アブリル - どこにでもあり、どこにもない

岡崎平野を中心とする 植物 と カメラの対話

イチビ、キリアサ、アブチロン

2021-07-28 21:00:00 | みんなの花図鑑

これはイチビという雑草の若い果実です。
インド原産の植物で、葉から繊維を取るために、平安時代中国経由で渡来していたといわれています。





アオイ科の植物で、こんな花を咲かせます。(2019-9月撮影)
gooブログの前身「みんなの花図鑑」では 「イチビ」はNGワードでした (ToT) 。
しかたがないから、別名の「キリアサ」を使ったものです。
学名を Abutilon avicennae といいます。
アオイ科イチビ属は Abutilon(アブチロン)だったのです。




アオイ科のアブチロン(イチビ属)といえば、こんなアブチロンもあります。
 花の名前: アブチロン・ヒブリドゥム
 撮影日: 2017/01/04
 撮影場所: 豊田市 鞍ヶ池植物園




ところで、「イチビ」の名前の由来は何でしょう?
これは アオイ科の花全般に言えることなのですが、花はおおむね一日花で夕方にはしぼんでしまいます。
その一日花から「1日=いちび」になったらしいという説があります。




果実は半球形で、11~16の分果が環状に並んでおり、熟すると縦に裂ける。(wiki「イチビ」)





腎臓型の種子は茶色で、毛が密生する。種の皮は硬いため20年近くにわたって発芽能力を保持する。(同上)




(1月の果実)
「そのため、一度地面に落ちると何十年にも亘って発芽し続ける(シードバンク)。」(同上)




アメリカノウゼンカズラ - 袋咲き?

2021-07-28 15:56:34 | みんなの花図鑑

よく見るアメリカノウゼンカズラですが、ちょっと変わった咲き方をしています。
えっ、どこ? どこ?




トランペットのホーンの先端を塞ぐミュートのように、花筒が袋(バルーン)になってますよね?




今は昔、このgooブログが「みんなの花図鑑」の時代、キキョウをアップしようとして花の名前一覧から 「キキョウ」を選択すると、必ず 「キキョウ(バルーンフラワー)」となりました。そうです、キキョウは花の時代を花弁を開かずに袋のまま終わる種類があるんですね。




もともとつぼみの時代には、花筒の先の花びらを丁寧にたたんで細長い風船のように膨らんでいます。
それが花弁が開いてもまだ 一枚の膜が口をふさいでいるのです。




さて、こちらは 口が開いたアメリカノウゼンカズラです。
花の奥にシベが見えます。




2つのへらを合わせたようなのが 雌しべの柱頭です。




その横に 1対のおしべが 向かい合ってアーチを作っています。
おしべは もう1対あり、それはもっと短いのでここでは写っていません。
(じつは、さらに 5番目のおしべ もあるのですが)





花は終わると 花弁とおしべが丸ごと スポッと抜け落ちます。
受粉した子房は マメ科の大豆のような豆をつくるそうですが、私はまだ実物を見ていません。

そういえば、アメリカノウゼンカズラの萼も色は 花弁と同じ色ですね。
ノウゼンカズラのほうは 別の緑色で 花弁との境目がはっきりしています。