
この本を、昨日から通勤のバッグに入れて読み始めた。それを読了。
ページ数が少ないから、あっという間に読める本だろう。
戯曲である。
それにしても、いい作品だ。
原爆は、日本人の上に落とされたばかりでなく、人間の存在全体に落とされたものだという作者の意見に同意する。
広島の言葉で、原爆で父を失い、友を失った美津江の葛藤。
「生き残ったことに申し訳なさを感じる…まして、幸せになってはいけない…」という23歳の美津江。
今朝の電車で作品を読み終えたのだけど、涙が出そうになる。
こんな短い作品に、いろんな思いが入っている。
生かされていること。
亡くなった人たちの思いを後世にも伝えるのが生きているものの役目だと。
広島平和記念資料館には行ったし、東松山の丸木美術館で原爆の図を見た。
この本の竹造の言葉。
新潮文庫のちょうどP50~51にかけての、原爆が落とされたときの様子には、なんともいえない。
原子爆弾の爆発は、6000度の太陽の二つ分の12000度という。その凄まじさにあらためて驚く。
今、生まれ、今、生かされていること。
父の竹造の「あよなむごい別れがまこと何万もあったちゅうことを覚えてもろうために生かされているんじゃ。おまいの勤めとる図書館もそのよなことを伝えるところじゃないか」という言葉は心にズーンと響く。
自分の知っていることを伝えていくことの大切さを考えた。
童話を書きたい、絵本を書きたい私はなんなのか。
何を書くのか。
短い本ゆえ、ぜひ、皆様に読んでもらいたい。
ちなみに宮澤賢治の「星めぐり」の話も出てくる。
いい本に出合った。
今日の仕事も忙しい。
たまたまある書類を広げていたのだけど、なんと、その書類の職場から電話がくる。
1000以上もある関係職場なのに、なんという偶然だろう。
びっくりしてしまった。
また、童話仲間のAさんからのお電話が嬉しい。
彼女の活躍はまぶしい。
でも、それは、並々ならぬ努力に裏打ちされている。
きっと、出版できるよ。
確信します。