アブリル - どこにでもあり、どこにもない

岡崎平野を中心とする 植物 と カメラの対話

おはよー! ツユクサ!

2021-07-26 08:41:58 | みんなの花図鑑

ツユクサは、日本全土の畑や道ばたに生えるツユクサ科ツユクサ属の1年草です。




朝咲いた花は 昼には萎れてしまうので、朝露を連想してツユクサ(露草)と名付けられたという説には納得できます。
露のようにはかない、と。
(じつは 引っこ抜いて踏みつけても踏みつけても ゾンビのように立ち上がってくる一面ももってるそうですが)





「自生地は日本全土を含む東アジアで」(ウィキペディア)前回の スベリヒユ ほど元々の分布は広くはなかったようです。




下から見上げてます。つまり、こちらが 這いつくばっているのであります "(-""-)"
花びら(内花被片)は3枚。上の2枚が大きく水色(ツユクサ色?)をしています。残りの一枚は下側にあり白く小さいです。




この東アジアに分布するツユクサの 雄しべは 独特で、一つの花に3種類のタイプのおしべを付けています。
一番上に黄色いX字型の雄しべが3個。
途中にやや大きい逆Y字型お雄しべが1個。
一番下(白い無い花被片の近く)に O型と言われる大きめの雄しべが2個。
めしべは 上の画像では見えませんが、O型おしべと同じ長さの位置に 1個あります。





花を包んでいる大きな葉を「」といいます。
タンポポなど沢山の小花からできている頭花の下でそれを支えている緑色の部分も苞の一種ですが、たくさんの小花を「まとめて包んでいる」のでとくに 総苞 と呼んで区別してます。
ツユクサのばあいも、苞の中には 2~3個の花が入っているので 単に苞ではなく 総苞 と呼んだほうが良いのかもしれません。



おはよー! スベリヒユ!

2021-07-25 10:10:09 | みんなの花図鑑

おはよー! スベリヒユ! (朝のゴミステーションにて)

これを インドネシア語で言うとしたら
 Pagi! krokot !
 パギッ! クロコット!
なのかな?



なぜインドネシア語かというと、私は遠い昔 インドネシアでスベリヒユを見たことを思い出したからです。
「世界の熱帯から温帯にかけて幅広く分布」(ウィキペディア)




農業においては畑作の害草として知られ、全般的に執拗な雑草として嫌われる傾向にあるが、地域によっては食料として畑作もされる。(同上)




スベリヒユ属 Portulaca(ポーチュラカ)
スベリヒユ Portulaca oleracea
種小名の oleracea は 「食用蔬菜の, 畑に栽培の」という意味なのだ!

「夜間に気孔を開いて二酸化炭素を吸収・貯蔵しておき、昼間は気孔を開かずに光合成する植物(CAM植物)です。」(geocities.jp/kamiwadabird/list_plant.html)





上の画像をトリミング
「雄しべは10個前後で葯は黄色、雌しべは1個で柱頭は5裂します。」

これは セイヨウダイコンソウ ですか?

2021-07-24 21:01:17 | みんなの花図鑑

こんな果実をつけた草が生えていました。
場所は 岡崎市の山林の中を抜ける道路わきの法面。




どこかで見たことがあるような果実ですけど、ぜんぜん名前が思い当たりません。

家に帰ってから、撮った写真をパソコンに出し、
だめもとで。。。と スマホの Google Lensを かざすと
ちゃんと 名前を言ってきます。

「セイヨウダイコンソウ」は初めて聞いた名前です。




一緒に咲いていた 花は こんな花なんですが

これも パソコン画面に出して、Google Lens で検索すると

やはり「セイヨウダイコンソウ」と言ってきます。




雄しべの葯が赤くて けっこうかわいいシベです。




さるお方のブログ記事によりますと
「いわゆるベニバナダイコンソウとか、
ゲウムの名で流通している園芸種のダイコンソウとは違い、
ハーブとして利用されている(ハーブ名:ハーブベネット)
ヨーロッパの自生ダイコンソウです。」
とのこと。




若い葉は マメ科の大豆やタンキリマメの葉に似ていますが、
ダイコンソウ属は なんと バラ科でした。
 


ヒャクニチソウ - キク亜科

2021-07-24 09:59:16 | みんなの花図鑑

私は和名「百日草」で覚えたのでこちらを使いますが、園芸では「ジニア(Zinnia)」とも呼ぶことが多いらしいですね。
どちらにしても、キク科キク亜科の花です。わざわざ「キク亜科」と分類するのはなぜかというと、
キク亜科の花は 舌状花(一枚の花弁が目立つ部分)と筒状花(中心のシベが目立つ部分)との2種類で構成されているんですよ。




キク亜科のほかには タンポポ亜科があり、この花序はすべて舌状花から構成されていて、乳管組織が発達するので 葉や茎をちぎると白い乳液が出るのはご存じのとおりです。
ともに、たくさんの小花から構成されています。
蕾のとき 花(花弁やシベ)を包んでいる器官を「萼」といいますが、キク科のばあい 萼に相当する器官は、たくさんの小花を「まとめて包んでいる」ので「総苞」といいます。
その上で一枚の花弁を大きく伸ばしているのが 個々の舌状花です。




さて、中心部の筒状花のほうですが、ヒャクニチソウでは昭和新山のように盛り上がっています。
筒状花の山は 山麓から開花していきます。
黄色く林立しているのがいま最盛期の花で、その向こうは 蕾、手前の溶岩のような部分はすでに花後で 花弁も枯れ落ち褐色の残滓になっています。




火山に似ている例として身近なところで昭和新山を出しましたが、私自身は ミャンマーの「タウン・カラッ(Taung Kalat)」という溶岩ドームを思い出します(▼)。

Ralf-André Lettau - Photo taken by Ralf-André Lettau,
Attribution, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=598535による

昭和新山とどうちがうかというと、ドームの頂上に 金ピカの お寺があることです (^^♪

正面からは見えませんが、溶岩ドームの裏手に急な階段があり、老若男女、裸足になって頂上まで上がっていくのです。ミャンマーの有名なお寺は このような山の頂にあることが多いのです。お参りするのはお年寄りが多いだろうに、これでは付き人が大変じゃ、と心配するのは私だけ?

ヒャクニチソウの筒状花はドームの上に金ぴかのシベが立っているのです。





筒状花は外側から1列ずつ、輪になって順次、開花していきます。
黄色く5つに割れて開いているのが花冠です。黄色の毛が密生しています。
手前(ふもとのほう)は すでに花が終わった状態です。

下図は ミクロの扉・埼玉大学教育学部金子研究室「ヒャクニチソウ」に挿入されている書籍よりの図版に 私が色付けしたものです。





スプーン咲き?

舌状花の花弁がクルっと巻いて筒になっています。




でも咲き方は同じです。
中心部の赤じそ色のワカメのようなもじゃもじゃは何でしょうか?
「筒状花の基部に1個ずつ、先が不規則に細く裂けた紅紫色の苞があり、筒状花が開花するまでは苞の先だけが見え、蕾は隠れて見えない。」(三河植物観察「ヒャクニチソウ」)




このスプーン咲きの筒状花部分はまだつぼみの状態ということが分かりました。
では、手前にちらほら Yの字型のめしべが立っていますが、これは何でしょう?

これは 舌状花の雌しべですね。
先ほどのイラストでも分かるように、舌状花は 大きな花弁一枚とめしべだけから出来ていて、雄しべは無かったのです。



ハルシャギク - キク亜科

2021-07-23 14:37:18 | みんなの花図鑑





ハルシャギクは キク科キク亜科ハルシャギク属(Coreopsis コレオプシス)の一年草。




学名: Coreopsis tinctoria (コレオプシス・ティンクトリア)
属名の「Coreopsis(コレオプシス)」は、ギリシア語の「coris(南京虫)」と「opsis(似ている)」を語源とし、タネの形が南京虫(トコジラミ)に似ていることにちなみます。(波斯菊(Coreopsis) - ハルシャギクの花言葉 - 花言葉-由来)




種小名の tinctoria ティンクトリア は
 tinctorius 染色用の, 染料の
 tinctus 染まった, 着色した, 湿った
に派生し、赤い蛇の目紋からつけられたようです。




ハルシャギクの「ハルシャ」は 「ペルシャ」(いまのイラン)のことですが、
北アメリカ西部原産で、なぜ「ペルシャ」の名が付いたのか よく分かっていません。
明治の初期に観賞用に導入され、その後 野生化した帰化植物です。




別名「蛇の目草(ジャノメソウ)」
ハルシャギク属(コレオプシス)の仲間には オオキンケイギク Coreopsis lanceolata、キンケイギク Coreopsis basalis、ホソバハルシャギク Coreopsis grandiflora、イトバハルシャギク Coreopsis verticillata などがありますが、蛇の目紋をつけるのは ハルシャギクだけです。

キバナコスモス - キク亜科

2021-07-22 19:42:37 | みんなの花図鑑

えっ、これがキバナコスモス?!
そうなんです、典型的なキバナコスモスとはちがいますが、
咲き始めは こんなヴィーナスみたいな時期があるんですねぇ




一般的な キバナコスモスといえば、こちらの感じでしょう
秋のコスモスの仲間で、学名は Cosmos sulphureus
sulphureus (スルフレウス)は 「硫黄色」の意味で花色に由来すると思われます。




その筒状花ですが、中心部に固まって塔のようにそそり立っています。




前回の ヒマワリの筒状花のような 「広く浅く」型の 正反対です。



とにかく 上へ上へと伸びているのが キバナコスモスの特徴のようです。
雌しべの柱頭も カールすることなく 上を向いたまま成熟しています。




最後に、もう一度、咲き始めの花の観賞です。





キクイモモドキ(2) と ヒマワリ

2021-07-22 13:04:04 | みんなの花図鑑

キクイモモドキは キクイモと似ています。
とくにつぼみが開きかけたときは キクイモモドキとキクイモの区別は不可能です。
それに、ある種の ルドベキアの開きかけもとてもよく似ていますね。




さて、開いた花は ヒマワリによく似た花になります。
左が キクイモモドキ、 右が ヒマワリの花となります。
こうして 並べてみると、花弁のような周囲の舌状花では区別できなく、中央の筒状花の集団が違うのが分かります。



キクイモモドキ

















よく見るカメムシ?が来ていました。




畑に植えてあったのですが、こんな筒状花の花もありました。




ヒマワリ

ヒマワリの筒状花は キクイモモドキ以上に 褐色です。場合によっては 焦げているように見えます。




でも、筒状花に近づいてみると、そっくりな構造をしていることが分かります。




5弁の花弁から 黒褐色のおしべ筒が立ち上がっています。雄しべ筒の内部には花粉が出ています。




右手の花弁の中から立ち上がった雄しべ筒(中央)の中を雌しべの花柱が貫いて出た先で柱頭を2つに開いて展開します(左手)。




この画像では 雄しべ筒の中の花粉を めしべの花柱が押し上げたばかりの姿が見えませんが・・・
めしべ棒は 雄しべ筒の花粉を虫たちにやってから、しばらくして 柱頭を開いて成熟します。




キクイモモドキ(1)

2021-07-21 20:10:01 | みんなの花図鑑

これは キク亜科の夏の植物です。キク亜科ですがヒマワリではありません。
キクイモか キクイモモドキのどちらかなのですが、私には花を見て区別が出来ません。
キクイモなら 芋が出来ます。キクイモモドキは芋が出来ません。
花壇に植えられているので、多分ですが、キクイモモドキでしょう。




キク亜科の頭状花序は 周縁部の花弁のような舌状花の集団と中央の褐色部分の筒状花の集団により構成されています。
筒状花は 外周から成熟していきます。




筒状花は 5枚の花弁がまず開きます。




花弁の中から 雄しべが伸びてきます。雄しべは合着して筒になっています(雄しべ筒)。
右手の 褐色の霜柱のようなのが 雄しべ筒です。




雄しべ筒の内壁には 花粉が出ています。




やがて めしべ棒が 雄しべ筒の中を貫通して、花粉を筒の外に押し上げます(左側部分)。




めしべ棒は花粉を押し上げた後、しばらくして先を羊の角のように曲げ、柱頭を成熟させます。
柱頭は 内側、貫通してくるとき付けてきた花粉はまだ 柱頭の外側に付いています。