駒師「日向」のブログ 本店

プレーヤー目線で作る
将棋駒作家のつぶやき

真っ白な木綿のシャツ

2010年06月23日 | 金龍・淇洲
9月の展示会へ出品予定だった金龍書です。

今回の転居によりそれができなくなりましたので、

オークションへ出すことに致しました。

この作品、以前お伝えしたとおり、

敢えて板目で揃えています。


今日は、板目に対する個人的な考えを

少し書かせて頂きますね。

一般的に板目は、相対的に価値が低いとされています。

木取り(どの方向から木を切るか)の違いですので、

やや曲がりやすい傾向はありますが、材料は同じです。

希少性の違いはありますが、

残りは「好みの違い」であり、

それほど大きな差だと小生は思っていません。

海岸に打ち寄せる波の様な板目模様は、

それはそれで素敵ですし、磨きこんで行くと

独特の色合いに変化して行きます。

また、対局者の目線で考えれば、

シンプルな木地ほど目が疲れません。

服装と同じで、得てして「飽きの来ないもの」は、

シンプルな素材を活用したものが多いと感じます。

そうですね、、、例えるなら、

「仕立ての良い、真っ白な木綿のシャツ」

それが板目に対する小生の見方です。


高級木地はそれはそれで厳然たる価値があり、

素晴らしいのですが、

それが全てではないと思っています。

高級木地しかご覧になったことの無い

オークション代行会社の方から、

「見た目がシャム黄楊っぽいね」

なんて言われてしまい(どこが!!??)、

ちょっと残念でしたが、

これも本黄楊木地が見せる確かな一面なのです。

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