23日(日)、ポール・リカール・サーキットを舞台に2019年FIA F1世界選手権第8戦フランスGP決勝レースが開催され、メルセデスのハミルトンがポール・トゥ・ウインを決めた。
ライバルを引き離して圧倒的な速さを示すメルセデスがフロントローを独占した予選はトップタイムを刻んだハミルトンに次いでボッタスが2番手となり、2列目にはフェラーリのルクレールとレッドブルのフェルスタッペンが並んだ。予選トップ10に入ったドライバーのうち8名はQ2をミディアムタイヤで切り抜けている。ピレリがC2からC4のドライタイヤを用意したフランスGPは決勝レースでミディアムもしくはハードのいずれか1セットを使用しなければならない。
グリッドペナルティを受けたドライバーは2人。共にエンジンペナルティで、Hondaのスペック3パワーユニットを投入したトロ・ロッソのクビアトと、土曜フリー走行で電気系のトラブルに見舞われたウィリアムズのラッセルだ。
全長5.842kmのポール・リカール・サーキットは週末を通して快晴に恵まれ、53周にわたって争われた決勝レースは気温26.6℃、路面温度54.5℃、湿度40.8%のドライコンディションでフォーメーションラップが始まる。タイヤ選択が自由な予選11番手以下のドライバーはミディアムもしくはハードのタイヤを選んでおり、スタートでソフトタイヤを履いていたのはトップ10スタートのガスリー(レッドブル)とジョビナッツィ(アルファロメオ・レーシング)だけだった。
オープニングラップは好発進を決めたハミルトンが先頭でターン1を通過し、ボッタスも2番手をキープする中、マクラーレン勢がポジションアップを狙って果敢に攻めるも、2周目に入った時点で上位7台のうちポジションに変化があったのはサインツが同じマクラーレンをドライブするノリスをかわして5番手に上がったのみ。
大きな混乱なく始まったレースで大きくポジションを落としてしまったのがトロ・ロッソのアルボンだ。11番グリッドに並んだものの、スタート直後に後退して16番手まで下がっている。
予選7番手に沈んだフェラーリのベッテルは6周目にノリスをオーバーテイクした後、さらに次のラップでもう1台のマクラーレンも追い抜いて5番手に浮上。前の4台とは8秒以上のギャップが開いていたが、タイヤをケアしながらチャージをかけて巻き返しを図った。
ミディアムでのスタートが最適と言われるポール・リカールの第1スティントにソフトを履いたジョビナッツィは8周目にハードタイヤに切り替えたものの、同じコンパウンドだったガスリーはさらに10周長くコースにとどまっている。8番手につけていたガスリーとコース上でポジションを争っていたルノーのリカルドが直前のラップでタイヤを交換したことから、レッドブルとガスリーがそれに対応した格好だ。
さらに上位勢のピットストップが続き、マクラーレンはノリス、サインツの順でピットに呼び入れ、それぞれミディアムからハードに履き替えている。翌周にはフェルスタッペンが動き、レッドブルと逆の動きを指示していたフェラーリはベッテルのピットストップを見送って「できるだけ長くステイアウト」する戦略を採用した。3番手を走っていたルクレールが先にタイヤ交換を済ませ、フェルスタッペンに5秒以上のリードを築いた状態で第2スティントをスタートさせている。
1分34秒台の好ペースを刻むハミルトンの一方で、1分36秒台までペースが落ちていたボッタスは24周目に入るタイミングでハードタイヤに交換。ハミルトンのペースは悪くなかったものの、メルセデスは次のラップにはハミルトンのピットストップも完了した。その直後にはフェラーリがベッテルをピットに呼び入れ、ミディアムからハードのタイヤセットを履かせてコースに送り出している。ベッテルはフェルスタッペンのオーバーカットを狙ったものの、レッドブルから4.4秒後方の5番手でコース復帰した。
タイヤを交換した後もボッタスのペースがなかなか上がってこなかったものの、数ラップを経て1分34秒台に入れると以降は速さをキープして、一時は3秒強の位置まで接近していたルクレールを再び引き離し始める。
6番手からライコネン(アルファロメオ・レーシング)がピットに向かったのは32周目。コンマ数秒差でポジションを争っていたルノーのヒュルケンベルグは前が開けた瞬間にペースを上げて逆転を狙ったものの、3周後にピットストップを終えてコースに戻ったときにはギャップが少し開いてしまっていた。ライコネンとヒュルケンベルグはいずれもハードタイヤでスタートしており、第2スティントはミディアムタイヤを履いている。
最長の第1スティントを取ったのはレーシング・ポイントのストロール。ハードからミディアムに履き替えたのは先頭のハミルトンが41周目に入ってからだ。6番手を走っていたストロールは終盤の波乱の可能性を踏まえて長くステイアウトしていたが、セーフティカーが入るようなアクシデントは発生せず、タイヤ交換を終えてチームメイトのペレスの後方13番手でコースに戻った。
全体的にオーダーに変化がないまま残り周回が少なくなっていく中、グロージャンがピットインしてマシンを降り、このレースで唯一のリタイアを喫した。
ルノー勢とライコネンが接近戦を繰り広げたレース終盤、アルボンがボラードを弾き飛ばしてしまい、黄旗から一時的にバーチャルセーフティカーが発令されたが、コースマーシャルが回収してすぐに解除されている。
再びコース上にグリーンライトが灯った後、ベッテルがピットに戻ってソフトタイヤに交換。6番手のサインツに対するリードが十分にあったため、ファステストラップを狙いにいった。
その後方ではトラブルを抱えたノリスにリカルド、ライコネン、ヒュルケンベルグの3人が追いつく。必死にマシンを操っていたノリスだったが、一瞬リアがふらついた瞬間にリカルドが仕掛け、なんとか防御しようとしたものの、コースを飛び出してしまう。ただ、リカルドもバランスを崩してしまい、スキを突いてライコネンが前に出た。ストレートでコース外を走りながらライコネンを抜き返したリカルドだったが、この行為が問題視され、スチュワードの審議を受けることになった。
レースはファイナルラップで自己ベストタイムを刻んだハミルトンが優勝し、ボッタスが2位、終盤に猛チャージをかけたルクレールがボッタスに0.929秒差でゴールし、3位表彰台に上っている。
4位にフェルスタッペン、ソフトタイヤを履いてファステストラップを狙ったベッテルはハミルトンのタイムを0.024秒上回って目標を達成した上で5位入賞。サインツが6位フィニッシュを遂げ、リカルド、ライコネン、ヒュルケンベルグ、ノリスの順でチェッカーフラッグを受けたが、リカルドはノリスとライコネンとのインシデントでレース後に2つの5秒ペナルティが科され、結果、ライコネンが7位、ヒュルケンベルグ、ノリスに加えてガスリーが10位入賞で1点を手に入れている。リカルドの最終結果は11位だ。
トロ・ロッソの2台はクビアトが14位、アルボンが15位でゴールした。
次戦はレッドブル・ホンダのホームリンクであるレッドブルリンクでのオーストリアGP。
今以上の結果を残して欲しいですね!
ライバルを引き離して圧倒的な速さを示すメルセデスがフロントローを独占した予選はトップタイムを刻んだハミルトンに次いでボッタスが2番手となり、2列目にはフェラーリのルクレールとレッドブルのフェルスタッペンが並んだ。予選トップ10に入ったドライバーのうち8名はQ2をミディアムタイヤで切り抜けている。ピレリがC2からC4のドライタイヤを用意したフランスGPは決勝レースでミディアムもしくはハードのいずれか1セットを使用しなければならない。
グリッドペナルティを受けたドライバーは2人。共にエンジンペナルティで、Hondaのスペック3パワーユニットを投入したトロ・ロッソのクビアトと、土曜フリー走行で電気系のトラブルに見舞われたウィリアムズのラッセルだ。
全長5.842kmのポール・リカール・サーキットは週末を通して快晴に恵まれ、53周にわたって争われた決勝レースは気温26.6℃、路面温度54.5℃、湿度40.8%のドライコンディションでフォーメーションラップが始まる。タイヤ選択が自由な予選11番手以下のドライバーはミディアムもしくはハードのタイヤを選んでおり、スタートでソフトタイヤを履いていたのはトップ10スタートのガスリー(レッドブル)とジョビナッツィ(アルファロメオ・レーシング)だけだった。
オープニングラップは好発進を決めたハミルトンが先頭でターン1を通過し、ボッタスも2番手をキープする中、マクラーレン勢がポジションアップを狙って果敢に攻めるも、2周目に入った時点で上位7台のうちポジションに変化があったのはサインツが同じマクラーレンをドライブするノリスをかわして5番手に上がったのみ。
大きな混乱なく始まったレースで大きくポジションを落としてしまったのがトロ・ロッソのアルボンだ。11番グリッドに並んだものの、スタート直後に後退して16番手まで下がっている。
予選7番手に沈んだフェラーリのベッテルは6周目にノリスをオーバーテイクした後、さらに次のラップでもう1台のマクラーレンも追い抜いて5番手に浮上。前の4台とは8秒以上のギャップが開いていたが、タイヤをケアしながらチャージをかけて巻き返しを図った。
ミディアムでのスタートが最適と言われるポール・リカールの第1スティントにソフトを履いたジョビナッツィは8周目にハードタイヤに切り替えたものの、同じコンパウンドだったガスリーはさらに10周長くコースにとどまっている。8番手につけていたガスリーとコース上でポジションを争っていたルノーのリカルドが直前のラップでタイヤを交換したことから、レッドブルとガスリーがそれに対応した格好だ。
さらに上位勢のピットストップが続き、マクラーレンはノリス、サインツの順でピットに呼び入れ、それぞれミディアムからハードに履き替えている。翌周にはフェルスタッペンが動き、レッドブルと逆の動きを指示していたフェラーリはベッテルのピットストップを見送って「できるだけ長くステイアウト」する戦略を採用した。3番手を走っていたルクレールが先にタイヤ交換を済ませ、フェルスタッペンに5秒以上のリードを築いた状態で第2スティントをスタートさせている。
1分34秒台の好ペースを刻むハミルトンの一方で、1分36秒台までペースが落ちていたボッタスは24周目に入るタイミングでハードタイヤに交換。ハミルトンのペースは悪くなかったものの、メルセデスは次のラップにはハミルトンのピットストップも完了した。その直後にはフェラーリがベッテルをピットに呼び入れ、ミディアムからハードのタイヤセットを履かせてコースに送り出している。ベッテルはフェルスタッペンのオーバーカットを狙ったものの、レッドブルから4.4秒後方の5番手でコース復帰した。
タイヤを交換した後もボッタスのペースがなかなか上がってこなかったものの、数ラップを経て1分34秒台に入れると以降は速さをキープして、一時は3秒強の位置まで接近していたルクレールを再び引き離し始める。
6番手からライコネン(アルファロメオ・レーシング)がピットに向かったのは32周目。コンマ数秒差でポジションを争っていたルノーのヒュルケンベルグは前が開けた瞬間にペースを上げて逆転を狙ったものの、3周後にピットストップを終えてコースに戻ったときにはギャップが少し開いてしまっていた。ライコネンとヒュルケンベルグはいずれもハードタイヤでスタートしており、第2スティントはミディアムタイヤを履いている。
最長の第1スティントを取ったのはレーシング・ポイントのストロール。ハードからミディアムに履き替えたのは先頭のハミルトンが41周目に入ってからだ。6番手を走っていたストロールは終盤の波乱の可能性を踏まえて長くステイアウトしていたが、セーフティカーが入るようなアクシデントは発生せず、タイヤ交換を終えてチームメイトのペレスの後方13番手でコースに戻った。
全体的にオーダーに変化がないまま残り周回が少なくなっていく中、グロージャンがピットインしてマシンを降り、このレースで唯一のリタイアを喫した。
ルノー勢とライコネンが接近戦を繰り広げたレース終盤、アルボンがボラードを弾き飛ばしてしまい、黄旗から一時的にバーチャルセーフティカーが発令されたが、コースマーシャルが回収してすぐに解除されている。
再びコース上にグリーンライトが灯った後、ベッテルがピットに戻ってソフトタイヤに交換。6番手のサインツに対するリードが十分にあったため、ファステストラップを狙いにいった。
その後方ではトラブルを抱えたノリスにリカルド、ライコネン、ヒュルケンベルグの3人が追いつく。必死にマシンを操っていたノリスだったが、一瞬リアがふらついた瞬間にリカルドが仕掛け、なんとか防御しようとしたものの、コースを飛び出してしまう。ただ、リカルドもバランスを崩してしまい、スキを突いてライコネンが前に出た。ストレートでコース外を走りながらライコネンを抜き返したリカルドだったが、この行為が問題視され、スチュワードの審議を受けることになった。
レースはファイナルラップで自己ベストタイムを刻んだハミルトンが優勝し、ボッタスが2位、終盤に猛チャージをかけたルクレールがボッタスに0.929秒差でゴールし、3位表彰台に上っている。
4位にフェルスタッペン、ソフトタイヤを履いてファステストラップを狙ったベッテルはハミルトンのタイムを0.024秒上回って目標を達成した上で5位入賞。サインツが6位フィニッシュを遂げ、リカルド、ライコネン、ヒュルケンベルグ、ノリスの順でチェッカーフラッグを受けたが、リカルドはノリスとライコネンとのインシデントでレース後に2つの5秒ペナルティが科され、結果、ライコネンが7位、ヒュルケンベルグ、ノリスに加えてガスリーが10位入賞で1点を手に入れている。リカルドの最終結果は11位だ。
トロ・ロッソの2台はクビアトが14位、アルボンが15位でゴールした。
次戦はレッドブル・ホンダのホームリンクであるレッドブルリンクでのオーストリアGP。
今以上の結果を残して欲しいですね!