トヨタ自動車は先の臨時大会でパートの組織化を提案して実際に始めました。しかし、期間工1万人の組織化は本当に可能なのかという声はよく聞こえます。たとえば、彼らを「ユニオンショップ」で雇用するのでしょうか?半年の雇用期間の人たちのためにトヨタ労組は頑張ってくれるのでしょうか?そうなれば、これはすごいことなのです。
以下産経新聞サイトからの転載です。
トヨタ労組 パート110人組合員に 期間従業員、1万人加入問題
労働組合の組織率が長期間低落傾向を示す中、トヨタ自動車労働組合は今月1日からパート従業員を組合員にするなどの新たな試みを始めた。今回、組合に加入したパート従業員は、トヨタ経営の「トヨタ記念病院」で働く看護師約110人。メーカーの企業組合がパート従業員を組合員にするのは極めて珍しいという。今後は、雇用期間が最長3年の期間従業員の組合加入問題が大きな課題だ。(名古屋特派員 茂谷知己)
「組合に入っていいことがあるの」
今回、組合員になった看護師らの中には、組合加入を疑問視する意見も根強かった。これに対して、組合側は、「不当な解雇があれば組合が守る、組合の厚生施設などが使えるようになる」などと話し、納得してもらったという。
今回、組合員になったのは、記念病院でパートで働く看護師がほとんど。パート従業員の組合員化は、数年前からトヨタ労組の懸案だった。同じトヨタで働きながら、なぜ一体になれないのかという疑問から、組合加入を働きかけ、この1年は会社との折衝を進めてきた。ようやく会社も認め、組合加入が実現した。
ただ、組合員5万8000人のうちの110人はごくわずか。トヨタには、およそ1万人の期間従業員が働いているが、この人たちをどうするかが新たな課題だ。問題は、パート従業員は、雇用期間が長く、ほとんど組合員の労働と変わらないが、期間従業員は最長でも雇用期間が3年ということだ。組合では、組合員にするのが難しい場合は「職場で働く仲間なので、彼らの意見や要望を組み入れることができる何らかの方法を考えたい」(同労組の弘岡建史企画広報局長)としている。
一方、同労組は、組合加入促進に向けて国際化にも取り組んでいる。トヨタには世界約50カ所に工場や研究所などがあるが、組合があるところもないところもある。
以下産経新聞サイトより
しかし、その実態についてトヨタ労組はまったく把握してこなかった。国際化については、上部団体で、トヨタグループの企業労組を統轄する全トヨタ労働組合連合会がこのほど開いた定期大会で「段階的に各拠点とのつながりを深める」ことを運動方針に盛り込んだ。将来の連携強化で、海外拠点における労組組織化率のアップも課題として挙がってきそうだ。
また、地域活動も課題だ。社会貢献とともに、組合員が定年後、地域とどうつきあっていいかわからないとの相談がある。組合では、地域の実情に応じたきめの細かな活動の在り方を模索中だ。
(産経新聞) - 9月27日8時0分更新
以上
また、差別や格差も前提としています。雇用形態での格差、各国の格差などなど。だから、非正規の労働者を企業内組合が組織するのは、本当の意味での格差の是正をめざすのなら、これはトヨタシステムの否定につながります。だから、広告塔以上の意味はないわけで、本当の意味で格差是正のためにトヨタ労組がガンバルウとしたら、これは大変なことになるのです。 だから先の大会で提案した非正規の組織化は病院関係の看護師がメインであり、1万人の期間工は提案だけにおわりました。これは仮に組織化したとしても矛盾を抱えていくことになります。