アブリル - どこにでもあり、どこにもない

岡崎平野を中心とする 植物 と カメラの対話

オオハンゴウソウ?‐ 駆除のお願い!

2021-07-04 16:20:00 | みんなの花図鑑

西尾市憩の農園で私の背丈と同じくらいの背のこんな花が売られてました。





スマホの Google Lensアプリで検索したところ・・・


(▲クリックで拡大)
第1候補に「オオハンゴウソウ」を挙げてきます!

オオハンゴンソウといったら、オオキンケイギクに並ぶ特定外来生物です。

日本の生態系に重大な影響を及ぼす恐れがある植物として,外来生物法により「特定外来生物」に指定され,栽培,運搬,販売,野外への放出などが禁止されています。(盛岡市 「オオハンゴンソウ,オオキンケイギクの駆除のお願いについて」)

園芸コーナーに置かれている、ということは・・・
これは オオハンゴンソウではないのでしょうか (´v_v`)



オオハンゴンソウではないとしても、これはたぶん「オオハンゴンソウ属=ルドベキア Rudbeckia」のように見えます。

日本語の「オオハンゴンソウ属」の記事には
 オオハンゴンソウ Rudbeckia laciniata は
 明治中期に観賞用に導入され、
 日本に自生するハンゴンソウ に
 葉の様子が似ていて、背丈が
 大きいことから命名された。
とあります。
そして Rudbeckia laciniata の英文wiki には つぎのような私が見たのとそっくりな絵があります ▼

そして・・・
Rudbeckia laciniata
CUTLEAF CONEFLOWER は 通販(英文)で やはり売られているのです "(-""-)"




さて、名前はともかくルドベキア属(オオハンゴンソウ属)のこの花、キク亜科のシベの観察にはシベが大きいのでもってこいです (^^ゞ




キク亜科の花のおさらいですが、(ちょっとだけ見えている)手前の花弁のようなのが 舌状花という小花の集団です。
真正面の花筒の中から褐色の莢(さや)が伸び、その上に 黄色い毛のついた器官を出しているのが 筒状花の集団です。
バックの丘は その筒状花のつぼみの山です。



筒状花は山の外延部(麓)のほうから上に向かって咲いていきます。
つぼみの花筒の先が5つの割れ、中から褐色の莢(さや)状の器官が伸び、さらにその中から雌しべが出てきます。



めしべは上に伸びるとYの字型に 柱頭を開きます。



成熟した雌しべの柱頭はY字型の内側で花粉を捕えようとします。



サルビア・ファリナセア - シソ科

2021-07-04 10:44:33 | みんなの花図鑑
サルビア・ファリナセア

最初、ラベンダーかと思いました。
セイヨウニンジンボクのような青紫色の花が林立?する 涼しげな風景!
別名「ブルーサルビア」



「属名の Salvia はラテン語の「salvare(治療)」からきている。薬用になるものが多いことから名づけられた。」
(みんなの花図鑑)



「種小名の farinacea は「粉質の」という意味」(同上)



なお、ラベンダーに似ているサルビアの仲間に その名も「ラベンダーセージ」という品種があるそうです。
ラベンダーセージは サルビア・ロンギスピカータ(S. longispicata)とブルーサルビア(S.farinacea)の自然交雑種と言われています。





ロシアンセージ ‘リトルスパイヤー’

園芸コーナーで 上の ラベンダーのようなブルーサルビアの横に置いてありました。
学名:Perovskia atriplicifolia 'Little Spire'

英語の「セージ」は サルビア属のこと・・・ですが・・・
このロシアンセージはセージという名前が付いているけど、サルビア属ではないそうです。同じシソ科の ペロフスキア属です。




また、ロシアという名前が付いていますがロシアには自生してなくて、自生地は南西アジアからチベットの草原地帯です。(園芸植物・育て方と花の写真「ロシアンセージ」より)



セージという名前が付いたのは、おそらく、草姿や花がなんとなく宿根サルビアのラベンダーセージなどに似ているところからだと思われます。(同上)



サルビア・ガラニチカ - シソ科のシベ

2021-07-04 09:28:17 | みんなの花図鑑
(コメントを付け加えました 7月4日)

サルビア・ガラニチカ(Salvia guaranitica)は シソ科サルビア属の植物。
サルビア属の花は シソ科の植物に多く見られる唇形花です。
唇形花とは 筒状に合着した花弁の先が上下2つに分かれている花のこと。
この様子をくちびるに見立て、上部を上唇、下部を下唇と呼びます。



サルビア・ガラニチカのシベは 蛇の舌みたい!



「属名の Salvia はラテン語の「salvare(治療)」からきている。薬用になるものが多いことから名づけられた。」
(みんなの花図鑑)
よくサルビア属をアキギリ属と表記する記事があり、別の属があるかのように錯覚しますが 同じ Salvia属 です。
サルビア属は 世界に約900~1100種が分布する巨大な植物群です。
ガラニチカは 南米からやってきた。




上唇からペロッと出ている2本は めしべの柱頭です。



めしべの花柱は1本ですが 2裂した柱頭を持ちます。
雌しべの成熟期(雌性期)では、雌しべが長く伸びて花弁から突出し、媒介者によって別の花から運ばれてきた花粉を効率的に受け取れる形になります。



サルビア属の植物は通常、雄性先熟で、先に雄しべが成熟して花粉を出し、その後、雌しべが成熟します。


後期 雌性期のシベ(ガーデニングの図鑑「サルビアの仲間」より借用)




一枚目の画像をトリミングしたものです(雄しべが写ってるのは この一枚だけでした(ToT))


前期 おしべ活動期 (ガーデニングの図鑑「サルビアの仲間」より借用)

シソ科の多くの植物は4個の雄しべを持ちますが、サルビア属は内2個が退化しています。
サルビア属の雄しべは、2つの半葯を繋ぐ葯隔(ヤクカク)の部分が上下(または前後)に長く伸びており、それを花糸が支える構造になっています。
これはサルビア属の植物に見られる特徴的なレバー構造で、蜜を採りにきたチョウやハチなどの媒介者が片方の半葯を押すと、もう片方の半葯が動き、媒介者に花粉が付く仕組みとなっています。