アブリル - どこにでもあり、どこにもない

岡崎平野を中心とする 植物 と カメラの対話

リアトリス - アザミ亜科のシベ

2021-07-01 17:36:32 | みんなの花図鑑

畑に咲いているこの花をスマホの Google Lensアプリで検索すると・・・


まず「ユリアザミ属」と出ます。▼


さらに続けてみていくと・・・

類似画像として、この赤紫色の花の画像を「Liatris spicata」として表示します。

リアトリス(Liatris)というのは属の名前(ユリアザミ属)だったのです。





リアトリスは、北アメリカに約35種が分布するキク科ユリアザミ属(リアトリス属)の多年草です。
その中で観賞用として栽培されるのは、アメリカ東部を中心に分布する、リアトリス・スピカタ種(Liatris spicata)とリアトリス・スカリオサ種(L. scariosa)、リアトリス・リグリスティリス種(L. lighlistylisu)の3種リアトリスで、それぞれの園芸品種の他、交配種も数多く流通しています。(ガーデニングの図鑑「リアトリスの育て方」)




さてこの花、キク科の花だったのです。
キク科といっても、午前中に観察したヒマワリとはちょっと党派が違います(^^ゞ
ヒマワリは 花弁のような舌状花と中心の広い面積を占める筒状花とからなる頭状花序のキク亜科でしたが、
リアトリス属は 花弁のような舌状花を持たない筒状花の集団だけで構成されるアザミ亜科の党員だったのです (^_-)-☆




といっても、漫然と見ていたのでは どこがどうなっているのかサッパリ分かりません。
でも、何か非常に細長いリボンのようなものが花冠から伸びていて、ヒマワリの筒状花とは違うということは分かります。




さらに近づいてみます。
すると花冠が5裂した星形の花弁のなかから キク亜科のヒマワリで見たような濃い褐色の円筒が伸びていて、その中から先ほどの長い細いリボンが伸び散ることが分かります。




ヒマワリで見たように、キク科の筒状花の共通した構造から推理すると・・・
茶褐色の円筒は 雄しべ筒で、その中から長く伸びているリボン状の器官は めしべの柱頭であることが分かります。

「5本の雄しべの葯は合着しており、葯筒からは雌しべが突出し、咲き進むに従って先端が2裂して長く伸びます。」(同上)

「花序には穂状のものと玉状のものがあり、それぞれ「槍咲き」と「玉咲き」と呼ばれ区別されます。」(同上)


ヒマワリ - キク亜科のシベ

2021-07-01 09:49:48 | みんなの花図鑑

ミツバチが巨大なヒマワリに餌を採りに来ています。
ミツバチの主食は 蜜。おかずが花粉。



キク科キク亜科のヒマワリの花は周囲の黄色いひらひら一枚一枚が舌状花と呼ばれる小花で、
その内側の中心へ向かって 褐色~黄色~黒っぽい色へと変化している部分が 筒状花と呼ばれる小花の集団です。



今日は 中心の筒状花のほうを少し近づいて観察してみます(^^

右手前が花の中心方向、左奥が頭状花序の周辺部(花弁のように見える舌状花)です。
筒状花のぶつぶつは 大きく3つのバンド(帯)に区分けできるように見えます。
第1のバンド つぼみ(右手前)
第2のバンド 雄しべ筒の成長期(その次の帯)
第3のバンド めしべ活動期(その外側)



手前の つぼみのバンドは置いておいて、2番目の「雄しべ筒の成長期」のバンドについて説明します。
濃い褐色の部分が雄しべです。雄しべは黒紫色の花糸5本が合着して円筒になっています。(ツクシやスギナの中空の鞘をイメージしてください。)
筒の先端に黄色い星形をした葯(花粉を入れた袋)がついています。
この鞘(さや)の中を 棒状の雌しべが貫入して上へと上がってきます。



トリミングして拡大して見ました。
ツクシでいうと莢(さや)みたいな部分が花弁で、花弁の中を 雄しべが合着した筒が成長し、
さらにその中を雌しべの棒が貫入してきて、雄しべ筒の頭の花粉粒を上に押し上げ(画像の右側に多い)、
しばらくして Yの字型に 柱頭を開いています(左側に多い)。




めしべの柱頭がYの字(あるいは さらに進んでヒツジの角みたいに)カールしたころ、用を終えた おしべの筒は崩壊します。
なので、めしべと花弁のあいだにはスペースが空きます。




Y字形に開いた中途の表面には細かい毛があります。これで花粉を捕獲します。




手前右側が雄しべ期、中央寄り奥が 雌しべ活動期の後期の状態です。




雌しべ活動期の後期の状態をトリミング。




後回しになりましたが、筒状花の一番最初の状態、つぼみの状態です。



この黄色い部分は 花弁なのでしょうか?
ちょっとよく分かりません(ので、後回しにしました m(_ _)m)