全トヨタ労働組合(ATU)

トヨタ自動車および関連企業で働く労働者の企業横断型労働組合です。一人でも加入できます。

弁護団声明

2007年12月03日 10時37分07秒 | Weblog
弁護団声明を紹介します。

弁 護 団 声 明
2007年11月30日
トヨタ過労死・内野事件弁護団

 本日、名古屋地方裁判所は、トヨタ自動車堤工場車体部品品質物流課ライン外EXであった内野健一さん(以下被災者という)が、平成14年2月9日、二直勤務残業中に工場で倒れ心停止により死亡した件について、豊田労働基準監督署長が業務外とした決定に関し、この業務外の処分を取り消す旨の判決を言い渡した。
 この判決は、豊田労働基準監督署長が、被災者の直前1か月の労働について被災者は工場にいたものの雑談などをしていたため工場にいた労働時間が全て時間外労働にあたるものではないとし、45時間35分しか認めなかった判断を不当とし、被災者が工場内に残って雑談をしていたという主張を完全に斥け、原告の申請に従い106時間45分と認定した。この判断は極めて正当なものであり、本件においては本来、豊田労働基準監督署長の判断として示されていなければならないものである。
 また、判決では被災者・内野健一が従事していた業務の労働の質についても、「業務の性質上、健一に比較的強い精神的ストレスをもたらしたというべき」と認め、被災当日(日付上は前日)のトラブルによるストレスについては、「相当程度に強いストレス」として評価・判断した。加えて、深夜勤務を含む二交代勤務のストレスについても、「慢性疲労につながるものとして、業務の過重性の要員として考慮するのが相当である」と判断している。
 さらに、判決においては、トヨタ自動車において残業代支払いの対象となっていない、創意工夫提案活動の作成・とりまとめ作業、EX(エキスパート)活動の役員としての作業についても、労災認定における業務負荷の判断にあたっては業務性を認め、業務負荷として考慮すべきことを明言した。この点は、営業利益2兆円を誇るトヨタ自動車の利益を支える「カイゼン活動」や小集団活動が、現在、同社において無償労働として扱われていることに対し、厳しく糾弾したものである。
 当弁護団は、厚生労働省、愛知労働局、豊田労働基準監督署長が、本件判断を真摯に受け止め、控訴しないように強く求めると共に、今後の過労死事件における労働時間の認定の在り方および被災者の所属企業に対する調査の行い方について、遺族援護という労働者災害補償保険法の主旨に則った調査・認定を行うことを要請するものである。
以上

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お願い

2007年12月03日 06時07分38秒 | Weblog
トヨタ自動車内野健一さんの過労死認定を支援する会とご遺族への支援ありがとうございます。全トヨタ労働組合としてもお願いがあります。
 11月30日の名古屋地裁の判決では、労働基準監督署や労働基準監督局が認めなかった時間外労働も認め、死亡原因は過労として、豊田労働基準監督署の遺族補償年金の不支給決定を取り消すよう求めた、請求を認め、不支給決定を取り消しました。
 これは「強制された自発性」のトヨタシステムを断罪する画期的なものです。しかし、労基署・局はトヨタ資本には気兼ねをしても、この判決をはいそうですと簡単に受け入れるほど私たちには寛容には思えません。多くの働く仲間の大きな声が必要です。今すぐ、関係者にあなたの個人のそして団体からの、「控訴をするな」のFAXをおくって下さい。
それがこの裁判闘争の勝利を確かなものにします。
完全勝利することは、ご遺族のみならず、トヨタシステムのもとでひどい労働を強いられている働く仲間、ひいては過労死裁判を闘う仲間をはじめ、多くの働く仲間への限りない励ましとなります。

以下要請文のモデルです。


要 請 書

厚生労働大臣 舛添要一 様(FAX:03-3502-6488)
厚生労働省労働基準局労災補償部労災管理課 御中(FAX:03-3502-6747
愛知労働局長 尾澤 英夫 様(FAX:052-972-6268)
豊田労働基準監督署長 御中(FAX:0565-35-2341)


要請の趣旨

 2007年11月30日に名古屋地方裁判所が言い渡した、豊田労働基準監督署長が平成15年11月28日に行った業務外決定を取り消す旨の判決(名古屋地方裁判所平成17年行ウ第34号)に対し、控訴しないでください。

要請の理由
2007年11月30日、名古屋地方裁判所は、トヨタ自動車・堤工場で勤務していた内野健一さん(当時30歳)が、2002年(平成14年)2月9日午前4時20分頃、業務引継をしていた残業時間中、上司の横で致死性不整脈を発症して倒れ搬送先の病院で死亡した件について、豊田労働基準監督署長が業務外とした決定を取消し、被災者・内野健一さんの死亡は業務上であると認める判決を言い渡しました。
 この判決は、被災者・内野健一さんが担当していた様々な業務による長時間労働や自宅への持ち帰り残業、被災当日の不具合車がライン上を流れるトラブルへの対応による精神的負荷、車を作る以外の創意工夫提案活動・QCサークル活動等、トヨタ自動車の賃金が付かない仕事の業務性などを認めました。その上で、深夜二交代勤務による蓄積疲労をも認め、健一さんは過重な業務の結果、致死性不整脈を発症して死亡に至ったことを明確に認めた判決です。
 本件は、被災者・内野健一さんが亡くなってから、すでに5年10ヶ月もの歳月が経過しています。この間、遺族である博子さんは、労災認定されなかったため、訴訟において長期間の裁判闘争を余儀なくされました。そして、やっと原告・内野博子さんの主張の正しさが認められ、豊田労働基準監督署長の業務外の決定が誤りであったと判断されたものです。
 国(厚生労働省)は、これ以上遺族を苦しめることなく、名古屋地方裁判所の判決を真摯に受けとめ控訴しないよう、強く要請します。

<私の一言>



2007年  月  日

住所:                                



氏名:              

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