今回の衆院選で「自公VS希望」と政権選択の様相が強まる中、改憲を急ぐ安倍晋三首相や安全保障関連法に批判的な無党派のリベラル層が危機感を募らせている。彼らの票はどこへ向かうのか。

 <大きな変革は望まないけれど安倍政権に違和感があって、さらに改憲の動きにうさん臭さを感じている人たちは一体どこに投票すればよいのか>。ツイッター上には戸惑うリベラル層の投稿があふれている。<投票先がほとんどなくなってしまった。いわゆる選挙難民状態>とも。

 「前原(誠司・民進党代表)さんの選択には正直失望した。受け皿が消えました」。国会前で2年前、安保関連法反対運動が盛り上がった。そこで活躍した学生団体シールズの元中心メンバーで明治大大学院生の千葉泰真さん(26)は困惑を口にした。「政権選択の構図が鮮明になればなるほど安保法制の問題は埋没してしまう」

 シールズは、昨年の参院選で実現した民進や共産など4野党の共闘でも一役買った。今回は野党共闘の動きが希望の登場で吹き飛んでしまった。共産党関係者は「リベラル票の受け皿になっても、政権選択の構図では埋没する」と焦る。

 自民のスローガン「日本を取り戻す」と希望の「日本をリセット」の二者択一にツイッター上で疑問を表明している中野晃一・上智大教授(政治学)は言う。「希望の党はすべてが未知数。政権選択の構図のもと、自公と希望が多くの議席を取るのは確実だが、リベラル層も含め有権者はその先に待つ展開を思い描く必要があります」

 野党共闘を後押ししてきた「安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合」は29日、民進の希望への合流方針について「市民と野党の協力の枠組みが損なわれ、力不足をかみしめている。共闘再生の可能性を模索し続けたい」との見解を発表した。【岸達也】

を、読みました。

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産経新聞より(MSN経由)

【衆院解散】民進リベラル議員に“踏み絵” 「希望の名借りるべき」「無所属で戦って」

11 時間前
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【衆院解散】民進リベラル議員に“踏み絵” 「希望の名借りるべき」「無所属で戦って」: 報道陣の取材に応える枝野幸男氏=29日、さいたま市大宮区© 産経新聞 提供 報道陣の取材に応える枝野幸男氏=29日、さいたま市大宮区

 

 民進党内で憲法改正などに反対してきたリベラル派議員と支持者らに、動揺が広がっている。同党が合流を目指す「希望の党」が、政策が一致しなければ公認しないとの方針を打ち出したからだ。希望代表の小池百合子東京都知事が排除と絞り込みを強調する中、支持者からは希望入りへの賛否両論の声も上がっており、“踏み絵”を迫られたリベラル派議員らの決断が注目される。

 「希望の党に公認を申請するかどうか、本人の結論がまだ出ていない」。民進党で神奈川12区から立候補を予定していた阿部知子氏(69)の地元、藤沢市にある事務所の男性秘書は29日、こう言って表情を硬くした。

 かつて社民党で政審会長を務めた阿部氏は、平成24年衆院選の直前に同党を離党し、未来、みどりの風を経て26年に民主党入り。自身の政策として、憲法9条の堅持や安全保障法制反対を掲げている。

 希望の細野豪志元環境相は公認に関し、「安保法制白紙撤回を言い続ける人は考え方として厳しい」との見解を示しており、阿部氏の政策が受け入れられるかどうか微妙だ。

 秘書によれば阿部氏は現在、地元で支持者の意見を聞いており、決断は週明けになる見通しという。

 長年、阿部氏を支持してきた藤沢市の自営業の男性(38)は「希望を選ぶと、護憲や安保法制反対を求める支持者は離れるかもしれない」と懸念する。

 かつて民主党政権で厚労相も務めた長妻昭氏(57)=東京7区=も、去就が注目される一人。「ミスター年金」の異名を取り、近年も安保問題では、報道番組で「あくまでも個別的自衛権の範囲内で法整備を急ぐべきだ」との考え方を示してきた。

 中野区にある地元事務所にはこの日、「民進党」の名前が入ったポスターなどが積み上げられていたが、どのような立場で衆院選に臨むのか足場は固まっていない。事務所関係者は「国政報告会なども予定しているが、有権者にどう説明するのかわからない」と言葉少なに語る。

 これまで長妻氏の選挙に携わってきた男性(50)は「リベラルな姿勢を貫いてくれるのではないか」としつつ、「選挙に勝つには希望の名を借りるべきではないか…」と頭を抱えた。

   × × ×

 民進党幹事長代行の辻元清美氏(57)=大阪10区=は、さらに厳しい状況に追い込まれている。

 27年7月の衆院平和安全法制特別委で、安保関連法案の採決に激しく抵抗し、「お願いだからやめて!」と涙声で詰め寄ったのが辻元氏だった。参院の採決でも、ハチマキ姿で傍聴席に登場。衛視に注意された“筋金入り”の反対派だ。

 衆院解散から一夜明けたこの日、大阪府高槻市の地元事務所に辻元氏の姿はなく、スタッフ数人が選挙に備えて模様替えを進めていた。秘書によると、辻元氏のスケジュールは週末まで全てキャンセルされ、事務所でも動きを把握していないという。

 一方、護憲派の論客で、希望への合流を決めた前原誠司代表と9月1日の民進党代表選で争った枝野幸男氏(53)=埼玉5区=は29日、地元・さいたま市内で行った街頭演説後、記者団に「党の公式見解に沿う」とだけ語り、具体的な身の振り方については口を閉ざした。

 枝野氏に近い県議や市議なども、本人を気遣ってか言葉が少ない。同市内で同日に開かれた同党埼玉県連の常任幹事会でも重苦しい空気が漂った。会議後、姿を現した枝野氏は「コメントしない」と厳しい表情で話し、会場を後にした。

 支持者らの声も分かれている。同市見沼区の主婦(71)は「政策を曲げずに無所属でも頑張ってほしい」。同市大宮区の無職男性(75)は「政権交代のために少しでも希望の党の議席を増やしてほしい」と話していた。