13日14日と公園を散歩してきました。
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初秋の公園は暑さも治まり、風もあって、気持ちがいいです。
さて、
症状のひとつ、めまい吐き気の「慢性船酔い状態」のような
症状についてお話します。
私は交通事故から、10年近く
強弱の波がありながらも、「慢性船酔い状態」が続きました。
原因がわからないまま、何年も何年も、苦しみ続けました。
でも、その症状は年月とともに、次第に治まっていき、
今はその症状もあまり感じなくなりましたが、
それまでの日々は本当に気持ちの悪い、船酔いそっくり状態でした。
これは、私の感覚では「めまい」というような生易しい表現では
とうてい表しきれない、表現しがたい、なんともいえない
ひどく気持の悪い状態です。
たとえて言うなら、大シケの海上
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で
木の葉のように波にもて遊ばれる船
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に
常にのっているようなものです。
船酔いした船を下りて、地面に足をつけても、
何日か地面や床が揺れるように気持ち悪く感じる
陸酔い(おか酔い)状態が延々続く感じです。
または、
遊園地の大きく揺れる船型
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の遊具(「
バイキング」)に
延々と何時間も何年も乗り続けて、降りられないような状態、
またはやっと降りて、
くらくら、フワフワした状態がずっと続いているような感じ
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とでも言ったほうが、症状に近い気がします。
絶叫マシンをやっと降りられた時の、
三半規管が刺激された直後のような、地に足がつかないような
くらくら、ゆらゆら、ふわふわ、ムカムカ、吐き気が
延々と寝ても覚めても、
毎日毎日、何年も何年も終ることなく続いている感じです。
昨年
「ふわふわ感」という記事にしましたが、
まさに床がやわらかくなってしまったような、
アスファルトの道路が急に熱でやわらかくなってしまったような
大シケの海上の船
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の上にいるような
地面や床が固定されていない揺れる床や地面になってしまったような感覚
なのです。
ふわふわして足が地につかない感じで
まっすぐ歩けないのです。
船乗りでも、漁師でもない、揺れに慣れていない人間が、
いきなり、
「永遠の嵐の海上の船」
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に乗り、何年も降りられないようなものです。
この、慢性船酔い状態に加え、
他の脳脊髄液減少症の頭痛や慢性疲労、脱力、
異常な眠気、物忘れなどなど、その他もろもろの
心身の両面に及ぶ、さまざまな症状にも襲われるのです。
本当に耐えがたいものでした。
しかし、こんなに慢性船酔い状態で苦しいのに、
医師にも家族にも「元気そう」に見えるらしいのです。
全身の一般的な検査をしても、脳の検査をしても
「異常なし」だというのです。
しかも、症状には強弱があり、治まる日もあるため、
よけいに家族にも、疲れや精神的なものや、気のせい扱いされるのです。
どんなに気持ちが悪くても
医師に「異常なし」と言われれば、本人も家族も「そうなのか」と
思うしかありません。
この慢性船上生活のような、どんなに気持ちの悪い慢性船酔い状態であっても、
「異常なし」「心配ない」といわれれば、
その状態に耐えるしかありませんでした。
そして、癌の患者さんには大変失礼ながら、
そのころ、
「癌の患者さんは、医師に真剣に病人扱いされて、周囲にもその病の深刻さがすぐ理解されて、うらやましい。」と思っていました。
世界でたったひとりぼっちの苦しい世界に投げ込まれてしまったような
孤独と絶望を感じていました。
いくらいろいろな診療科の医師に
最後は自信満々に笑顔で
「異常なし、心配ない」と言われても、
私の体は確かに「異常」を感じているし、気持ちが悪いし、
自分の知っている自分の「体調のいい状態」とはあきらかに違うのです。
体は「異常あり」「心配あり」と必死に信号を出しているのに、
それを自分が感じとって必死に医師に助けてもらいたくて訴えても
「異常なし」と言われ、
放り出される心細さは、本当にまるで遭難したかのような心細さです。
医師の「異常なし」の言葉を信じかけ、「自分が起こしている幻覚か?」
「自分の思い込みが作りだしている症状かも?」と
一時は自分の体が必死で発しているメッセージを
疑うこともありました。
でも、やっぱり、私の体が発する痛みやだるさのメッセージは確かにあり、
私の体感は、あきらかに「異常あり」なのです。
自分のひどい体感と医師の対応のギャップに
この症状は「タダ者ではない」ということに、うすうすと気づきはじめました
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。
「異常なし」なのではなく、
医師が「異常がわからない。」だけなのではないかということに、も
気づきはじめました。
自分だけが感じる「異常」
医師には「見えない、わからない、気づかない異常」
つらい症状を抱えていても、医療に見捨てられた私は
その「慢性、船酔い状態」の症状を、
ありのままに受け入れながら、
自分なりに症状をやわらげる工夫をしながら、
耐え抜いて、
なるべく普通に生活して、周囲の人間に悟られないように努力しながら、
生き抜くしかありませんでした。
(つづく)