今年でいったんF1グランプリ開催の歴史に幕を
閉じるセパン・インターナショナル・サーキットで10
月1日(日)、2017年FIA F1世界選手権第15戦マ
レーシアGP決勝レースが開催され、ポールシッ
ターのハミルトンをオーバーテイクしたレッドブル
のフェルスタッペンがトップチェッカーを受けた。
今週末はメルセデスの苦戦が目立っていたもの
の、予選ではハミルトンが完璧なラップをまとめて
ポールポジションを獲得。0.045秒とわずかに届
かなかったフェラーリのライコネンがフロントロー
に並ぶはずだったが、ダミーグリッドに向かう直
前、ガレージで問題が確認され、何とかコースに
出たものの、グリッド上で修復しきれず、スタート
前にいったんガレージに戻って作業が続けられ
た。
フェラーリはもう一台を駆るベッテルも不運に見
舞われており、土曜フリー走行でエンジントラブル
を抱えた結果、新しいパワーユニットで予選に挑
んだものの、Q1で走り始めた途端に新たな問題
が生じてノータイムに終わっている。最後尾ス
タートが確定したベッテルとフェラーリは内燃機関
(ICE)、ターボチャージャー、MGU-Hを新たに交
換してレースに挑み、すべて5基目に達したため、
合計20グリッド降格ペナルティを受けたものの、
スタート位置に影響はなく、20番グリッドからス
タートした。
全長5.543kmのセパン・インターナショナル・サー
キットを舞台に56周で争われた決勝は気温30
℃、路面温度38℃、湿度72%のコンディションで
スタート時刻を迎える。朝方に雨が降った関係で
一部は湿った状態だったが、全車がドライタイヤ
を履いてグリッドに並んだ。ピレリはミディアム、ソ
フト、スーパーソフトのドライタイヤを持ち込んでお
り、ソフトもしくはミディアムのいずれか1セットを
レースで使用することを義務付けている。
フォーメーションラップが始まってもライコネンの
マシンは準備が整わず、結局、ピットレーン出口
に並べぬまま、2番グリッドが空いた状態で19台
の整列が完了してしまった。ライコネンは最終的
にスタートできずにリタイアと発表されている。
シグナル消灯と共に好発進を決めたハミルトンが
リードを保ってターン1を通過し、後方ではレッドブ
ル勢とメルセデスのボッタスが激しい攻防戦を繰
り広げる。出だしが良かったボッタスはリカルドを
かわして3番手に上がり、2番手のフェルスタッペ
ンに仕掛けていったが、サイド・バイ・サイドに持
ち込めず、いったんボッタスは3番手に落ち着く。
ボッタスからポジションを守ったフェルスタッペン
はすぐにスピードに乗り、3周目の最後にハミルト
ンの背後にぴたりとつけると、トウを得てターン1
への飛び込みでインを突き、リード奪取に成功し
た。ハミルトンが順位を落とす一方、最後尾スター
トのベッテルは12番手に浮上する。
また、フォース・インディアのオコンがスタート直後
にウィリアムズの1台と接触し、緊急ピットインを
強いられて最後尾の位置で隊列に復帰した。
ベッテルが10番手スタートのアロンソ(マクラーレ
ン)をかわした頃、ボッタスにプレッシャーをかけ
ていたレッドブルのリカルドが激しいサイド・バイ・
サイドの攻防戦を制して3番手を奪取。ボッタスも
懸命にポジションを守ろうとマシンをプッシュした
が、最終的にはリカルドに軍配が上がっている。
先頭のフェルスタッペンが13周目に入るタイミン
グで中団グループを中心に最初のピットストップ
が始まるも、上位勢はステイアウトを続け、第1ス
ティントを長く取ったのは予選トップ10に入り、
ユーズドタイヤでスタートしたフェルスタッペン、ハ
ミルトン、リカルド、ボッタス、フォース・インディア
のペレスに加えて、新品のソフトタイヤを選んだ
ベッテル、10番手スタートのアロンソもロングス
ティントを走り、8番手につけていたサインツ(トロ・
ロッソ)はスーパーソフトのニューセットを選んだ
が、上位勢と同様にステイアウトしている。後方で
はソフトタイヤを選んだザウバーの2台も第1ス
ティントを長く走った。
上位勢で最初に動いたのはメルセデス。ハミルト
ンがソフトタイヤに履き替え、攻防戦を展開してい
たボッタスとベッテルの前でコース復帰を果たす。
次の周回にはラップリーダーのフェルスタッペン
がタイヤ交換を済ませた。
28周目にスーパーソフトタイヤに履き替えたベッ
テルはボッタスをアンダーカットして4番手を確
保。レース後半は13秒以上前を走っていたリカル
ドを追いかけた。31周目にペレスがピットストップ
を終え、ザウバーの2台を除く全車が第2スティン
トを開始している。ただ、サインツは第2スティント
が始まってすぐ、エンジンに不調を訴え、スロー
走行でピットに戻り、マシンをガレージに入れた。
第2スティントにスーパーソフトを履いたベッテル
は40周目までにリカルドとのギャップを2秒以下に
短縮し、そこから猛チャージをかけてレッドブルマ
シンを攻め立てていく。一時、1秒差以内まで接
近し、ターン1への飛び込みで仕掛けるなど攻撃
し続けたが、残り3周を切ってギャップを3秒に戻し
た。チームからエンジンの温度を冷やすため距離
を取るよう言われていたようだが、アタックのゴー
サインが出てもベッテルのペースは上がらず、差
は開く一方だった。
56周の激闘を経て、トップチェッカーを受けたフェ
ルスタッペンがキャリア通算2勝目をマーク。ハミ
ルトンは12秒遅れて2位フィニッシュを果たし、リカ
ルドが3位表彰台に上った。ベッテルは結局、リカ
ルドから14秒以上遅れて4位にとどまっている。
ただ、ベッテルはチェッカーフラッグを受けた後、
ウィリアムズのストロールと接触して左リアを破損
してしまい、自力でピットに戻れなかったため、後
方にいたウェーレインに拾ってもらい、ザウバー
マシンに相乗りして帰還した。フェラーリマシンは
ダメージを負っており、次戦以降にどの程度、影
響するのかは分かっていない。この一件はスチュ
ワードの審議対象となっており、続報が入り次
第、お届けする。
5位以下、入賞を果たしたのはボッタス、ペレス、
マクラーレンのバンドールン、ストロール、マッサ、
オコンだ。
アロンソは11位完走、その他、マグヌッセン(ハー
スF1)、ガスリー(トロ・ロッソ)、パーマーとヒュル
ケンベルグのルノー勢、ザウバーのウェーレイン
とエリクソンが完走している。
次戦はいよいよ日本GP、調子を上げてきたマクラーレン・ホンダのアロンソ、バド―ルンに期待し
ましょう!
閉じるセパン・インターナショナル・サーキットで10
月1日(日)、2017年FIA F1世界選手権第15戦マ
レーシアGP決勝レースが開催され、ポールシッ
ターのハミルトンをオーバーテイクしたレッドブル
のフェルスタッペンがトップチェッカーを受けた。
今週末はメルセデスの苦戦が目立っていたもの
の、予選ではハミルトンが完璧なラップをまとめて
ポールポジションを獲得。0.045秒とわずかに届
かなかったフェラーリのライコネンがフロントロー
に並ぶはずだったが、ダミーグリッドに向かう直
前、ガレージで問題が確認され、何とかコースに
出たものの、グリッド上で修復しきれず、スタート
前にいったんガレージに戻って作業が続けられ
た。
フェラーリはもう一台を駆るベッテルも不運に見
舞われており、土曜フリー走行でエンジントラブル
を抱えた結果、新しいパワーユニットで予選に挑
んだものの、Q1で走り始めた途端に新たな問題
が生じてノータイムに終わっている。最後尾ス
タートが確定したベッテルとフェラーリは内燃機関
(ICE)、ターボチャージャー、MGU-Hを新たに交
換してレースに挑み、すべて5基目に達したため、
合計20グリッド降格ペナルティを受けたものの、
スタート位置に影響はなく、20番グリッドからス
タートした。
全長5.543kmのセパン・インターナショナル・サー
キットを舞台に56周で争われた決勝は気温30
℃、路面温度38℃、湿度72%のコンディションで
スタート時刻を迎える。朝方に雨が降った関係で
一部は湿った状態だったが、全車がドライタイヤ
を履いてグリッドに並んだ。ピレリはミディアム、ソ
フト、スーパーソフトのドライタイヤを持ち込んでお
り、ソフトもしくはミディアムのいずれか1セットを
レースで使用することを義務付けている。
フォーメーションラップが始まってもライコネンの
マシンは準備が整わず、結局、ピットレーン出口
に並べぬまま、2番グリッドが空いた状態で19台
の整列が完了してしまった。ライコネンは最終的
にスタートできずにリタイアと発表されている。
シグナル消灯と共に好発進を決めたハミルトンが
リードを保ってターン1を通過し、後方ではレッドブ
ル勢とメルセデスのボッタスが激しい攻防戦を繰
り広げる。出だしが良かったボッタスはリカルドを
かわして3番手に上がり、2番手のフェルスタッペ
ンに仕掛けていったが、サイド・バイ・サイドに持
ち込めず、いったんボッタスは3番手に落ち着く。
ボッタスからポジションを守ったフェルスタッペン
はすぐにスピードに乗り、3周目の最後にハミルト
ンの背後にぴたりとつけると、トウを得てターン1
への飛び込みでインを突き、リード奪取に成功し
た。ハミルトンが順位を落とす一方、最後尾スター
トのベッテルは12番手に浮上する。
また、フォース・インディアのオコンがスタート直後
にウィリアムズの1台と接触し、緊急ピットインを
強いられて最後尾の位置で隊列に復帰した。
ベッテルが10番手スタートのアロンソ(マクラーレ
ン)をかわした頃、ボッタスにプレッシャーをかけ
ていたレッドブルのリカルドが激しいサイド・バイ・
サイドの攻防戦を制して3番手を奪取。ボッタスも
懸命にポジションを守ろうとマシンをプッシュした
が、最終的にはリカルドに軍配が上がっている。
先頭のフェルスタッペンが13周目に入るタイミン
グで中団グループを中心に最初のピットストップ
が始まるも、上位勢はステイアウトを続け、第1ス
ティントを長く取ったのは予選トップ10に入り、
ユーズドタイヤでスタートしたフェルスタッペン、ハ
ミルトン、リカルド、ボッタス、フォース・インディア
のペレスに加えて、新品のソフトタイヤを選んだ
ベッテル、10番手スタートのアロンソもロングス
ティントを走り、8番手につけていたサインツ(トロ・
ロッソ)はスーパーソフトのニューセットを選んだ
が、上位勢と同様にステイアウトしている。後方で
はソフトタイヤを選んだザウバーの2台も第1ス
ティントを長く走った。
上位勢で最初に動いたのはメルセデス。ハミルト
ンがソフトタイヤに履き替え、攻防戦を展開してい
たボッタスとベッテルの前でコース復帰を果たす。
次の周回にはラップリーダーのフェルスタッペン
がタイヤ交換を済ませた。
28周目にスーパーソフトタイヤに履き替えたベッ
テルはボッタスをアンダーカットして4番手を確
保。レース後半は13秒以上前を走っていたリカル
ドを追いかけた。31周目にペレスがピットストップ
を終え、ザウバーの2台を除く全車が第2スティン
トを開始している。ただ、サインツは第2スティント
が始まってすぐ、エンジンに不調を訴え、スロー
走行でピットに戻り、マシンをガレージに入れた。
第2スティントにスーパーソフトを履いたベッテル
は40周目までにリカルドとのギャップを2秒以下に
短縮し、そこから猛チャージをかけてレッドブルマ
シンを攻め立てていく。一時、1秒差以内まで接
近し、ターン1への飛び込みで仕掛けるなど攻撃
し続けたが、残り3周を切ってギャップを3秒に戻し
た。チームからエンジンの温度を冷やすため距離
を取るよう言われていたようだが、アタックのゴー
サインが出てもベッテルのペースは上がらず、差
は開く一方だった。
56周の激闘を経て、トップチェッカーを受けたフェ
ルスタッペンがキャリア通算2勝目をマーク。ハミ
ルトンは12秒遅れて2位フィニッシュを果たし、リカ
ルドが3位表彰台に上った。ベッテルは結局、リカ
ルドから14秒以上遅れて4位にとどまっている。
ただ、ベッテルはチェッカーフラッグを受けた後、
ウィリアムズのストロールと接触して左リアを破損
してしまい、自力でピットに戻れなかったため、後
方にいたウェーレインに拾ってもらい、ザウバー
マシンに相乗りして帰還した。フェラーリマシンは
ダメージを負っており、次戦以降にどの程度、影
響するのかは分かっていない。この一件はスチュ
ワードの審議対象となっており、続報が入り次
第、お届けする。
5位以下、入賞を果たしたのはボッタス、ペレス、
マクラーレンのバンドールン、ストロール、マッサ、
オコンだ。
アロンソは11位完走、その他、マグヌッセン(ハー
スF1)、ガスリー(トロ・ロッソ)、パーマーとヒュル
ケンベルグのルノー勢、ザウバーのウェーレイン
とエリクソンが完走している。
次戦はいよいよ日本GP、調子を上げてきたマクラーレン・ホンダのアロンソ、バド―ルンに期待し
ましょう!