藪下通り上の街に居ます。森鴎外や夏目漱石が住んだ高級住宅街をフラリ・フラリと自転車を漕いでいたら、前方に小動物が歩いていました。自転車を停めて、跨いだまま眺めていました。
トコトコではなく、ヨロヨロでも無いけど元気無さそうにやって来ます。えっ!? タヌキ??
間違いありません! 排水溝を狸がやって来るではありませんか!
自転車を跨いでシャッターを押している私の足元にやって来ます!
真横に来ました! 私の存在に気がつかないのだろうか? 私は息を殺している訳ではありません。この遭遇に驚きながら、こんなチャンスは2度と無い、とばかり夢中でシャッターを押しています。シャッター音が聞こえる筈です。私を無視しているのだろうか? 人間を怖がる野生の本能が欠如しているのだろうか? 毛づやが良くありません。病気だろうか?老齢なんだろうか? 野生の本能が命じる避難行動ができないくらい体調が悪いのだろうか?
改めて写真を見ると、前足の所にフンらしいものが落ちています。高級住宅街なので(決してそうでない場合も多いが、)散歩させている犬の始末はちゃんとすると思います。とういうことは、ここは獣道か?
私の斜め後ろから溝を上がります。自転車に跨がったまま体を捻ってシャッターを押し続けます。
狸は躊躇することなく門扉の隙間から入って行きます。慣れた行動に見えます。
トコトコではなく、ヨロヨロでも無いけど、玄関口を入って行きます。
左側の庭の方へ入って行きました。
後ろはこんな場所です。千駄木の丘の上の高級住宅街です。狸はこの塀の中に入って行ったのです。
入って行った家です。
幻でも見たのだろうか?と門扉を見直します。
夢でも見たのだろうか?とやって来た路を見ます。
狸を最初に見た場所に行ってみます。杉良太郎さんが「オレオレ詐欺」撲滅を訴えているだけです。古狸は人を騙すっていうしな・・・
振り返ります。ここからあの溝を通って、あの屋敷に入って行ったよね・・・
この角から現れたように思います。あの突き当たりの家の左側に小さな坂があって、その下は「千駄木ふれあいの杜」です。あの杜と、入って行ったあの屋敷を縄張りにしているのだろうか? ひょっとしたら、「ふれあいの杜」に住む最後の狸かも知れません。
ロケーションとしては、狸が住んでいてもおかしくはありませんが、、、こうして写真を見ながら記事を書いていても、夢を見た気分です。