アブリル - どこにでもあり、どこにもない

岡崎平野を中心とする 植物 と カメラの対話

樹に咲く花 (74) モクゲンジ

2021-07-06 17:00:00 | みんなの花図鑑
前期

モクゲンジという面白い名前の樹は ムクロジ科モクゲンジ属の落葉高木で、当地では 6月中旬ごろより黄色い花を咲かせます。
前期の写真は 6月15日に撮ったものです。




モクゲンジの名前の由来はムクロジの中国名である木患子を誤ってモクゲンジにあてたため、木患子の日本語読みであるモクゲンジになったと言われます。(横浜金沢「モクゲンジ (自然公園の花と樹)」)





木の高い枝でしか咲いていなかったため、コンデジのズームで撮りました。




モクゲンジの花は雌雄異花ということで、同じ株に 雄花と雌花(両性花かも)が咲きます。
右下の 鮮烈な赤色のフリル?が付いた花が雄花です。
一般には 雄花が少し先に咲きます。





後期 (7月4日撮影)

それから、梅雨の雨で観察に行けず、ようやく行ったら大部分は果実になっていました。
わずかに遅咲きの花がまだあったので、執拗に、カメラを向けました"(-""-)"
これは モクゲンジの葉と花を写したものです。
葉は奇数羽状複葉で、小葉のふちには不ぞろいな粗い鋸歯があります。




これは雄花を写したものです。
真っ赤な部分は 花弁が折れ曲がっている部分に出来た付属体です。これがモクゲンジの花の非常に目立つところです。

〔参考〕2018年の雄花




雄花は 花糸に毛を付けた たくさんの雄しべを伸ばし、褐色の葯を付けています。
雄花は花粉を放出すれば 落下します。




一枚だけですが、こちらが 雌花です。
雄花同様、花弁が折れて反転しています。雌花のばあいは、雄花ほど屈曲点に出来たこぶの色が赤くないようです。
中心から雌しべの花柱が伸びています。
雌しべの周囲に 褐色のツブツブがあります。雄しべです。
雄しべがあるから 両性花 と呼んだほうが良いかもしれませんが、雄しべは退化していて成熟しないため、これが機能しているとは考えにくく、両性花というより雌花と呼んだほうが良いと考えました。
(参考文献:続・樹の散歩道「モクゲンジの花
   この樹の花は両性花なのか雌雄同株なのか」)

〔参考〕2018年の雌花


雌花の横にあるのは 果実(袋果)です。




7月4日時点では、このように、雄花、雌花、果実が同居する状態はまれでした。





こんな風に、ほとんどは果実になっていました。





〔参考〕2018年の若い種子

〔参考〕2017年11月の種子







ルリマツリ、ハリマツリ - シベのある風景

2021-07-06 09:35:43 | みんなの花図鑑
植物の和名に「マツリ(茉莉)」がつくときは 花がジャスミン(茉莉花)に似ているためです。


ルリマツリ(プルンバーゴ)イソマツ科

ルリマツリ、別名プルンバーゴ(Plumbago)はイソマツ科という珍しい科の植物です。



「高坏状の5弁花をまり状に多数つける」



花の開き方を「折り畳み傘」と表現した人がいらっしゃいます。





さて、「シベのある風景」なんて副題しましたが、撮った画像を見ると、シベがうまく撮れてません(ToT)
ともかく、白っぽい糸状のシベは めしべの柱頭です。




やはり、写っているのは めしべの柱頭です。
「柱頭は5裂する」と書いてありますが・・・



3本太いのが出て、そのあと 2本の先が2裂して、(2) + (2) + 1 で 最終的に 5数ということか?




まぁ、花冠も5裂しているし、雄しべも5本ということなので、めしべも5裂しているのが順当ということでしょうか。
では、その 雄しべはどこに?




雌しべの下に見えるのが 雄しべのようです。
予想通り 5個ありますよね?





デュランタ(ハリマツリ)クマツヅラ科

デュランタ(Duranta)はクマツヅラ科の分類上は常緑樹。
(こちらは シベの観察はありませんm(_ _)m )




和名の「ハリマツリ(針茉莉)」ですが、「ハリ」は一部の品種にトゲがあるため、とのことです。
そして「マツリ」はもちろん 花がジャスミンに似ているから??・・・
う~ん、どこがどう似ているのか、ちょっとわからないですよねぇ
このデュランタは 花びらに白い縁取りが入る デュランタ・タカラヅカという品種なのでイメージしにくいです。


wiki に デュランタ・レペンスの画像があるので、貼り付けておきます。