医療ジャーナリストの松沢 実 さんが、
日刊ゲンダイに連載されていた記事が、
「脳腫瘍から通風まで、日本中から患者が集まるゴットハンドを網羅」という本になって、
つい最近11月17日に発行されました。
どうせ、脳脊髄液減少症の医師なんて載っていないだろうと思っていたら、
なんと、脳脊髄液減少症の第一人者のS医師が載っていました。
松沢 実さん、脳脊髄液減少症の記事とS先生のことを、
本に載せてくださり、ありがとうございました。
この松沢さんの意図か、偶然かわかりませんが、
慢性疲労症候群や、線維筋痛症や、高次脳機能障害など、 脳脊髄液減少症と無関係とはとても思えない病が、脳脊髄液減少症と同じ章にまとめられていました。
慢性疲労症候群や線維筋痛症や、高次脳機能障害の
専門医たちは、
原因不明の数々の全身の激しい痛みや、自分の手足ですら重く感じるほどの慢性的なものすごいだるさや疲れや、
短期記憶障害などの深刻な高次脳機能障害が
脳脊髄液減少症でも現れることを、
いったいどれだけ理解されているのでしょうか?
私が実際に脳脊髄液減少症の症状として経験しただけでも、
この本に出てくるさまざまな病名と
似た症状がたくさんあります。
たとえば、
脳卒中か、くも膜下出血かと思われるほどの激しい頭痛。
下垂体腫瘍で起こるような下垂体の異常やホルモン障害。
心筋梗塞かと思うほどの胸の締め付けや痛み、
心房細動かと思うほどの、不整脈や頻脈や徐脈。
パーキンソン病と間違われそうな、
猫背で前のめりの、カクカクとしたロボットのような
不自然な歩き方や体のこわばり。
まるで膵炎のような、朝の吐き気。
まるで、COPDのような呼吸困難。
胃食道逆流症は実際に脳脊髄液減少症患者さんの多くに起こる症状のようですし、
私の場合は、吐くことはなくても、
食べ物飲み物が食道辺りでつまって、胃に下りていかないような苦しい感じがブラッドパッチ後もしばらく続きました。
それは、まるで、やきいもを水なしで食べた時、
食道の中間あたりでつかえて、下に降りていかないような
感じでした。
実際に激しい頭痛のわりに、脳の一般的な検査をしても、
異常が見つからないために、
扁頭痛、慢性頭痛、緊張型頭痛など、
頭痛という症状につけられる数々の病名も、
脳脊髄液減少症の頭痛にだけ注目すれば、
そう診断されがちです。
脳脊髄液減少症の体の痛み、朝のこわばりを訴えたら、
関節リウマチを疑われたこともありました。
腰痛は時にはヘルニアか、ぎっくり腰のように
動けないほどの激しい痛みがありました。
体の内部にいつも鈍痛、内臓痛を感じることもありました。
それは、卵巣のようだったり、子宮のようだったり、
とにかく、体の内臓が痛むのです。
普通、内臓の痛みには、何か重大な疾患のサインであることが
多いのですが、
脳脊髄液減少症の痛みの場合、その痛みの原因がその痛みの部分には見つからないのです。
その上、やがて消えてしまったりします。
したがって、医師にもストレス、心因性などと思われがちです。
肩の痛みは、まるで、五十肩、四十肩そっくりだし、
私は手が肩の上まで上がらない時期もありました。
それは、ブラッドパッチ後、一時的に痛みがひどくなったようになり、数ヶ月続きましたが、その後、痛みも消え、手が上がるように動くようになり、肩の痛みもウソのように消えていきました。
脳脊髄液減少症で、過活動膀胱のような激しい頻尿や、
切迫性尿失禁のような症状がでるのは、
過去記事に書いたとおりです。
また、脳脊髄液減少症は抵抗力を低下させるためか、
風邪でもなんでも簡単に感染してしまいます。
しかも、一度風邪などになると、なかなか治りません。
私は1ヶ月も2ヶ月も風邪が治らなかったことがありますし、
やっと治ったと思ったら、また感染してしまい、
それを延々繰り返していたため、周囲から
虚弱体質、とあきれて見られていたこともあります。
さらに、私の体験では、
脳脊髄液減少症になる、アレルギー症状もひどくなるようです。
(私はブラッドパッチ後この秋、花粉アレルギーがかなり楽になりました。
このことはそのうち書きたいと思っています。)
アトピー性皮膚炎がブラッドパッチ後軽くなったという
脳脊髄液減少症の患者さんの声もあり、
脳脊髄液の減少は、人の体の抵抗力や免疫力や、精神や身体のあらゆるバランスを崩し不健康にさせていくようです。
(これも書こう書こうと思いながら、書けないでいます。情報を寄せてくださった方、ごめんなさい。)
脳脊髄液減少症になると、
声が出づらく小さな声になったり、
声が低くなったり、声がれでガラガラ声になったりします。
この声の症状を訴えて、専門病院のボイスセンターを受診しても、
まさか、脳脊髄液減少症のせいで声がおかしくなっているとは、
声帯の専門医も気づかないことでしょう。
このように、症状ひとつひとつについて受診したところで、
なかなか脳脊髄液減少症という元凶に、
医師も患者も気づけないため、
根治療法へ至らないのが、この病の恐ろしいところです。
脳脊髄液減少症は、昼間に激しい眠気が出たり、
実際に数時間も眠りこんでしまう過眠症状がでるため、
私自身も、睡眠時無呼吸症かも?と思ったこともありますし、
実際に、この眠気の症状から、睡眠時無呼吸症を疑い、
専門医を受診している患者さんもいるかもしれません。
耳の鼓膜がポコポコとケイレンするようになる症状や、
耳がつまったようになって、聞こえずらい感じは、
まるで耳鼻科の病のようですし、
脳脊髄液減少症患者の精神症状や身体症状は
一般的な検査をしても異常がないため、
うつ病やパニック障害、
時には統合失調症と間違われることは多いと思われます。
最近、きょうの健康で統合失調症「症状や原因を知る」
という番組を見ましたが、程度の差はあるかもしれませんが、
私自身、陽性症状も陰性症状も、認知機能障害も似たような経験をしていて、驚きました。
私がもし、当時、統合失調症の専門医を訪れて
症状をそのまま話していたら、統合失調症と診断されていてもおかしくないと思いました。
(統合失調症は、11月の24日からNHKきょうの健康で放送中です。再放送は来週の12月1日2日3日の午後1時5分からです。)
脳脊髄液減少症で何年も何十年もほったらかされた患者さんなら、どんなに脳脊髄液減少症が他の病とそっくりな症状がでるか、よくご存知のはずです。
つまり、脳脊髄液減少症は、万病の元です。
脳脊髄液減少症のまま、放置されれば、体も心も
健康な状態になかなか戻れず、次から次へと
心にも体にも実にさまざまな症状がでます。
その症状のひとつひとつを隠れみのにして、
医師にも患者本人にも、なかなかその正体を
気づかせません。
この、周囲に病人に見られないほど元気そうな外見や、
患者本人にも医師にもさまざまな症状から、他の病気と思わせたり、異常なし、精神的なものと思わせたりして、
なかなか「脳脊髄液減少症」という病の真相を気づかせないというところが、
私が脳脊髄液減少症を「悪魔の病」と思った理由です。
その症状の多彩さ、言葉で表しにくい症状の数々、
見た目ではわからない死さえ考えるほどの本人の苦しさ、
周囲の無理解は、体験した患者しか知らないことだと思います。
だから、私達体験した患者が、この社会や、
何も知らない医師たちに伝えなければ、とうてい理解は広がるはずがありません。
しかし、この病を伝えることがまた難しいのです。
なんとも表現しがたい症状ばかりの上、その元気そうな外見と、訴えとのギャップから、なかなか訴えを信じてもらえないからです。
現場の医師たちは、この病の経験もないのに先入観だけで、既成概念だけで否定していないで、
外野の疑心派の医師は、冷笑したり、見て見ぬふりなどいつまでもしていないで、
そろそろ、真摯に脳脊髄液減少症患者の患者の声を聞いてほしいです。
「50人のカリスマ医師」の本に載っている、
脳脊髄液減少症のS医師以外の他の疾患の専門医である、
残り49人のカリスマ医師の皆様のところへも、
脳脊髄液減少症患者が訪ねてくる可能性があるのですから、
いつもそれを頭に置いて
日々診療にあたってほしいと思います。
いえ、日本中、世界中の、すべての診療科の、すべての医師たちや医療関係者や、福祉関係者や、虐待や不登校や、自殺や、
ニートや、ワーキングプア対策に取り組む、すべての方がたに、
ぜひ、脳脊髄液減少症について深く学んでいただき、
脳脊髄液減少症の早期発見、早期治療、患者の早期社会復帰に、お力を貸していただきたいと、
切に願っております。
ここからは、最近のニュースを見て感じたことです。
最近の殺人事件で自首した犯人が、過去にアタリ屋やっていて、
タクシー会社を脅して、2日に1日診療所にタクシーで通い、痛みを数ヶ月訴え続け、保険金をせしめていたとは、
こういう悪いことをする人がいる限り、
私達本当の交通事故被害者たちは今後も疑われ続け、
適正に救われないのでは、と悲しくなりました。
アタリ屋で生計をたてている犯罪者がその犯罪を続けられるような状況は、つまり、善良なホントの被害者のホントの訴えにまで、医師や保険会社に疑われ続けるという下地を作ってしまいます。
本当に助けが必要な時人が、適切に医療も保険も社会福祉も、何の支援も受けられない事態になり、
働けない、治療費は保険がきかない、自費の治療が払えない、なかなか治らない、周囲に理解されない、の何重にも重なった苦しみの果てに、力尽きて、自らの命を絶ってしまう人がいても、少しも不思議ではありません。
このままでは、本当の被害者はいつまでたっても浮かばれないのだとつくづく思いました。
アタリ屋という犯罪は、多数の本当の交通事故被害者まで、社会から冷たい目を向けられてしまう危険も生み出すという意味でも、
巻き込まれた被害者個人だけではなく、社会に与える悪影響は、想像以上にひどく、罪は重いと私は思います。
だから、保険金詐欺や、アタリ屋をやると死刑とか、悪人が簡単にその犯罪をしようと思わなくなるほどに、もっと厳罰化してほしいと思いました。
医師と警察と保険会社とが複数の視点からきちんと犯罪を見抜いて、もっと厳しく取り締まり、このような犯罪をのさばらせないでほしいと思います。
まんまと保険会社や医師を欺き、不正に保険金を手にして、一度味をしめると、犯罪は繰り返されてしまいます。
その人が本当の被害者か、アタリ屋かは、その人を調査してみれば、だいたいわかると思うのです。
以前にも書きましたが、そのつど調査するのは、人件費や経費がかかりますが、お金をかけてでも、犯罪者は見逃さず、被害者はきちんと救済してほしいと思います。
保険会社としての当たり前のことがきちんとできるようになるためにも、
真の被害者と保険金詐欺師の犯罪者を見分ける洞察力を身につけてほしいと思います。
仮にも、詐欺師の存在を言い訳にして、真の被害者まで保険金をなるべく払いたくないと考える姿勢だけは、保険会社として、人として、やめてもらいたいと思います。
掛け金を取るだけとって、いざという時、払うべき人に払わない、保険会社の不払いは、絶対に許せません。それこそ詐欺です。
そんなことなら、最初から保険なんか必要ないと思います。
真の交通事故被害者で脳脊髄液減少症になってしまい、精神症状や身体症状や、
高次脳機能障害で命の危険まで抱え、本当に助けが必要な患者たちが、さらに保険会社や社会や周囲の無理解に苦しめられ、
経済的、精神的、身体的にギリギリまで追い詰められることが、これからはなくなってほしいと願っています。