脳脊髄液減少症患者のつぶやき、「とりあえず、生きてみよか・・・。」

過去から現在へ、脳脊髄液減少症、体験克服記。

カリスマ医師50人の神ワザ

2008年11月26日 | 情報

医療ジャーナリストの松沢 実 さんが、

日刊ゲンダイに連載されていた記事が、

 『カリスマ医師50人の神ワザ』

「脳腫瘍から通風まで、日本中から患者が集まるゴットハンドを網羅」という本になって、

つい最近11月17日に発行されました。

 どうせ、脳脊髄液減少症の医師なんて載っていないだろうと思っていたら、

なんと、脳脊髄液減少症の第一人者のS医師が載っていました。

 松沢 実さん、脳脊髄液減少症の記事とS先生のことを、

本に載せてくださり、ありがとうございました。 

 

この松沢さんの意図か、偶然かわかりませんが、

慢性疲労症候群や、線維筋痛症や、高次脳機能障害など、 脳脊髄液減少症と無関係とはとても思えない病が、脳脊髄液減少症と同じ章にまとめられていました。

慢性疲労症候群や線維筋痛症や、高次脳機能障害の

専門医たちは、

原因不明の数々の全身の激しい痛みや、自分の手足ですら重く感じるほどの慢性的なものすごいだるさや疲れや、

短期記憶障害などの深刻な高次脳機能障害が

脳脊髄液減少症でも現れることを、

いったいどれだけ理解されているのでしょうか?

 私が実際に脳脊髄液減少症の症状として経験しただけでも、

この本に出てくるさまざまな病名と

似た症状がたくさんあります。

たとえば、

脳卒中か、くも膜下出血かと思われるほどの激しい頭痛。

下垂体腫瘍で起こるような下垂体の異常やホルモン障害。

心筋梗塞かと思うほどの胸の締め付けや痛み

心房細動かと思うほどの、不整脈や頻脈や徐脈。

パーキンソン病と間違われそうな、

猫背で前のめりの、カクカクとしたロボットのような

不自然な歩き方体のこわばり

まるで膵炎のような、朝の吐き気。

まるで、COPDのような呼吸困難

胃食道逆流症は実際に脳脊髄液減少症患者さんの多くに起こる症状のようですし、

私の場合は、吐くことはなくても、

食べ物飲み物が食道辺りでつまって、胃に下りていかないような苦しい感じがブラッドパッチ後もしばらく続きました。

それは、まるで、やきいもを水なしで食べた時、

食道の中間あたりでつかえて、下に降りていかないような

感じでした。

 実際に激しい頭痛のわりに、脳の一般的な検査をしても、

異常が見つからないために、

扁頭痛、慢性頭痛、緊張型頭痛など、

頭痛という症状につけられる数々の病名も、

脳脊髄液減少症の頭痛にだけ注目すれば、

そう診断されがちです。 

脳脊髄液減少症の体の痛み、朝のこわばりを訴えたら、

関節リウマチを疑われたこともありました。

 

腰痛は時にはヘルニアか、ぎっくり腰のように

動けないほどの激しい痛みがありました。

体の内部にいつも鈍痛、内臓痛を感じることもありました。

それは、卵巣のようだったり、子宮のようだったり、

とにかく、体の内臓が痛むのです。

普通、内臓の痛みには、何か重大な疾患のサインであることが

多いのですが、

脳脊髄液減少症の痛みの場合、その痛みの原因がその痛みの部分には見つからないのです。

その上、やがて消えてしまったりします。

したがって、医師にもストレス、心因性などと思われがちです。

肩の痛みは、まるで、五十肩、四十肩そっくりだし、

私は手が肩の上まで上がらない時期もありました。

それは、ブラッドパッチ後、一時的に痛みがひどくなったようになり、数ヶ月続きましたが、その後、痛みも消え、手が上がるように動くようになり、肩の痛みもウソのように消えていきました。

脳脊髄液減少症で、過活動膀胱のような激しい頻尿や、

切迫性尿失禁のような症状がでるのは、

過去記事に書いたとおりです。

 

また、脳脊髄液減少症は抵抗力を低下させるためか、

風邪でもなんでも簡単に感染してしまいます。

しかも、一度風邪などになると、なかなか治りません

私は1ヶ月も2ヶ月も風邪が治らなかったことがありますし、

やっと治ったと思ったら、また感染してしまい、

それを延々繰り返していたため、周囲から

虚弱体質、とあきれて見られていたこともあります。

 

さらに、私の体験では、

脳脊髄液減少症になる、アレルギー症状もひどくなるようです

(私はブラッドパッチ後この秋、花粉アレルギーがかなり楽になりました。

このことはそのうち書きたいと思っています。)

アトピー性皮膚炎がブラッドパッチ後軽くなったという

脳脊髄液減少症の患者さんの声もあり、

脳脊髄液の減少は、人の体の抵抗力や免疫力や、精神や身体のあらゆるバランスを崩し不健康にさせていくようです。

(これも書こう書こうと思いながら、書けないでいます。情報を寄せてくださった方、ごめんなさい。

脳脊髄液減少症になると、

声が出づらく小さな声になったり

声が低くなったり、声がれでガラガラ声になったりします。

 

この声の症状を訴えて、専門病院のボイスセンターを受診しても、

まさか、脳脊髄液減少症のせいで声がおかしくなっているとは、

声帯の専門医も気づかないことでしょう。

 このように、症状ひとつひとつについて受診したところで、

なかなか脳脊髄液減少症という元凶に、

医師も患者も気づけないため、

根治療法へ至らないのが、この病の恐ろしいところです。

 

脳脊髄液減少症は、昼間に激しい眠気が出たり、

実際に数時間も眠りこんでしまう過眠症状がでるため、

私自身も、睡眠時無呼吸症かも?と思ったこともありますし、

 

実際に、この眠気の症状から、睡眠時無呼吸症を疑い、

専門医を受診している患者さんもいるかもしれません。

 

耳の鼓膜がポコポコとケイレンするようになる症状や、

耳がつまったようになって、聞こえずらい感じは、

まるで耳鼻科の病のようですし、

 

脳脊髄液減少症患者の精神症状や身体症状は

一般的な検査をしても異常がないため、

うつ病やパニック障害

時には統合失調症と間違われることは多いと思われます。

最近、きょうの健康で統合失調症「症状や原因を知る」

という番組を見ましたが、程度の差はあるかもしれませんが、

私自身、陽性症状も陰性症状も、認知機能障害も似たような経験をしていて、驚きました。

私がもし、当時、統合失調症の専門医を訪れて

症状をそのまま話していたら、統合失調症と診断されていてもおかしくないと思いました。 

(統合失調症は、11月の24日からNHKきょうの健康で放送中です。再放送は来週の12月1日2日3日の午後1時5分からです。)

脳脊髄液減少症で何年も何十年もほったらかされた患者さんなら、どんなに脳脊髄液減少症が他の病とそっくりな症状がでるか、よくご存知のはずです。

つまり、脳脊髄液減少症は、万病の元です。

脳脊髄液減少症のまま、放置されれば、体も心も

健康な状態になかなか戻れず、次から次へと

心にも体にも実にさまざまな症状がでます。

その症状のひとつひとつを隠れみのにして、

医師にも患者本人にも、なかなかその正体を

気づかせません。

 この、周囲に病人に見られないほど元気そうな外見や、

患者本人にも医師にもさまざまな症状から、他の病気と思わせたり、異常なし、精神的なものと思わせたりして、

なかなか「脳脊髄液減少症」という病の真相を気づかせないというところが、

私が脳脊髄液減少症を「悪魔の病」と思った理由です。

その症状の多彩さ、言葉で表しにくい症状の数々、

見た目ではわからない死さえ考えるほどの本人の苦しさ、

周囲の無理解は、体験した患者しか知らないことだと思います。

 だから、私達体験した患者が、この社会や、

何も知らない医師たちに伝えなければ、とうてい理解は広がるはずがありません。

 しかし、この病を伝えることがまた難しいのです。

なんとも表現しがたい症状ばかりの上、その元気そうな外見と、訴えとのギャップから、なかなか訴えを信じてもらえないからです。

現場の医師たちは、この病の経験もないのに先入観だけで、既成概念だけで否定していないで、

外野の疑心派の医師は、冷笑したり、見て見ぬふりなどいつまでもしていないで、

そろそろ、真摯に脳脊髄液減少症患者の患者の声を聞いてほしいです。

「50人のカリスマ医師」の本に載っている、

脳脊髄液減少症のS医師以外の他の疾患の専門医である、

残り49人のカリスマ医師の皆様のところへも、

脳脊髄液減少症患者が訪ねてくる可能性があるのですから、

いつもそれを頭に置いて

日々診療にあたってほしいと思います。

いえ、日本中、世界中の、すべての診療科の、すべての医師たちや医療関係者や、福祉関係者や、虐待や不登校や、自殺や、

ニートや、ワーキングプア対策に取り組む、すべての方がたに、

ぜひ、脳脊髄液減少症について深く学んでいただき、

脳脊髄液減少症の早期発見、早期治療、患者の早期社会復帰に、お力を貸していただきたいと、

切に願っております。

 

  

ここからは、最近のニュースを見て感じたことです。

 

最近の殺人事件で自首した犯人が、過去にアタリ屋やっていて、

タクシー会社を脅して、2日に1日診療所にタクシーで通い、痛みを数ヶ月訴え続け、保険金をせしめていたとは、

こういう悪いことをする人がいる限り、

私達本当の交通事故被害者たちは今後も疑われ続け、

適正に救われないのでは、と悲しくなりました。

アタリ屋で生計をたてている犯罪者がその犯罪を続けられるような状況は、つまり、善良なホントの被害者のホントの訴えにまで、医師や保険会社に疑われ続けるという下地を作ってしまいます。

本当に助けが必要な時人が、適切に医療も保険も社会福祉も、何の支援も受けられない事態になり、

働けない、治療費は保険がきかない、自費の治療が払えない、なかなか治らない、周囲に理解されない、の何重にも重なった苦しみの果てに、力尽きて、自らの命を絶ってしまう人がいても、少しも不思議ではありません。

このままでは、本当の被害者はいつまでたっても浮かばれないのだとつくづく思いました。

アタリ屋という犯罪は、多数の本当の交通事故被害者まで、社会から冷たい目を向けられてしまう危険も生み出すという意味でも、

巻き込まれた被害者個人だけではなく、社会に与える悪影響は、想像以上にひどく、罪は重いと私は思います。

だから、保険金詐欺や、アタリ屋をやると死刑とか、悪人が簡単にその犯罪をしようと思わなくなるほどに、もっと厳罰化してほしいと思いました。

医師と警察と保険会社とが複数の視点からきちんと犯罪を見抜いて、もっと厳しく取り締まり、このような犯罪をのさばらせないでほしいと思います。

まんまと保険会社や医師を欺き、不正に保険金を手にして、一度味をしめると、犯罪は繰り返されてしまいます。

その人が本当の被害者か、アタリ屋かは、その人を調査してみれば、だいたいわかると思うのです。

以前にも書きましたが、そのつど調査するのは、人件費や経費がかかりますが、お金をかけてでも、犯罪者は見逃さず、被害者はきちんと救済してほしいと思います。

保険会社としての当たり前のことがきちんとできるようになるためにも、

真の被害者と保険金詐欺師の犯罪者を見分ける洞察力を身につけてほしいと思います。

仮にも、詐欺師の存在を言い訳にして、真の被害者まで保険金をなるべく払いたくないと考える姿勢だけは、保険会社として、人として、やめてもらいたいと思います。

掛け金を取るだけとって、いざという時、払うべき人に払わない、保険会社の不払いは、絶対に許せません。それこそ詐欺です。

そんなことなら、最初から保険なんか必要ないと思います。

真の交通事故被害者で脳脊髄液減少症になってしまい、精神症状や身体症状や、

高次脳機能障害で命の危険まで抱え、本当に助けが必要な患者たちが、さらに保険会社や社会や周囲の無理解に苦しめられ、

経済的、精神的、身体的にギリギリまで追い詰められることが、これからはなくなってほしいと願っています。

 

 

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「適応障害」そっくり病

2008年11月14日 | 情報
週間新潮 11月20号の

「迷惑メールは誰が出す。?」というワイド特集の中の
5番目に、

興味深い事が書いてありますので、ご覧ください。

最新号なので、詳しい内容を書くことは
今は差し控えたいと思いますが、


私の直感から、かねてから
「適応障害ではなく、脳脊髄液減少症なのではないか?」と

とても気になっているM子様について

とある医師の自論が書いてあります。


その医師のお考えは、

「頚」というところに着目した点、ある意味、
いい視点、いい線まで、いっているとは私も思います。

しかし、

あまりにも自論にこだわっていて、
同じような症状が出る、脳脊髄液減少症については常に全く触れず、
無視を決め込んでいることが、

以前から非常に違和感を感じていました。

本当にその方を治したいと心底願うなら、
似た症状のすべてをひとつひとつ検討するべきだと
私は思います。

今回の主張も、病名と病態のとらえ方が
あまりにも自論のみで、
他の可能性については全く触れていないようで、

非常に残念に思いました。

でも、この医師の主張により、
他の多くの医師たちや、マスコミの方や、国民の皆様たちが、

「あのお方の症状が、脳脊髄液減少症にも非常に似ている」ことに、
気づいてくれるかもしれないという期待もわきました。

そういう意味では、
この医師の発表は、ありがたい主張になるかもしれないと思いました。

でも、その医師に私は言いたい。

「センセ、自信満々なようですが、

もしかしたら、
そのご自分の見立てすらも、間違っているのかもしれませんよ・・・。」と。

『それぐらい、不定愁訴の症状から「本当の病名」を見抜くことが、難しい病態もあるのですよ。』と。

もちろん、素人の私のみたても間違っている可能性が高いですが・・・。

似た症状の患者を多く診ている医師でも、自ら症状を経験したわけではないですから、

実際に似た症状を体験し、いろいろと誤診された経験のある患者の直感の方が
案外当たっていることもあると思います。


医師たちが本当に、患者を苦しみから救おうという、
純粋な気持ちがあるのなら、

常に、「似ている症状の、まったく別の病態の可能性について、」
いつも意識しながら、患者を診てほしいものです。

これは、
慢性疲労症候群の「疲労」にこだわる医師にも、
線維筋痛症治療に取り組む「痛み」にこだわる医師にも、
「頚性筋症候群」の病名にこだわる医師にも
「自律神経失調症」や「起立性調節障害」や「非定型うつ病」や
「パニック障害」など、不定愁訴を伴う病の治療や研究に取り組む医師にも、
言えることだと思います。

人間はひとつです。
心も体も、体のあちこちの部分も、すべて脳でつながっていることを
どうか忘れないでください。

お願いですから、
医師の皆さんのところに、さまざまな原因不明の不定愁訴を抱えて
やってくる患者さんを診察する際には、

いつも頭の片隅に、

「脳脊髄液減少症」という病態を置いて診てほしいと思います。

そうでなければ、必ず脳脊髄液減少症は見逃します。

そして、もし、治療の途中でも、脳脊髄液減少症の可能性を感じたら、

どうか、その患者さんに、
「脳脊髄液減少症の可能性もある」と率直に教えてあげてほしいのです。

そのためには、
いつまでも、脳脊髄液減少症という病態を無視していないで、

自分の専門領域にこだわっていないで、
脳脊髄液減少症について、学んでほしいです。

病名の変更や、治療方針の転換は

今までのご自分の判断の間違いを認めることでもあり、
かなり勇気のある行為だと思いますが、

患者を治すためには、
時にはどんな医師にも必要な決断だと思います。

自分を正当化しようとして、最初の診断を貫いて患者を治らないままにすることは
罪なことです。

もしかしたら、違う病名かも?と感じたら、

すかさず、そのことを患者に伝えることは、
医師としての義務なのではないでしょうか?

患者を救うためには、時には自分のプライドも捨てられる、
自分の間違いも認めることもできる医師こそが、
本当のいい医師なのではないでしょうか?


一番大切なことは、

「病名が何か」ではなく、

「患者が治ること」だと私は思います。

医師のプライドや、
自分の専門分野にこだわるあまり、
自分の診断した病名にこだわるあまり、

患者を手元から放そうとせず、
自分の治療方針も変えようとしない医師は
問題だと思います。

患者がいつまでも治らないのは、
最初の診断や、
病態の捕らえ方や、
治療法など、
何かが間違っている可能性だってあると思います。


それを認める勇気や、決断も、
いい医師には必要ではないでしょうか?

時には、
別の医師の意見に耳を傾けることや、
他の医師に患者をゆだねることも、
忘れないでほしいと思います。

治る可能性のある患者を
治らないままにしておくのは罪なことだと思います。

治る可能性のある病態は、治せる方向へ患者を導くのも
医師の重要な役目ではないかと、
私は思います。

どうか、
慢性的な不定愁訴に苦しんでいる患者さんたちを、
ひとりでも多く、助けてあげてください。

症状に隠された病態の真相を正しく見極めて、

患者の治る方向性を患者とともに考え、
見出して、

自分の治せる範囲ではないと感じたら、
勇気を持って患者を手放して、他の専門医師にゆだね、

どうか延々と続く体調不良の人生から、
救いだしてあげてください。

よろしくお願いします。



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科学信仰の罪と罰

2008年11月07日 | 情報
「不定愁訴病」の続きも、
「否定派医師への反論」も
「心の葛藤」も

まだまだ、脳脊髄液減少症に関して、体験したことや、気づきなど、

患者としてお伝えしたいことは山ほどあるのですが、

毎日、毎日、あちこち脳脊髄液減少症のことを、
伝え続けて、ちょっとバテてきたのと、

伝えても、伝えても、
なかなか理解が広まらない悔しさと

精神的にいろいろと追い詰められているのとで、
少し疲れてきました。

周期的な体調の波か、だるさや過眠や気持ちの落ち込みが出て、

昨日は、9時には寝たのに、
今日は
また、午前中、お昼まで眠り込んでしまいました。

9時に寝ても、夜中に起きて、
明日のお米とぎやお湯わかしなど、家事をこなし、
いつものように5時に起きましたが、

朝の家事労働はかなり回復した今でもつらいです。
家事は365日、休みがないのがつらいところです。

ブラッドパッチ前と、直後の半年、
また、再ブラッドパッチ前は、毎日毎日が本当に家事がつらかった。

手の激痛や、脱力や、だるさが激しい時は
生き地獄といっても、過言ではない毎日でした。

それを思えば、これくらい、と自分に言い聞かせるのですが、
休みがない仕事というものは、いくらささやかな仕事であっても
つらいものです。

こんな時は無理をしないで、すこし毎日のペースを落とします。
ここのところ、散歩もお休みしています。

ブログも、
脳脊髄液減少症に関する深い思いを書くのは
非常にエネルギーを使うので、

そういう記事は少しお休みして、
今日は別のことを書きます。


こんな時は、本の紹介記事でも書こうと思います。

以前から、なかなか全部は読めずに持っている本の一部を
紹介します。

長年の原因不明の病気が脳脊髄液減少症とやっと数年前に判明した、
作家で、生命科学者の柳沢桂子さんが

著書の「生と死が創るもの」(リンク先はパソコンで見てください。)の中で、書かれている

「科学信仰の罪と罰」と題した、一文です。
今から10年前に出版された本のようですから、

脳脊髄液減少症と、病名が判明する前に書かれたものだと思います。

柳澤桂子さんの本は、何冊か持っているのですが、
ブラッドパッチ前は、長い文章が理解できなかったのと、
根気が続かなかったのとで、持っているだけで、ほとんど読めない状態でした。

今も、パラパラと見て、
興味があるところだけを、ポイントポイントでしか読めませんが、

中でも、「科学信仰の罪と罰」と題された文章は、

以前にも読んで、そのとおり!と強く共感した文章です。

現代医療への批判や、
検査データに依存してしまう科学信仰の医師や

医師にすべてを依存してしまう患者たちへの警鐘が書かれています。

『痛みというものは、体に備わった警告信号である。』

『現代の医学では痛みそのものを測定することはできないので、
医師は間接的なデータから痛みの程度を判断する。
医師が痛みがないと判断した場合には、患者が痛みを訴えても、
無視されることになる。』

の一文は、
私も本当にそうだと思うし、

医師が痛みの原因がわからないからといって、「心因性」
などとすることも許せないけれど、

そういう医師の診断を何の疑いもなく、
受け入れてしまう患者さんがいることはもっともっと
悲しいことだと私は思っています。

もっと「自分の体からの必死の信号」を信じてあげてほしいと思ってしまいますし、

もっと「この痛みは心因性なんかじゃない。」と怒ってほしいと思います。


特に今までも、
私は、「心因性リウマチ」という言葉には
私は非常な怒りを感じています。

おそらく、
原因不明とされてきた病の、痛みの正体を知らず、

脳脊髄液減少症のことも知らず、脳脊髄液減少症の痛みも知らず、
一般的検査しかせず、その数値だけに注目して、
「異常なし」か「別の病名」をつけてしまう医師が
自分や患者を無理やり納得させるために生まれた病名だと思っています。


柳澤桂子さんの「科学信仰の罪と罰」の一文の中の、

『まず病人と病気を切り離して、その症状にだけ注目する。
次に症状の中から、測定可能なもの、検査可能なものを取り出す。』

『ここで問題なのは、
医師も一般の人々も、医学が出した答えだけに注目して、答えられていない部分には注目しないことである。
注目しないどころか、そのような部分が切り捨てられていることにさえ、
気づいていない場合が多い。』

『検査データがからだの状態のほんの一部についての情報をもたらしているに
すぎないということも忘れてしまう。』

という記述については、

まさに、その通りだと思うし、

脳脊髄液減少症はその「切捨てられてきた部分にあったのだ」と思います。

この文章は、
柳澤さんが、脳脊髄液減少症とわかる何年も前に書かれたものですが、
柳澤さんの、脳脊髄液減少症を抱えて、医学の無理解に耐え抜いて生きてきた
患者ならではの鋭い視点を感じます。


また、この文章は、
柳澤さんが、30年もの間、脳脊髄液漏れを抱えながら、それが
MRIが普及していなかった当時の医学ではわからないまま、

痛みや吐き気や嚥下障害や、さまざまな不定愁訴を訴えても、訴えても
心因性とかたづけられ、

医学に病気として、病人として認められず、

後に脳脊髄液減少症とわかるまで、
その症状は「認められない病」(リンク先はパソコンで見てください。)として扱われ、

苦しみを抱えながら生き抜いてきた患者さんだからこその
鋭い気づきであるとも思います。

私も柳澤さんと同じように、
脳脊髄液減少症を長年、見過ごされてきた患者として、
この、
「科学信仰の罪と罰」という文章内容と同じことを
常々強く感じています。

当時の診断技術と、医師にその病の気づきや知識がなかったことで、
事故後遺症として、病態として、
見つけることができなかっただけなのに、

まるで、患者自身に問題があるかのように冷たく扱われ、

長年病気を認められないまま、ひどいしうちを医師や医学によって受け続けて、
死さえ考えながらも生き続け、
脳脊髄液減少症という
真の病名にたどりついた、柳澤さんの言葉のひとつひとつが
貴重です。

この文章は、脳脊髄液減少症はじめ、
多くの未解明の病気を抱える患者さんや、その家族や、

多くの医師や、医療スタッフに、
ぜひ、ご一読いただきたいと思っています。

お時間が許す方は、
ぜひ、この「生と死が創るもの」の中の
「科学信仰の罪と罰」の一文を読んでみてください。


参考 「癒されて生きる」 柳澤 桂子 著
のまえがきより。

認められない病

追加

さっきNHKで
9月に放送されたサイエンスゼロ 疲労に迫れ

が、アンコール放送されていました。

それだけ、疲労に悩む人が多いのでしょう。

私も今まで見逃してきましたが、
やっと後半見られました。

また、再放送してくれないかなぁ・・・無理か・・・。

でも、番組に出てきた先生方は
アンチ「脳脊髄液減少症」派なのか、
見た限りではまったく、
脳脊髄液減少症と慢性疲労との関係に触れられていませんでしたね。

研究者とは、既成概念にとらわれず、新しい情報に、
もっと貪欲に食らいついて研究してほしいと
思いました。

ブラッドパッチで回復した多くの脳脊髄液減少症患者が
それ以前に慢性的な疲労を訴えてきた現実があるのに、
それを全く無視されているのでは、とても残念に思います。

研究者の派閥の壁は高いのでしょうか?

いつも訴えていますが、
研究者が、壁を越えて、皆で情報交換してほしいと願っています。


ろくろさんの過去記事
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不定愁訴病 2

2008年11月03日 | 症状の説明

脳脊髄液減少症の症状は不定愁訴病です。

悪化すると、体を起こしていられず、座位も立位もつらくなり、横になっている時間が長くなって寝たきりのような状態にもなりますが、

そこに至らない時期は

誰にでも起こりうる

ありふれた不定愁訴ばかりがめだちます。

 

私も、不定愁訴を抱えながらも、比較的体調が安定して、

激しい症状も影を潜め、

なんとか日常生活も仕事もできた時も

一時期ありました。

 

 脳脊髄液減少症の不定愁訴は

さまざまな病名や病態や

他の未解明の病と症状がそっくりです。

 

それらの既成の類似症状の病名の問診表や症状は

私はほどんどあてはまってしまいます。

 

ゆえに、これらの問診票や症状にあてはまるものが多く、

 しかも、どんな医師のどんな検査でも

原因不明、異常なしと言われ続けたり、

 

または、医師からなんらかの診断を受け、

その病名の治療をいくら受けても

なかなか症状が改善しない方で、

 

まだ、一度も脳脊髄液減少症を 疑ったことも、

脳脊髄液減少症専門医に相談したことも、

RI検査もMRミエロも詳しい検査をしたこともない方は、

 

一度は、脳脊髄液減少症を疑って

セカンドオピニオン(別の医師の意見)も

聞いてみてもいいと思います。

 

脳脊髄液減少症の症状は、

人によって、症状も程度も症状の組み合わせもさまざまです。

 

それゆえ、 あまりにありふれた症状や、

あまりに他の病名の症状に似ているために、

脳脊髄液減少症が見逃されやすいのです。

 

私の今までの経験から、

漏れる量や、漏れる位置や、漏れたままほったらかされた時間によっても、症状はさまざまなようで、

私も、なんだかだるい、頭が痛い、微熱がある、

風邪ひいたかな?程度から、

 

今にも呼吸が止まってしまうほどに死にそうに苦しかったり、

触れられるだけで激痛が走る状態まで

さまざまなレベルを経験しました。

 

 だから、私の初期のような、

誰にでもありそうな、ありふれた不定愁訴の症状の段階で、

 脳脊髄液減少症のしわざだと気付くことは

患者本人であっても、非常に難しいと思います。

 

たとえ、偶然、脳脊髄液減少症の病名を知って、

症状が似ていることに気付き、それまでの

かかりつけ医に相談しても、

「ありえない」と一笑に付されれば、

また、病気の本性に気づく機会を失ってしまいます。

 

下にリンクした問診票はいずれも、

別の医師が提唱している別の病名の問診表や、

 

他の医師たちが研究中の病態ですが、

脳脊髄液減少症の私がやっても、

ほとんどすべての症状があてはまってしまいます。

その、

さまざまな不定愁訴のほどんどすべてがあてはまってしまうこと自体が、かえって、脳脊髄液減少症の可能性を示唆し、

自己診断にもなると思います。

 頚性筋症候群の問診表

 慢性疲労症候群の問診表

線維筋痛症の症状

 

これらの問診表をやって、この病かも知れないと思って、

慢性疲労症候群や、線維筋痛症の専門医を訪れていたら、

おそらく、私もその病名はついていたと思います。

 

しかし、私は、それらの病名でも、病態でもなく、

脳脊髄液減少症だったのだと思います。

 

なぜなら、ブラッドパッチ治療をして、 

痛みや激しい疲れ、だるさで日常生活さえ困難なほどの症状が

数年がかりで、薄皮をむくように消えていったからです。

 

やはり、脳脊髄液漏れが

私の多彩な不定愁訴すべての症状の

大元の原因であったと、今ならわかります。

 いくら、他の病名の問診表や症状にほとんどすべて

あてはまっていても、

私は、それらの病名でも病態でもなく、脳脊髄液減少症でした。

 

ということは、つまり、

他の病名と診断されている患者さんの中に、

私と同じように、

脳脊髄液減少症が原因で、

症状が起こっている患者さんたちが

混じっている可能性がある

ということだと思います。

 

  

このほかにも、私の体験した症状と

そっくりな症状だと思う病はまだまだ、山ほどあります。

 

うつ病、否定形うつ病、仮面うつ病、

更年期障害、

自律神経失調症、

起立性調節障害

メニエール症、

書き出したら、きりがありません。

 

なにしろ、脳脊髄液減少症は、不定愁訴病ですから・・・。

 

原因不明の痛みはありませんか?

原因不明の激しいだるさはありませんか?

 

原因不明の体調不良はありませんか?

 

不定愁訴を訴えて病院を受診して、

さまざまな科のさまざまな医師を受診しても、

どんな精密検査をしても、

異常なしと言われませんか?

 

症状は「精神的なもの」、と言われたことは

ありませんか?

 

たとえ他の病名がついて、

その医師の治療を受けても、

何年たっても、

なかなか「治らない」ことはありませんか?

 

もしかしたら、それは

脳脊髄液減少症のしわざ

かもしれません。

 

あなたは、誰にでも起こりうる可能性のある、

日常に潜む、非常に認知度の低い、

「脳脊髄液減少症」という病

ご存知ですか?

 

ご自分の症状とこの病との因果関係を

疑ったことがありますか

 

脳脊髄液減少症は不定愁訴病です。

 

見逃さないように、

充分、ご注意ください。

 

最後に脳脊髄液減少症の問診表

(言っておきますが、症状はここに書いてあるだけではありません。まだまだたくさんあるのです。また、私の経験では、

初期には症状も少なく、軽く、なかなかこの病の症状だと、気がつかないと思いますから、ささいで少ない不定愁訴から

早期発見で脳脊髄液減少症のシッポをつかのは、素人にはかなり難しいかもしれません。

 

それでも、

医師にも脳脊髄液減少症という病態が、

充分認知されていない現在、

 

ご自分の症状の本性が何なのか、

その正体に最初に気づくことができるのは

医師というより、むしろ、

ご自分の症状を知り尽くした患者ご本人か、

患者をよく知る周囲の方がただと思います。

これが現実だと思います。

 

私のように、とあるきっかけで症状が急激に悪化して、

自力外出も困難になり、

自力では病院までたどりつけなくなる前に・・・・

 どうか、充分脳脊髄液減少症にご注意ください。

 

私は自分の直感を信じて、

「脳脊髄液漏れなどありえない」といったかかりつけ医や

笑った整形外科医を振り切って、

脳脊髄液減少症専門医を受診して、本当によかったと

思っています。

 

あの時、自分の直感より、数人の医師たちの否定論を信じて、それに従って、

思い切った行動を起こさなかったら、

今頃どうなっていたかわかりません。

あまりの症状の苦しさに、

今ごろ、生きていられたかどうかもわかりません。

 過去記事 脳脊髄液減少症の問診表

              

 

静岡新聞社会面、脳脊髄液減少症対応病院を公表

静岡県庁ホームページより、静岡県内の対応病院

北海道教育庁の脳脊髄液減少症資料

 北海道教育委員会 教学健第336号通知

毎日新聞 2008年11月5日 地方版  (11月6日追記)

 

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不定愁訴病 1

2008年11月01日 | 症状の説明

今日から11月です。

今年もあと2ヶ月で終わりですか・・・。

昨日は寒くて寒くて

午前中はなんとかリハビリのメニューも家事もこなしましたが、

午後は寝込んでしまいました。

心臓が苦しく、午後は動けませんでした。

こんな日もあります。

それでも、ブラッドパッチ前とは比べものにならないぐらい、

体は楽です。

 

さて、本題に入ります。

 

脳脊髄液減少症は

不定愁訴病です。

つまり、原因不明のさまざな症状ばかりを訴える病です。

 

さまざまな症状に基づいて

内科医、神経内科医、整形外科医、脳外科医、などが検査をしてくれても、

それが「脳脊髄液減少症」を意識しない、

医師の指示による一般的な検査なら、

どんな精密検査をしても、

すべて「異常なし」と言われます。

あるいは偶然、検査に何かの異常がひっかかれば、

そのせいにされて、違う病名がついたりします。

 

激しい頭痛、めまい、半身のシビレ、

手足の脱力が出て、

一時は脳疾患を疑った脳外科医が深刻な表情で向き合ってくれても、

脳脊髄液減少症を知らない医師の指示書に基づいて、

頭のMRIを撮っても、

MRAを撮っても、

CTを撮っても、

「異常なし」と言われます。

異常なしであれば、医師の態度は豹変し、

表情の深刻さは消え、

以後、患者の必死の訴えを、真剣に聞かなくなります。

 

それゆえ、それでも症状をしつこく訴え続ければ

自立神経失調症、起立性調節障害、など不定愁訴の症状につけられる病名をつけられるか、

慢性疲労症候群や、線維筋痛症など、まだ未解明の病名を

つけられるか、

仮面うつ病、身体表現性疾患、

パニック障害、過呼吸症候群など、

精神的な病とされてしまいます。

 

このように、脳脊髄液減少症とは、

医師も本人も、症状の原因病を見ぬくことが

非常に困難な病なのです。

 

ましてや、症状が比較的軽く、

めまいとか、肩こりとか、目の奥が痛いとか、あくびがとまらないとか、

まるで、過労のような症状が主な症状なら、

「脳脊髄液減少症」なんて難しそうな病名と、

自分のささいな症状との因果関係に

素人の患者が気づけるはずがありません。

 

私も初期には、ごくごくありふれた比較的軽い

身体的不定愁訴ばかりでした。

そのうちにだんだんと症状も増え、重く激しくなっていき、

さまざまな精神症状も出てきました。

 

あまりにありふれた身体的不定愁訴ばかりの時は、

身体各部に現れた症状に

医師も患者も目を奪われて、振り回されて、

他の病態と誤診されたり、

混同されたり、
他の病名と間違われて診断されて、治療されたりします。

精神的症状が出てくると、精神疾患かと思われはじめます。

 

でも、今振り返ると、 

私の不定愁訴の症状のひとつひとつも、

精神症状も、

独立した別々の疾患だったわけではなく、

脳脊髄液減少症という病態が、

それらすべての症状の根っこにあったのです。 

つまり、精神も、身体も

脳という根っこでつながっているため、

脳が不調になれば、

精神症状も、身体症状もいろいろ出現するというあたりまえのことに、

私自身も医師も気づかなかったのです。

 

いえ、正確に言えば、脳に異常があるのではないか?というところまでは

医師も患者の私も気づいたのですが、

脳自体ばかり調べていて、

その脳の周りの脳脊髄液量が、正常な状態か、

正常より減っているのではないか?なんていうことまでは、気づかなかったのです。

脳脊髄液減少症は、脳を浮かべている脳脊髄液の減少ですから、

いくら脳だけを調べても、異常が見つかるわけがありません。

 

こんなたとえで説明してみます。

「子供がスイミングをしていて、

泳げない、泳げない、体が思うように動かない~

前に進めない~助けて~

と騒いでいる時に、

親もコーチも医師も、

その子の体に異常があるのではないかと

その子供の体にばかり目がいっているようなものです。

 

その子の体をいくら詳しく検査してみても「異常なし」で、

実は、プールの水が抜けていて、

水が少なくなって底が見えているから、

子供が思うように動けない、泳げない状態であることに、誰も気付かないようなものです。」

 

実際のプールは人の目に見えるから

現実にはこんなことはおこりませんが、

 

脳の浮かぶ脳脊髄液のプール

頭骸骨に囲まれていて、直接目にできませんから、

脳の浮かんでいる脳脊髄液のプールの水面の位置が

いつもより下がっているかなんてことには

誰も気づくことができなかったのです。

脳が元気に働くためには、

脳の浮かぶ、脳脊髄液のプールの水が充分なければ

ならないようです。

それは、多すぎても、少なすぎても、

脳にとっては、不都合なようです。

このように、視点を変えないと

なかなか気づきにくいのが脳脊髄液減少症なのです。

 また、

「ダンボール箱の中に陶器をつめて送るときに

陶器が割れないように、発泡スチロールや

空気の入った緩衝材で、包んで守って送ります」が、

脳脊髄液のプールは、

どうやら、外からの衝撃から

脳を守る役目も果たしているようです。

 

なぜなら、

私は、今まで、人の運転する車のブレーキ操作だけで、

首が前後に振れるだけで、

ムカムカと気持ちが悪くなり、酔ってしまいがちでしたが、最近は大丈夫になったからです。

今まで、脳の緩衝材である、脳脊髄液が減っていたために、ちょっとのゆれでも、脳が刺激を受けて、

酔いやすかったのではないかと思います。

現在は、車のブレーキごときのささいな揺れは

平気になりました。

 

  私の場合は、

脳の必死の、

痛みやだるさというSOS信号にもかかわらず、

私自身も医師も、脳の浮かぶプールの水が

抜けつづけていることには気づかないまま、

何年も放置され続け、

体は脳と命を守るために、

毎日毎日必死で脳脊髄液を作り出し、供給し、

でも、脳脊髄液をつくってもつくっても、供給しても供給しても、補充しても補充しても、漏れていたから、正常量を保つことができないから、

正常な毎日の、

脳脊髄液の生産と吸収のバランスに戻れないから、

いつもいつも具合が悪く、症状が出たり消えたりして、

終わることなく、体調不良に悩まされたのだと思います。

 

私はあの交通事故のせいで、

今までの人生のほどんどが

不調の体で終わってしまいました。

 

脳脊髄液の減少は、脳を苦しめ続け、

多彩な原因不明の不定愁訴症状を

精神やら身体やらにさまざまな組み合わせで出現させて、長年私を悩ませ続けていたのです。

当時は、誰も「脳脊髄液減少症」などという病態を発見していませんでしたから、

脳脊髄液減少症に気づけなくてもしかたがないことで、

誰を恨むこともできませんが、

もっと早く気づけていたら、と残念でなりません。

 せめてS医師が病名発見後の、

2000年以後の交通事故であったなら、まだよかったのに、

なんであんなに昔に

交通事故にあってしまったのかと悔しくてなりません。

 私にこんな大怪我を負わせた相手を、

起訴さえできないのです。

事故から数年以内にこの病名にたどりついた

幸運な患者さんが非常にうらやましく思います。

どれくらい幸運かということには、

私たち昔の患者の悲惨な体験に声に耳を傾けないと、気づけないかもしれません。

脳脊髄液減少症という病名がある時代に事故に遭った被害者の方や、

事故にあって、数年以内に、脳脊髄液減少症という病名が発見されて認知されつつある時代がきた患者さんは、

それだけで、幸運すぎるほど、幸運です。

病名判明しただけで、幸運です。

病人として向き合ってくれる医師がいるだけで、幸運です。

そのことを、もっと感じてほしいです。

そして、

早期発見早期治療で、社会復帰も果たした幸運な患者さんたちは

声をあげることもできない昔の交通事故被害者の分まで、

もっともっと声上げてほしいです。

 

 でも、脳脊髄液減少症が認知されつつある今も、

ブラッドパッチ治療で治った患者もいる現在でも、

医師も患者もなかなか脳脊髄液減少症に気づけないのでは、

現在も

昔の患者の私と同じあやまちが繰り返されることになってしまいます。

過去の交通事故での脳脊髄液減少症患者の

悲惨な体験が今後に生かされないのでは、

私たちの体験そのものが無駄になってしまいます。

それでは昔の患者はますます浮かばれません。

これでは、死んでも死に切れません。

だから、こうして伝え続けているのです。

 

今、私はここまで症状が消えてみて、

脳脊髄液減少症は、

つくづく、恐るべき不定愁訴病だと

改めて思いました。

体のパーツごと、症状ごとに

医師に病名をつけさせたり、

患者が訴える症状に、医師が振り回されて、

どんどん病名が増え、

それに伴い処方される薬も増え、

患者はその医師の診断や処方を信じ、

治りたい一心で薬づけになってしまって、 

よけいに健康を害する方向へ進んでしまったり、

 

原因不明や、精神的なものと思われ続けたまま、

患者本人も、医師も、

真の原因から目をそらせられ続けたりと、

 

脳脊髄液減少症は、まるで、

全国指名手配されているのに、なかなかつかまらない

犯人のようでもあります。

 

日常生活に犯人が紛れ込んでいるのに、

あまりに自然に日常にまぎれていて、

身近にいる犯人の存在に、多くの人が気付けないのと

同じです。

 

脳脊髄液減少症とはそんな病です。

 

あまりに恐ろしい後遺症です。

 

その不定愁訴とはどんなものか、

具体的な症状に少しずつ触れていきたいと思います。

 

 

 

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