県疾病対策課は5日、交通事故や運動中の転倒などの衝撃で起きる「脳脊髄(せきずい)液減少症」の講習会を三島市民生涯学習センターで開いた。養護教員や患者ら約60人を前に、症状を研究する第一人者で国際医療福祉大熱海病院の篠永正道教授が「原因不明の体調不良に苦しんでいる人には髄液が減っている人がいるはず」と理解を訴えた。
同症は脳と脊髄を覆う硬膜内の隙間(すきま)にある脳脊髄液が外傷などで減少する。篠永教授は▽国内で30万人の患者が見込まれること▽症状は頭痛や目のかすみ、耳鳴りなど多岐にわたり、体位や気候で変化すること▽患者の血液を患部付近に注射し漏れを止める「ブラッドパッチ」が有効であること−−などを説明。
また、子供は髄液が漏れやすく、柔道の必修化で患者が発生しかねないことや、イラクやアフガニスタンに派遣された米兵に多い外傷性脳損傷に同症が関係している可能性も示唆した。
NPO法人脳脊髄液減少症患者・家族支援協会の中井宏代表理事も訪れ、患者が自殺の原因とされる健康・経済・家庭問題の三重苦にある現状を伝えた。
県主催の講習会は昨年に続いて2年目。8月30日に浜松総合庁舎、10月4日に静岡総合庁舎でも予定している。【西嶋正信】
以上毎日新聞記事より。
ここからは私の文章です。
↓
摩訶不思議な症状の原因が実は脳脊髄液減少症なのに、
それに気づけないまま、
軽度外傷性脳損傷の診断をうけてしまったり(治療法はないと言われる)
幸いにも早期に脳脊髄液減少症と診断され、治療を受けている最中に、
たった一度や二度のブラッドパッチで症状がすぐさま改善しないからといって、
私は軽度外傷性脳損傷なんじゃないかとそれまでの主治医に不信感を持ち、
そっちの方向へ行ってしまって、そう診断されて
「やっぱり、私は軽度外傷性脳損傷もあったんんだ。」とか
「どうりでブラッドパッチでは治らなかったはずだ。」なんてことで
妙に納得してしまったり。
納得するだけならともかく、
それまでの主治医への不信感から
脳脊髄液減少症の治療がそのまま中断してしまったりするのは
非常に残念です。
第一、私がここまで回復するのに、治療開始から何年かかったと思う?
なんど治療したと思う?
一度や二度のブラッドパッチ後すぐさま治らない、
社会復帰できないからといって、
脳脊髄液減少症ではないとか、
脳脊髄液減少症以外の合併症がひそんでいるとは、
かぎらないんだよ。
脳脊髄液減少症のもうひとつの怖いところはね、
普通の病気やけがと回復の仕方が異なるっていう情報が
ほとんどの人が知らないから、
その治療にも誤解が生じてしまい、治療中断を招きかねないことだと
私は感じてる。
脳脊髄液減少症と本人も医師も気づくまで
時間がかかることも普通の病気やけがと違って恐ろしいけど、
それだけでなく、
気づいて無事診断され、治療がはじまってもなお、
すぐさま症状が改善しなかったり、
一時的に悪化したようになったり、
症状の波があったり、
いいと思ったら、また悪化したりと
悪戦苦闘が続くことから、
患者が、主治医やその診断や治療に疑いを持って、
他の方向へ行ってしまったり、
脳脊髄液減少症の治療に途中で挫折したりして、
結局治らないまま、そのままになってしまう危険が
他の病気やけがより多いんじゃないか。
それが、脳脊髄液減少症の二つ目の恐ろしさだって、
私は自分を振り返って感じてる。
それだけでなく、
脳脊髄液減少症の臨床の現場も知らず、その症状に無知で
臨床例の多い医師の診断方法や治療に、
批判的な医師も、まだまだ整形外科や神経内科医あたりにいるってことが、
もっともっと恐ろしいけど、
そういう無知で不勉強な医師がもっともらしく真顔で患者に
「ブラッドパッチして悪化した人がいるよ。」とか
「あんな治療で治らないよ。」とかいうことを、
真に受けて信じ込んでしまう患者の存在も
恐ろしいと私は思う。
根気良く治療すれば治るものを、治らないとか、
原因不明の病とか、
治療法がないと信じ込んで、
何もしようとしないほど、
恐ろしいものはないと思うから。