イチナガさん

　　　　　　　　　　イ　チ　ナ　ガ　さ　ん
　高齢のご婦人がある役所にやってきたが、どの課に行っていいのかと迷ってると、事務服を着た初老の職員が近づいてきて「どんなことでお越しですか？」と尋ねたので、ご婦人は要件を伝えるとその職員は「私がご案内します」と所管課に連れて行ってくれて、担当者に手短に要件を伝えてくれて一件落着。
市役所ってこんなに親切なところとは思ってなかったご婦人、後日秘書課あて礼状を書いた。
その職員の名札にはイチナガと書いてあった。
初老のイチナガさんって・・・と考えていた秘書課の職員はポンと膝を叩いた。　　そうや、イチナガさんって「市長」や。
兵庫県の尼崎市での話です。
市長も事務員も同じ制服で区別はなく管理職だって威張っていない。
「勇将の元に弱卒なし」と言います。　　こういう市長の元で働く職員はみんな一所懸命にやっている。
どこかの市長のように口先ばかり達者で目立ちたがり屋とでは、人としての品格が違う。