超人日記・俳句

俳句を中心に、短歌や随筆も登場します。

#俳句・川柳ブログ 

歳時記俳句・夏薬師

2023-07-26 00:04:15 | 自作俳句
赤い旗無数に立ちて夏薬師
日本一のっぽの札が夏ぎろり
石猿が護る祠や白日傘

愛想なき床屋が刈りて髪涼し
職人が櫓を立てて夏祭り
猛暑日に胡麻だれ香る冷素麺

夏襟で仕事の帰り星凉し
学び舎もしばしの休み汗も引き

緑陰に噂をすれば黄金虫
漱石の句集を抱え虞美人草
夏の蝶舞ひて近づく百日紅




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歳時記俳句・雲の峰

2023-07-25 00:04:31 | 自作俳句
冷房のアイス珈琲手に氷河
草蔭に空蝉ありてピアノ窓
雲の峰映画思わす猛暑の日

古書店で子規を受け取り晩涼し
林間の貯水池の奥泉湧く
綿飴に浴衣で集う夏祭り

よく冷えたガラスの急須新茶飲む
気に入りの北欧柄で汗拭けり
夏の燈がぽつぽつと点く天秤座

籐椅子に幼き日々の避暑の風
表情が夜半に浮かぶ走馬灯
とうきびを齧りて今日も炎天下
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歳時記俳句・捕虫網

2023-07-24 00:04:43 | 自作俳句
ジャムパンを齧りて涼し梅雨の開け
夏の夜回り灯籠 友の顔
岸辺には浜茄子も咲く夏の川

ガムランの蝉時雨なる盛夏かな
夕立の止むのを待ちて夏帽子
あの町の汗も乾かす南風

夏帽子転がりて追う通学路
夏祭り漸く終えて灯も涼し
噴水のドン・キホーテが回る頃

戸を開けて溢れる本に風通す
帰省する笑顔が集う北の町
舞台でも汗滴りて夏芝居
夏木立ひとりさ迷う捕虫網
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山口青邨・夏の俳句

2023-07-23 17:58:10 | 無題
〇星凉し船傾けば星のぼる
荒れる海で、夕方、金星が見える。やがて北には北斗七星。船は危なかったが。
〇疲れたれば眠りぬ氷河みたるあと
青邨は、ノルウェーに実際滞在していた。氷河見て・・というのも実話。
〇かの瀑布みどりの草の山に落つ
ノルウェーの壮大な瀧の流れを、ひるむことなく詠む。面目躍如の句。
〇山高帽に夕立急ロンドンはおもしろし
ロンドンで夕立に会う。現地の人はいつも洋傘を持ち、それでいて山高帽も被る。
〇蓮の葉にかくれんとする灯涼し
不忍池の骨董市での光景。夕暮れの灯が揺れる蓮の葉に見え隠れする。
〇風鈴の狂瀾遠く見ゆるかな
風鈴がしきりに鳴るのを、荒れ狂い、弁舌捲くし立てる様に見立てた句。
〇女達おしゃべり金魚浮き沈み
盛んに女性たちがお喋りしているが、部屋の隅では金魚が静かに上下している。
〇ものを書くこころにかよひ古浴衣
この句は、文人二人がお互いに、浴衣姿で心を許した気持ちがよく出ている。
〇玉虫の羽のみどりは推古より
法隆寺の玉虫厨子の緑色の光は、推古天皇の時代から続いている。高尚すぎて選評から外れた。
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歳時記俳句・蝉時雨

2023-07-22 00:04:30 | 自作俳句
蝉時雨人影揺れる路上かな
夕焼けや瞳に映る面影草
片蔭に汗も乾きて風鈴草

白靴で夏野を歩く朝と夕
水羊羹透かして見える窓景色
読書中網戸に休む糸蜻蛉

汗も引き手足を伸ばす夏期休暇
起こし絵を組み立ててみる盆休み
涼風を準特急が運ぶ夏

夏襟や道一杯に草いきれ
駆け込めず扉が閉まる冷房車
バス停で手を振る紅や花柘榴
物干しのパジャマに蝉が来て止まり
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