かねてから、このブログでも
発達障害と自分の状態の類似点について、
何度も書いてきました。(詳しくはこちらやこちらや
こちらやこちら。)
私は、
大人の発達障害の方々と同じ悩みを
脳脊髄液減少症で経験しています。
昨日からNHK福祉ネットワークで
大人の発達障害のトークが放送されています。
昨夜の放送でも
かつての髄液漏れの時の自分との類似点に、
非常に気になりました。
今夜も夜8時からNHKEテレで続きが放送されます。
私は脳脊髄液減少症で、
脳脊髄液漏れによる
高次脳機能障害によると思われる数々の現象を経験しています。
たとえば、
(かたづけられない、
人とのコミュニケーションが苦手になる、
場の空気が読めない、気が利かない。
思ったことをそのまま言葉にするため、言動が人を怒らせてしまう。
自分のことだけ一方的に話す。
人の話を遮って話す。
人の話が聞けない。
何かをしている最中に、電話が鳴ったり、声をかけられたりすると、今やっていたことを忘れてそっちに注意が行ってしまい、どんどん注意が他に移って、
結果すべてが中途半端でやりっぱなしになる。
物をよく失くす、
しまい忘れが多い、
落し物が多い、
落ち着きがない、
計算が苦手になる、漢字が書けなくなる。)などの状態です。
これは大人の発達障害と言われている人たちの
ADHD(注意欠陥多動性障害)やLD(学習障害)の状況と、
非常によく似ていると気づきました。
脳脊髄液減少症と発達障害は、
もしかして、まったく無関係ではなく、
「脳機能」というキーワードで繋がっているかもしれないと思ってきました。
発達障害について研究している先生方は、
まだ、脳脊髄液減少症という視点では
人間の行動を検証していないと思います。
今後ぜひ研究してもらいたいものです。
発達障害は、すべて「生まれつき」ということになっていますが、
生まれつき
脳脊髄液が過剰になる「水頭症」の存在は認められているのに、
その逆で
生まれつきの「脳脊髄液減少症」は、
医学界でもあまり話題にも上がっていません。
でも、生まれつきの脳脊髄液減少症の子供が
ゼロであるはずはない、と私は思っています。
胎児であって、乳児であっても、
私たちと同じ、脳と脳脊髄液を持つ人間である以上、
同じことが起こったって不思議ではありません。
何らかの原因で、
脳脊髄液が増えてしまう病があるのなら、
その逆での脳脊髄液が減ってしまって、
脳機能が正常に機能しなくなってしまっている子も
いるのではないか?と思うのです。
もし、胎児期や、新生児期、乳児期、
幼児期に、脳脊髄液減少症が発症してしまっていても、
本人も親も、医師も、そのことに気づけるわけがありません。
だって、調べようがないもの。
それに、
正常な脳脊髄液の状態のその子を知らないわけですから、
正常な時のその子の状態と比べようがないわけで、
この子の状態は「生まれつき」とされても不思議ではないと思うのです。
昨日のNHK福祉ネットワークに出てきた方々は
幼いころから、
人とのコミュニケーションが苦手とか、空気が読めず人を怒らせてしまう、とか、
物をよくなくす、などのさまざまな生きにくさがあり、
それが発達障害と診断されたようです。
でも、私の経験からも、
脳脊髄液減少症でも、身体症状があまりきつくなく、
なんとか働けるほどで、
さまざまな自分の不思議な状態を抱え、
生きにくさを感じていた時期がありました。
たとえば、
物をよく失くしたり、物事を手順よくこなしていくことが困難になったり、
物忘れで仕事上失敗したり、人ごみや電車の音に耐えられず、
そこから逃げたくなるパニックを起こしそうになる症状や、
音や光などに対する感覚が過敏になる。
気が散って物事に集中できなくなったり、どんどん注意が他に移ってしまう
という、
大人の発達障害者がよく表現することと、
ほとんど重なる症状、状態を経験しているのです。
つまり、脳脊髄液減少症であっても、
身体症状よりも
むしろ、(ADHDそっくり症状、LDに似た状態)の時期も経験しているのです。
このことから、
身体症状の目立たない、脳脊髄液減少症患者も存在するのではないか?
つらい身体症状はあまりめだたず、上に書いたようなさまざま症状で、
社会適応が困難になり、
発達障害と間違われている方もいるのではないか?と思ったりします。
発達障害と、脳脊髄液減少症に共通するものといえば、
脳。
だから、似た症状が出る以上「脳機能の障害」という点では、
なにかがつながっているはずで、
脳脊髄液減少症患者の症状や脳について、より深い研究が進めば、
発達障害についても、
何かわかってくるかもしれないとも思っています。
現在、脳脊髄液減少症の研究は、まだそこまで行っていないと思われるので、
今後、
脳機能の研究者や、うつ病の研究者や、精神機能の研究者や、
高次脳機能障害の研究者や、発達障害の研究にかかわる研究者たちが、
脳脊髄液減少症の研究者とともに、
ともに「脳機能」という同じ目的で、連携し合って研究したら、
何か新しい発見があるかもしれないと期待しています。
脳脊髄液が減少することで人体に起こる症状は、もっと多彩なはずで、
けっして、脳脊髄液漏れ=「起立性頭痛が絶対条件の症状」なんてことではないはずです。
脳脊髄液が漏れる場所、
漏れている量、や髄液が減っていることを想像させる髄液圧の低下などによっても、
人間の体に起る症状はさまざまなはずで、
脳脊髄液減少症であっても、
身体症状より、むしろ、精神症状や行動障害、コミュニケーション障害が強い人がいても、
少しも不思議ではないと思うのです。
昨夜の放送では
映画にもなった
「今、会いに行きます。」の作者で、
自らの発達障害を告白した、作家の市川拓司さんの話が特に気になりました。
なんと
「台風の時期になると、心身症がつらい」というのです。
「今年の台風は30ヘクトパスカルも下がったからつらかった」とまで・・・。
それって、脳脊髄液減少症の私と同じ現象じゃないですか!
市川さんご本人は、幼いことから発達障害の症状があったようで、
ずっと生きにくさを感じてこられているので、
台風時や季節の変わり目の体のつらさも、
すべて発達障害の自分の特徴だと受け止めておられるようで、
私は非常に気になりました。
今夜も続きが放送されます。
興味のある方は見てみてください。
昨夜の放送は 11月30日、正午からNHK Eテレで再放送されます。
市川さんや大人の発達障害の方々の話も聞いてみてください。
脳脊髄液減少症での高次脳機能障害を経験した患者さんなら、重なるものを感じるはずですから。
脳脊髄液減少症は
実にさまざまな症状が出るので、
たとえ、めだった身体症状がなくても、
精神症状や、うつの症状が主であったとしても、
まるでADHDやLDそっくりの症状からであっても、
絶対に、脳脊髄液減少症を見逃さないでいただきたいと思っています。
どんな症状からでも脳脊髄液減少症を見逃さず、
早期発見できる、
そんな診断基準がいつか必ずできてほしいと願っています。
そういった視点で見て、
検査で脳脊髄液漏れや髄液圧の低下が判明した患者さんの症例が積み重なることで、
「脳脊髄液減少症という病態の全体像と正体」
が浮かびあがってくると思います。
起立性頭痛のある患者だけに絞って
いくら脳脊液減少症研究をしても、
脳脊髄液減少症の全体像と本当の正体は
見えてこないと思います。