アブリル - どこにでもあり、どこにもない

岡崎平野を中心とする 植物 と カメラの対話

ムクゲとフヨウ - どこが違う?

2021-07-12 18:03:37 | みんなの花図鑑
ムクゲとフヨウはアオイ科の花で、とてもよく似ています。
違いはどこにあるのでしょうか?


開花時期が違う

ムクゲは6月後半から開花が始まります。



それに対してフヨウは7月後半、主に8月から開花します。

でも、梅雨のころ咲いていたら、ムクゲのほうだろうと推測できますが、7月後半になったら、どちらも咲いているので、この区別法は使えません。




葉がちがう

ムクゲの葉の大きさは小さめで、形は鋸歯で切れ込みが入っています。


一方、フヨウは大きな葉で手のひらのような形をしています。

葉は花がないときでもついているので、葉による区別が一番わかりやすいかもしれません。




雌しべの向きで区別

めしべは 分かりますよね。アオイ科のシベは 雌雄一体となっていて、雄しべの花糸は合着して筒を作っています。めしべは その雄しべ筒の中を貫通して突き抜けたところで柱頭を展開します。
これは ムクゲのシベです。



こちらは フヨウのシベです。

2つ較べてみれば、違いが分かりますよね?
雄しべ筒からまっすぐ前に出て お饅頭みたいな柱頭を5つ出しているのがムクゲのほうで、
5つに裂けた(バラけた)柱頭を上向きにカーブしてつけているのが フヨウのほうです。



雄しべの花糸の出方で区別する

先っぽに花粉をつけたおしべは 筒からほぼ鉛直に全方位に出ています。これがムクゲ。


たいして、フヨウの雄しべは みなカーブして上を向いています。めしべと同じ態勢です。






雌しべと雄しべ筒の境界線の有無で区別

説明のため、これまでと順番を逆にして、フヨウのほうから説明します。
フヨウのほうは 雄しべ筒の終端と 中の雌しべの柱頭の区別が明瞭です。
このフヨウでは 雄しべ筒の終端がピンク色に染まっていて、その雄しべのいわば莢(さや)の中から めしべが出て来ているのが視認できます。


いっぽう、ムクゲのほうは 雄しべ筒と めしべの花柱が同じ色をしていて しかも雌しべの柱頭が大きいので、めしべとおしべの境界が不明瞭です。




ウォーターカンナ - 水生、帰化植物

2021-07-12 08:45:55 | みんなの花図鑑

クズウコン科の水生植物(常緑多年草)。撮影場所は 安城デンパーク。




名前は 水際に生え、葉っぱがカンナに似ているから。
これは2016年、みん花時代、「鯉の池」(*)で撮ったはじめてのウォーターカンナではないかと思います。

 (*) 鯉の池 鯉の池とは 私が勝手につけた場所の名前です。
今は昔、稲を植えた水田に 鯉を放ち 鯉を育てる
とともに、水田の草取りを鯉にやってもらっていました。
鯉はイネの害虫を食べてくれ、また泥をかき回すので雑草の発生が抑えられたそうです。
農薬を使わなかった時代のお話です。
水田から水を乾すとき 鯉を捕まえ、一部は 食べ、残りの鯉は このような池に放ち、越冬させていました。
長野県佐久地方が有名です。






上は 2017年9月、同じく鯉の池で撮ったものです。
このように 花は 莢の中から生まれてきます。



原産は「北米、熱帯アフリカ。」



「昭和初期に渡来した外来種の帰化植物です。日本での分布は関東以西ですが、耐寒性はあります。」




帰化植物ですが、ミズカンナは水質浄化の役割を果たすようで、その目的も兼ねて池に植えられることがあるようです。



科はちがいますが、ジュズダマのような実をつけます。




ところで、ジュズダマは イネ科の植物です。イネ科の特徴は 茎が丸く中空なことです。



名前のカンナ(Canna)も中空から来ていると言われてますが、
このウォーターカンナは どうなんでしょう?
ネット検索では 分かりませんでした。