あじさい物語

七色の紫陽花のような日々の心模様
       

「ぼくと戦争の物語」漆原智良作 山中桃子絵

2014-10-21 21:46:35 | Weblog
「ぼくと戦争の物語」漆原智良 作 山中桃子 絵 を読了。

海老名香葉子さんが帯の言葉を飾る。
「戦争の哀しさを知ってください。子どもたちは力強く涙をぬぐって生きたのです」とあります。
本当に心に響く言葉だし、戦争の悲惨さ、これからの生き方を考えさせてくれる本に出会えたことをありがたいと思う。
うまくいえないけど、本当に、いい本です。子どもたちに読んでもらいたい本です。
大人にも。

緑色が素敵です。





うるうる先生こと、漆原先生のこの本を早く求めて読みたいと思いながら、やっと…今朝から読み始めて、一気に読み終えた。
出勤する電車、昼休み、また、帰りの電車、車、わが家と読む。

どうなるのだろうと、ドキドキしながら、引き込まれた。


どうしても漆原先生の小学校時代を想う。

それにしても、戦争のなんと人間を人間とせしめない行動、言動…。
教師の態度…。
当時の学校生活。

昭和20年3月10日未明、東京をB29が130機来襲。
すごい。想像すらできない。
どんなに多くの貴重な命が奪われたか、怖かったか。
空襲が日本全国であった。
空襲については、母の話、義母の話を私も聞いている。

夢ではないのだ。現実である。

そして、先生の優しさは、こんな悲しい体験があったからなんだなあとあらためて思った。
おばあちゃん、お父さん、お母さん、妹の文枝のこと、どんなに辛かっただろう。

学童疎開今年は70周年、たくさんの子どもたちが辛い経験をした…。


体験した人しかわからない。
私は、あれこれ言うことができない。
言葉にできない。
先生には申し訳ない。

ただ、読んでいて、漆原先生が書いてくださったことに感謝する。
書きながら、辛かっただろうなと思う。

でも、伝えてほしい。
先生しか書けない物語です。

勝男、洋太とのかかわり、優しさに心がほっとした。
相撲のメンコ、雷魚、イナゴとり、なわない…一つひとつが興味深く、とてもよくわかる。

黒潮親島、黒潮小島…八丈島を思う。
洋太の話で想像する島は素敵。
ばんだい山駅は、この前行った猪苗代駅、裏磐梯を思い出させた。
山はいろんなことを知っている。見ているんですね。

文章がとてもきれい。海の描写、いいなあ。
心平がなわない作業ができないところで、いかるところは読んでいてすっきりした。

唯一、笑ったのが「内田秀雄」さんという級長、名前が…うふふである。

多くの人に読んでほしい。
それは、声を大にして言いたい。
これからの日本の姿を、私たち大人に問うている。

昨日、たまたま半藤一利さんのコラムを読んだ。
230万人の犠牲者…戦争とは何か、集団的自衛権とは…私たちは私たちの平凡なささやかな生活を守るために今の政治をしっかり見ていなければと思う。

漆原先生、上手に感想を書けずに申し訳ないのですが、この本、本当にいい本です。
たくさんの子ども、大人たちに読んでもらいたいと思います。

文章の美しさ、表現、描写…創作をかじっている者として、いろいろ学ばされました。

先生は、やっぱり素晴らしいです。
この本、お父様、お母様、おばあちゃん、妹さんに書かされたんだなと思いました。

私たち、書く者は、やはり書かねばならないことがあるんだと思いました。

支離滅裂な感想に(感想とも言えないなあ…)になりましたが…。

どうぞ、皆様、ぜひぜひ、お読みください。

コメント (2)
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