第一章が昨日で翻訳完了しました。当初は、日本には翻訳が出ていない、『エール・レヴュー』に1981年に掲載された、The Gallalian Sayings and the Sense of " I " 「イエス・キリストのいつくかの格言と<私>という感じ」を翻訳する予定でした。これは、エリクソンが最も言いたかったことを集約的に言っている論文なのに、今まで翻訳がないことが非常に残念に思ってきたからです。
しかし、それは、このYoung Man Luther: A Study in Psychoanalysis and History を翻訳した後にします。
今日から第二章に入ります。
第二章
聖歌隊での発作
若いルターの同時代の3人(誰もルターの記録を後付で書いたのではない))が記録しているのは、ルターが20代初め、ないしは、中ごろに、エルフルトの修道院の聖歌隊で何度か床に倒れた事、取りつかれた者のように夢中にしゃべったこと、牡牛のごとく吠えたことを報告しています。「Ich bin's nit! Ich bin's nit!(ドイツ語) 僕じゃない、僕じゃない」 ないしは、「Non sum! Non Sum! (ラテン語) 僕じゃない、僕じゃない」。 ドイツ語版は一番うまく「それは僕じゃあない」と翻訳されています。ラテン語版は「僕じゃあない」と翻訳しています。
エリクソンは、ルターの「発作」をまず話題にします。まるでてんかん発作の様に、ルターの様子が異様です。このルターが1人のペイシェントpatientであることが分かります。