〇鳥の巣に鳥が入ってゆくところ
18歳の句。余りに当たり前の瞬間を見たまま読む。爽波の原点。
〇籾殻の山より縄の出てをりぬ
現実の風景に何を見つけるか、が腕の見せ所。
〇向うから来る人ばかり息白く
こちらの息も白いのだが、現に見えるのは来る人の白い息。
〇芒枯れ少しまじれる葦も枯れ
虚子に褒められた一句。見たままだが、そこに焦点を当てるのが独特。
〇新緑や人の少き貴船村
京大時代の句。貴船は京都の地名。新緑と地名の意外な出会い。
〇滴りに横よりとべる滴あり
観察力が物を言う句。これも貴船の情景。同じ字を別の読みで2度使っている。
〇更衣二間つづきの母の部屋
戦後すぐとは思えない、優雅な生活。そういう家で育ったことも作句に見て取れる。
〇大瀧に至り着きけり紅葉狩り
この句も虚子に褒められた一句。奇をてらわない落ち着いた好み。
〇冬空をかくす大きなものを干す
干しもので、何とも大きな広がりを詠む。面目躍如の一句。
〇額縁をかかへて芥子の花を過ぐ
この写実はフィクションであるらしい。たまにはそういうこともする茶目っ気。
18歳の句。余りに当たり前の瞬間を見たまま読む。爽波の原点。
〇籾殻の山より縄の出てをりぬ
現実の風景に何を見つけるか、が腕の見せ所。
〇向うから来る人ばかり息白く
こちらの息も白いのだが、現に見えるのは来る人の白い息。
〇芒枯れ少しまじれる葦も枯れ
虚子に褒められた一句。見たままだが、そこに焦点を当てるのが独特。
〇新緑や人の少き貴船村
京大時代の句。貴船は京都の地名。新緑と地名の意外な出会い。
〇滴りに横よりとべる滴あり
観察力が物を言う句。これも貴船の情景。同じ字を別の読みで2度使っている。
〇更衣二間つづきの母の部屋
戦後すぐとは思えない、優雅な生活。そういう家で育ったことも作句に見て取れる。
〇大瀧に至り着きけり紅葉狩り
この句も虚子に褒められた一句。奇をてらわない落ち着いた好み。
〇冬空をかくす大きなものを干す
干しもので、何とも大きな広がりを詠む。面目躍如の一句。
〇額縁をかかへて芥子の花を過ぐ
この写実はフィクションであるらしい。たまにはそういうこともする茶目っ気。