとも、さまざまな情報が官庁から出にくくなる副作用を伴うだろう。
正しい情報を持たない国民は正しい判断ができないことをあらためて強調したい。
==============================================================================