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 法務省は19日、1992年に千葉県市川市で一家4人を殺害した関光彦死刑囚(44)=事件当時19歳=と、94年に群馬県安中市で交際女性とその両親を殺害した松井喜代司死刑囚(69)の死刑を執行した。犯行時に未成年だった死刑囚の執行は、97年8月の永山則夫・元死刑囚以来。関、松井両死刑囚とも再審請求中だった。

 今回の死刑執行金田勝年前法相時の今年7月以来5カ月ぶりで、上川陽子法相は8月の再任後は初めて。前回法相時の15年6月にも1人を執行した。12年12月の安倍内閣発足後では12度目、計21人となった。法務省が12月15日時点で収容中だった確定死刑囚は124人という。

 関死刑囚の確定判決によると、19歳だった92年3月、市川市の会社役員の男性宅に盗み目的で侵入し、面識のなかった男性とその母、妻、次女の計4人を包丁で刺すなどして殺害、長女にも切りつけてけがさせるなどした。一審・千葉地裁は「罪刑の均衡の見地などから極刑がやむを得ない場合、死刑の選択は許される」として死刑判決を言い渡し、二審の東京高裁最高裁もこれを支持した。

 一方、松井死刑囚は94年2月、安中市で交際女性とその両親をハンマーで殴って殺害したなどとして殺人と殺人未遂の罪で、一審、二審とも死刑判決を受けた。99年9月に最高裁で上告が棄却されて確定した。(小松隆次郎

     ◇

 〈おことわり〉 朝日新聞はこれまで、犯行時に少年だった関光彦死刑囚について、少年法の趣旨を尊重し、社会復帰の可能性などに配慮して匿名で報道してきました。死刑が執行されたことを受け、実名での報道に切り替えます。国家によって生命を奪われる刑の対象者は明らかにされているべきだとの判断からです。本社は2004年、事件当時は少年でも、死刑が確定する場合、原則として実名で報道する方針を決めています。

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法務省:元少年ら2人の死刑執行 永山則夫元死刑囚以来

1日前
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 上川陽子法相は19日、千葉県市川市で1992年に会社役員一家4人を殺害したなどとして、強盗殺人罪などで死刑が確定した事件当時19歳の関光彦(てるひこ)死刑囚(44)=東京拘置所=の死刑を執行したと発表した。事件当時少年だった死刑囚の執行は、4人を射殺した永山則夫元死刑囚(事件当時19歳、執行時48歳)が97年8月に執行されて以来となる。また、群馬県で94年にあった親子3人殺害事件で殺人罪などで死刑が確定した松井喜代司死刑囚(69)=同=の死刑も同日執行された。

 関係者によると関死刑囚側と松井死刑囚側は再審請求中だったという。従来、再審請求中の執行は回避される傾向にあったが、前回の金田勝年法相による7月の命令に続く執行となった。

 確定判決によると、関死刑囚は92年3月5日、暴力団関係者から要求された金を工面するため、市川市内の会社役員(当時42歳)のマンションに押し入り、役員の母(同83歳)を絞殺。その後帰宅した妻(同36歳)と役員を包丁で刺殺して現金や預金通帳を奪い、翌日には泣き出した次女(同4歳)も殺害するなどした。

 上告審で弁護側は「少年の矯正を目的とする少年法の精神を考えると、量刑は重い」と主張したが、最高裁は2001年12月、「4人の生命を奪った結果が極めて重大で、犯行も冷酷、残虐。家族を一挙に失った被害者(当時15歳の長女)の感情も非常に厳しく、死刑はやむを得ない」として1、2審の死刑判決を支持し、上告を棄却した。

 松井死刑囚は94年2月、結婚を約束し、借金などを肩代わりしていた群馬県安中市の女性(当時42歳)に結婚の意思がないことが分かり、女性をハンマーで殴り殺し、女性の両親も結婚に反対したと思い込んで殺害。さらに女性の妹やその長女も殺そうとした。【鈴木一生】