キャラバン サライ

夢は大空へ、努力は足元で、世界に目を向けながら足元から子供たちを見直していきたいと思っています。

経済ってそういうことだったのか会議

2012年01月11日 | Weblog
『経済ってそういうことだったのか会議』を読んだ。
元経済財政担当大臣の竹中平蔵と、ピタゴラスイッチやポリンキーのCMを作った佐藤雅彦が税や貨幣、アメリカやアジアなどの切り口から経済を対談形式でわかりやすく、面白く解説する。

これを読んで、経済学部って4年間こういうことを教えてくれるのか、面白いな。
もしそうなら、そしてこういうことをもっとよく理解しているなら、ものの考え方や世界のとらえ方が違って見えているんだろうな。
そんな風に思った。

大学生くらいまでは、「経済」という言葉でイメージするのは、なんだかとても狭い世界だった。
ある会社がどれだけ利益を上げたとか、ある業界が不景気だとか、そんなニュースは人の生き死にや世界の情勢に比べてなんだかとてもちっぽけで、俗物的で、どうでもいいことのように思えていた。
それを学ぶ経済学も、宇宙の真理を追究する物理学や、それを応用して現実の世界に生かす工学に対して、どうもそういった真理や浪漫とは少しずれた場所にある学問のように思っていた。漠然と。

でも、本書によると、エコノミクス(経済学)の語源は「共同体のあり方」なのだそうだ。
「共同体のあり方」、まさに人間社会がどうあるべきかという、人間の壮大なテーマではないか!
物理学や工学がなくたって、この学問さえ発展すればみんな幸せになれるんじゃないか。
それほどまでに、大きな学問だったとは。

なんだか、新聞の社会面でその日その日に起こった事件を追っていくよりも、経済面で経済の流れを掴んでいた方が、世界を俯瞰でき、これからを考えられるんじゃないかという気になる。
極端だが。


本書の中で特に興味深かったのが、税についての議論だった。

よい税の三原則というものがある。
それは、簡素、中立、公平、であるそうだ。
そして、その三つを満たしている究極の税が、一人ひとりに同じ額の税をかける人頭税。
竹中平蔵は、最後までこの人頭税を推していた。
ただこの人頭税は、裕福な人からはたくさん税を取るべきだという、一般的に民衆から人気の高い考えから、イギリスのサッチャーですら実現できなかったという幻の税なのだそうだ。

まあ、人頭税は極端だとしても、今の日本のような複雑すぎる税の体系を少しでもシンプルにしないと、という議論には賛成。
なんてったって、国の根幹をなす政策なのだから。



あと、投資をするというのは人間の本能からくるものだという。
これを「アニマルスピリッツ」といって、つまり面白そうだと思うことに対して、「よし、やってやろう」と思う気持ちなんだそうだ。

「よし、やってやろう」という気持ち、僕の好きな感覚で、それが人間の「アニマルスピリッツ」であるということは、なんだかうれしい。


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