銀座のうぐいすから

幸せに暮らす為には、何をどうしたら良い?を追求するのがここの目的です。それも具体的な事実を通じ下世話な言葉を使って表し、

『NYの地下鉄内の、かわいいカップルに親切にされて』

2009-04-02 14:01:45 | Weblog
 先日、09-3-29日、日曜日の夜に、テレビ朝日の衛星版で、『オバマの夢』と言うドキュメンタリーが放送されました。最初を見なかったので、制作サイドが日本なのか、アメリカなのかがわかりませんが、とてもよい番組だったと思います。地上波でも放映されるとよいのですが・・・・・

 私は、nikkei bisiness online と言うメルマガを配信してもらっていて、その中に、上記の番組と、ほとんど、軌をいつにする文章が著者名入りで載っていました。初期の政治的な盟友・シカゴトリニティ教会の名物牧師と、袂を分かつところ、・・・・・それから、夫婦の心の絆が強いことを大勢の人が、証言するところなど・・・・・大体知っていることでしたが、映像で観ると、あらためて新鮮でありました。特にバラク・オバマ青年(?、いえ、今では大統領ですが、番組内では、まだ、大統領ではなかった頃の映像がたくさん出てきます)の、声のよさには、衆目の集まるところですが、私も感心をいたします。

 ところで、私側の事情と言うか、お詫びですが、この文章は、この3月31日の午後、数時間ほど、さらしております。いったん引っ込めたのは、松平アナウンサーへのオマージュを述べるタイミングに配慮をしたからです。
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『NYの地下鉄内の、かわいいカップルに親切にされて』
 
 私は2002年にニューヨークへ個展をするために出かけました。こういうときは、活発に動きます。版画の制作をしている長期(?)滞在時と比べて、短期ですので、あれこれ、会いたい人もいるし、やりたいことも一杯あって、しかも、一週間内で、全部やらなければならないので、あっちこっち、出かけます。

 そういう日のある午後、地下鉄で、又、間違えて、反対方向へ乗ってしまいました。これは、二年前(実際には、2000年のこと)も一回やった事ですが、キャナル・ストリートだけ、駅が大きくて、普通は、出ている、uptown(アップタウン=北行き) downtown(ダウンタウン=南行き)の表示が無いからです。

 City Hall(あの世界貿易センターの近所) という駅についた時に『ああ、間違えた』と思いました。が、すぐには、降りる用意をしないで、先に、斜め前に座っている、アフリカン・アメリカンの男の子に、「これ、北行き?」と質問をしたのです。すると、「ええそうですよ。でも、僕も少しだけ、心配をしているのです」と答えました。非常に感心をしました。

 だってね。その・少・し・だ・け・(a little) を付け加えたのは、私に対する配慮だからです。レディをちゃんと大切に扱ってくれる態度だから、感心をしたのです。『アメリカ人の僕だって、時々、間違えるから、今僕も心配しているのですよ』と言ったわけですから、非常に思いやりがあるのです。

 でも、残念ながら、彼は、実際には間違っていて、なんと、ブルックリンへ向かう長いトンネルへ入っちゃいました。私はね、同じような真っ暗な窓外でも、トンネルに入った途端、その音が微妙に変るので、すぐ間違いをわかってしまって『どうしようかな。彼を傷つけないで、次の駅で降りるには、どうしたら良いかな』と思いあぐねたのですよ。2、3分の間ですが、本当に思い惑ったのです。

 そうしたら、彼の方が、つと立ち上がって、他の乗客にいろいろ聞いてくれて、そして、私に「これは、間違っています。実は南行きでした」と教えてくれたのです。で、その間違いを正す勇気に、感心しました。ここが日本人の男の子、同年齢だったら、絶対にありえない所作です。本当に感心しました。

 日本人の男の子は、KYとか、言って、空気を読む事が大切だな度と言う風潮に毒されすぎていて、勇敢さをなくしております。それは、残念であり、若い女の子が、結婚相手を探すためによく、ニューヨークへ渡るのもむべなるかなと思うほどです。

 私はその子達のカップルとともに、次の駅で降りました。
 そしたら、長いホームの入り口に一番遠い場所でした。

 それで、彼の大人しそうな、そして、とても、可愛くて真面目そうな、白人のガールフレンドも一緒に、皆で、入り口へ向かう時に、その子が、又も気を使ってくれて「切符を無駄にさせて御免なさい」と言ったのです。これにも感心をしてしまいました。普通は、北行きの駅と、南行きの駅が分離をしていて、(キャナル・ストリートとか、その他の大きな駅は別ですが)確かに、間違えると、切符を、もう一度、買って入れなおさなければ成りません。日本のように、どの駅も反対側のホームに繋がっていると言うわけではないのです。

 私は彼に、「大丈夫、ワン・ウイーク・カードを持っているから」と答えて安心をしてもらいました。実は、この日は、滞在二週目でしたが、あと、今日だけしか残り日が無く、最初は、トークンと言って、一回だけしか使えない、切符(ただし、コイン状)を買っていたのです。が、何回も出歩きそうなので、一週間用の17ドルのプリペイドカードを買っていたのです。殆んど無駄に成りますが、でも、その前の一週間に滅茶苦茶多用していて、しかも無くさなかったので、八日間で、合計四千円なら、交通費としては日本に比べれば、圧倒的に安いものです。
   
 私は日本に来た外人が、非常に込み入った、複雑な切符を買っているのを見ると、気の毒で、成りません。一応、パリと、ニューヨークとマドリッドしか知らないけれど、切符が単純で安いですからね。日本の複雑な、自動販売機に、外人が戸惑うだろうと思うと、気の毒で。気の毒で。そして、切符の値段も高いですからね。それも、気の毒です。
   
 いずれにしろ、私が心から、感心したのは、この中学生か、高校一年生ぐらいの男の子の気配りの、豊かさです。つまり、外に出たら、外の事に関心を集中しているから、こう言う態度が取れるわけで、引き比べると、横断歩道で、キスをしていた日本人らしい女の子の(それは、また、あらためて、将来お話をする可能性はあります。今は長くなるので、そちらに触れるのは、諦めます)無防備さと、馬鹿さ加減が悲しかったのですよ。では、
   2009年3月31日    雨宮舜(川崎 千恵子)
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