おにぎり2個の里みち歩き 農山漁村の今昔物語

おにぎりを2個持って農村・山村・漁村を歩き、撮り、聞き、調べて紹介。身辺事象もとりあげます。写真・文章等の無断転載禁止

梨畑のキラキラ白棒の中にあるもの

2014年06月10日 00時00分00秒 | 農業

写真1 梨畑の白棒 授粉樹の花芽をもつ発育枝にビニール袋を被せてある


写真2 写真3

写真2 授粉するミツバチの巣箱
写真3 1回目の摘果を待つ



写真4 1回目の摘果で1花房あたり1果になった実 さらに2回目の摘果にも残る?

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 春彼岸の頃、梨畑にキラキラ、白い直立棒(写真1・弊ブログ2014年04月05日)。
 花芽を寒さや霜から、雪から護るためと考えた。

 それから6週間後、05月04日、上記梨畑の経営者Tさんに邂逅。
 キラキラの筒状ビニール袋について伺う。次のようにご教示いただく。
   ナシは同じ品種の受粉では結実しない、実にならない(注1)
   異品種の受粉で実になる。

   ミツバチなどが運ぶ花粉による受粉・結実には異品種樹の混植が必要。
   現在、混植を少なくして、異品種花粉購入による人工授粉の梨畑が多い。

   Tさん宅は花粉購入の人工授粉でなく、ミツバチを飛ばす自然授粉。
   ナシ栽培に従事する家族員はTさん独り。

   Tさん宅は授粉樹(花粉を運ばせる木)と収穫樹(実を着ける木)を混植。
   授粉樹は長十郎、今村秋、石井早生。
   収穫樹は豊水、幸水、新高。

   授粉樹と収穫樹の開花時期を合わせる必要がある。
   開花の遅い授粉樹の開花促進のために筒状ビニール袋を被せる。

   ミツバチは、かつて自家で飼い飛ばし、蜂蜜も販売していた。
   現在、家族従事者が少なくなったので、友人がミツバチを飛ばしている。

 すなわち、キラキラ筒状ビニール袋の中には次の特性・条件・方針が包み込まれている。
  ナシの品種特性(自家不結実性)
  家族条件(家族従事者減少)
  経営方針(ミツバチによる自然授粉)

 注1 同じ品種の花粉では結実しないのを自家不結実性、自家不稔性、自家不和合性などと呼ぶ。
    受粉(授粉)とは花粉がめしべ・雌蕊の先端・柱頭に付着すること。
 執筆・撮影者:有馬洋太郎 撮影日:写真1;2014年03月23日 写真2~写真4;2014年05月04日
 撮影地:埼玉県久喜市







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