アブリル - どこにでもあり、どこにもない

岡崎平野を中心とする 植物 と カメラの対話

卯の花(ウツギ)の仲間いろいろ

2023-05-21 18:22:34 | みんなの花図鑑
ウツギの名が付く花は多様ですが、アジサイ科のウツギ属(Deutzia)となると種類は限られてきます。
きょうはそのウツギ属の花をおおむね咲く順番に紹介します。
以下に 6種類紹介しますが、そのうち元々の(園芸品種でない)ウツギ属は ウツギ(卯の花)、ヒメウツギ、マルバウツギの3種類だけです。

ヒメウツギ

園芸品種でないウツギ属(Deutzia)のうち、一番早く咲くのは ヒメウツギです。
以下3枚は 3月10日に撮ったものです。







一枚目もそうですが、ウツギ属(Deutzia)の花の特徴は雄しべにあります。葯(花粉の袋)を持ちあげる花糸が ウツギ属のばあい、扁平できしめんのようなのです。これを花糸から翼が横に伸びているといいます。




ここからは4月25日に撮影したヒメウツギの花。



面白いことに翼のいちばん上の部分の形状が先ほどと異なります。
さっきの(3月10日の)花糸のいちばん上は直角でしたが、今度のは肩が吊り上がっています。



最後は4月27日に撮影のヒメウツギ。
花糸のいちばん上はやじろべいみたいな突起が出ています。
同じヒメウツギでも翼のいちばん上は直角~出っ張っているものと変異があるようです。





マルバウツギ

ウツギ3兄弟(ウツギ、ヒメウツギ、マルバウツギ)のうち2番目に咲くのは このマルバウツギです。

安城デンパークにて、5月2日の撮影です。



マルバウツギの花の特徴は中央の花盤の黄色がよく目立つことです。



名のとおり葉が丸いのも特徴ですが、雄しべの花糸にも特徴があります。翼の付いている花糸が扁平なのは他のウツギ属同様ですが、マルバウツギは葉が丸いのに合わせて花糸の肩の部分が「なで肩」なのです。




ウツギ・マギシェン

安城デンパークにて、5月13日の撮影です。

樹名板には 学名が Deutzia x hybrida 'Magicien' とまず書いてあり、
名がカタカナで 「デウィツィア ’マギシェン’」と書いてあります。
私はこのカタカナ名を見るたびに違和感を覚えます、「デウィツィア」の「ウィ」ってどこから来たのだろうと。
詳しくは 先日のスレッドを見てほしいのですが、Deutzia は、オランダの「Deutz(ドイツ)さん」の名にちなむものであること、しかしながらそうであっても学名はラテン語読みするものと決められているので、「デウツィア」「デゥツィア」と読むべきでは?というのが私の見解です。




ま、それはそうとして、雄しべの花糸ですが・・・ (´∀`)



ヒメウツギのツッパリ肩をさらに強調したような肩をしています。












ウツギ・ロザリンド Deutzia x elegantissima

安城デンパークにて、 5月5日の撮影です。とても小さな花です。

Deutzia x elegantissima 'Rosealind'
でも「ウツギ属(デゥツィア)」と樹名板に書いてあります。
先述した通り、「属名の Deutzia はツンベルクが後援者の「ドイツさん(Johan van der Deutz)」にちなんで名づけた。」(みんなの花図鑑)ものですから、それを鑑みれば「ドイツィア」なんでしょうが、学名はラテン読みするのが習わしなので「デウツィア」が妥当でしょう。



ウツギ属(デゥツィア)ということで、雄しべの花糸を観察するのですが・・・小さくてよく見えません。



それでも、この画像によると、「マギシェン」よりさらにいかり肩で、「くぎ抜き」みたいになっていることが分かります。






ウツギ(卯の花)

ようやく出て来ました。
過年度ですが、5月31日 愛知県緑化センターでの撮影です。

ユキノシタ科となってますが、ウツギ属は現在 アジサイ科となってることが多いです。



元祖?ウツギはいわゆる「卯の花」と呼ばれている樹です。



開き始めは エゴノキか、ハクウンボク(白雲木)のように見えることもしばしば。



さて、雄しべの花糸ですが、お~、翼のいちばん上から角が出てる!(^^)!



これなど、耳かきの先のよう (^_-)-☆




雨で落ちた花。
6月11日の撮影です。
ウツギの雄しべは「花糸の両側には狭い翼があり、上部は広がって、先端は歯牙状に鋭く突出する。」と言われてます。
またこういう記述もあります↓
「ウツギは雄蕊の花糸(かし)に翼(よく)と呼ばれる出っ張りができるが、これがほぼ真横に突き出るのが特徴。花がよく似るヒメウツギ(姫空木)の翼は斜め上に向かって突き出る。」(mirusiru.jp 「ウツギ」)





サラサウツギ

ウツギの園芸品種で、八重のものをサラサウツギと呼んでいます。



八重は雄しべが花弁になったものです。







雄しべはほとんど見えませんが、かろうじて残っているのを見ると、花糸はウツギの形(横に突き出す)のようです。




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センダンは・・・芳しくはありません

2023-05-20 17:00:00 | みんなの花図鑑
センダン

「栴檀(センダン)は双葉より芳し」とよく言われますが、このセンダンはそのセンダンではありません。
香るのはインドの栴檀で、たとえば『日本国語大辞典』には「栴檀」は「白檀(びゃくだん)」のこととしています。「白檀」は香の原料の一つですから薫りがあって当然です。ただし、双葉のときはさすがに香らないそうですけど(´v_v`)
インドの栴檀(⇒白檀)
J.M.Garg - 投稿者自身による著作物, CC 表示-継承 4.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=5332574による




一方、日本の「栴檀」は古くは「楝あふち」のことだとされています。
『枕草子』35段「木の花は」に、

木のさまにくげなれど、楝の花、いとをかし。かれがれにさまことに咲きて、かならず五月五日にあふもをかし。

とあって、「かならず五月五日に」咲く花とされています。ただし、香りについての言及はありません。




「5月の青空にかすみがかかったように群がって咲く小さな木の花を見つけたら、立ち止まってしげしげと眺めてみましょう。きっと、それはセンダンです。」(サカタのタネ 園芸通信 東アジア植物記 小杉 波留夫「芳しくはありません センダン」)



「センダンMelia azedarachセンダン科センダン属。種形容語のazedarachは、アゼダラチと発音すべきなのでしょうか、学名には珍しいペルシャ語です。高貴という意味を持ちます。学名から判断してもこの植物が、熱帯域に広く原生することがうかがえます。」(同上)













(2016-07-17)
民家の塀の下とか、電信棒の傍らとか、はては交差点のガードレールの下とか・・・
まるで野菜のトマトのような葉っぱをした植物が勝手に生えてきます。
でもそれはトマトじゃなくてムクドリなどが食べて運んだセンダンなのです。



センダンの葉は若いときには(やわらかいときには)明瞭な鋸歯があります。
「小島・中村 (1986) によるとゴマダラカミキリ幼虫は46種以上の樹木を食べる広食性で,特にカンキツ類とセンダンを好み,カンキツ類の害虫として問題になっている。」(鹿児島大学農学部・津田勝男・坂巻祥考「喜界島におけるゴマダラカミキリ類の(…)“バイオリサ・カミキリ"による防除」)





斑入りセンダン

安城デンパークの斑入りのセンダンです。(コンデジで撮影)



「トネリコに似た涼しげな枝葉が良好な緑陰を作ることから、校庭や街路に使われ、植栽されたものは関東付近でも普通に見られる。」(庭木図鑑 植木ペディア「センダン」)




「センダンの開花は初夏。5月5日に必ず咲くという言い伝えもあるが、実際は地域によって5~6月。」(同上)



「花はその年に伸びた枝葉の基部にまとまって咲くが、たいていは高い場所に咲くため観察しにくく、「雲見草」という別名もある。」(同上)




センダンは成長が極めて早いだけでなく、ケヤキの代替材として流通しているので、材価も高いそうです(熊本県林業研究指導所・横尾 謙一郎「センダンの育成・利用と経済性」pdf)





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ソヨゴがいっぱい - 平和公園

2023-05-19 17:00:00 | みんなの花図鑑
こんな日に「平和公園」といえば、G7サミットの開かれている広島の平和記念公園をだれしも思い浮かべられるでしょうが、
実は「平和公園」と名の付く公園は 札幌、青森、秋田、千葉、御殿場、名古屋、北九州、長崎と少なくとも8か所あります。
きょうはそのうち名古屋市の平和公園(の木)を話題にします。
Wikipediaの「平和公園 (曖昧さ回避)」によると、平和公園は「日本の各地に存在する公園であり、墓地であることが多い」とあります。
名古屋市の平和公園も御多分に漏れず、墓園です。
「昭和22年、戦災復興土地区画整理事業の一環として、市内に点在する279寺の墓地約18ヘクタール、189,030基を市内の東部丘陵約147ヘクタールの土地に移転することとし・・・(以下略)」(名古屋市HP「千種区・平和公園」)


ソヨゴ

不老会という中部地区の献体の会の式典が毎年この時期、平和公園・献体の塔であり、これから掲げる画像はその昼休みの散歩でメモ代わりに撮ったものなので、すべてスマホ画像です。




ソヨゴはモチノキ科なので、他のモチノキ科同様、雌雄異株でいずれも小さな白い花です。













ネジキ

ネジキはツツジ科ネジキ属の落葉低木で、大きくなると(成長するとともに)幹がねじれているのですぐ分かります。



同じツツジ科のアセビやブルーベリーのような花をつけています。




アセビ同様に有毒植物です。





ハゼノキ

ウルシ科のハゼノキではないかと思うのですが、近くによって確認しなかったので、ちがってたらごめんなさい。
左手が献体の塔です。
献体の塔 (クリックで拡大)












チリアヤメ

献体の塔周辺で、年ごとに増えているチリアヤメです。



チリアヤメはスマホで写真を撮ることを忘れてしまったので、この画像は今年チリアヤメの名前(と実物)を教えてもらった地元のOさん宅で撮った画像です。



Oさん宅のチリアヤメは葉に斑が入っています。


最後に、この(↓)スナップ写真が問題の画像なのですが・・・

これは 2016年5月13日にやはり献体の塔の下で撮ったスナップです。
当時は「あまり見慣れない花だな、スミレでもないし・・・」と名前知らずのままフォルダの隅っこに埋もれていたのですが、今年チリアヤメという花を知って、献体の塔に行ってチリアヤメがいっぱい咲いているのを見つけ、「そういえば、昔名前が分からなかった花があったな」と思い出したのでした。
このときはたしかまだ 2、3本のような気がしましたけど?
どうでしょう? 花弁が萎れてますが、チリアヤメのように見えませんでしょうか (´∀`)


ここからはまた余談ですが・・・
献体の塔は丘の上にあります。献体の塔での式典に参加する人は 階段を登るか、遠回りして坂道を登らなければたどり着けません。
足の御不自由な方は用意した車椅子を係の方が長い坂を押して上がることになります。
実は私、今年その係を仰せつかり びっくりしました。大変な重労働なのです。
それでも 登りでしたから、車いすは自分より前にあり前方と車いすが確認できるので、まだ良かったのですが、下り坂のときは車いすを背に降りなければならないそうで、ある意味、とても危険な行為なのです。

こんなとき、1月に試乗した電動車いすの どれか一台があればとても楽なのにと思いました \(^o^)/









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「ジューンベリー」と「アメランキエル」の関係

2023-05-18 17:44:02 | みんなの花図鑑
最近は本屋が少なくなりました。ちょっと見てみたい雑誌があったので、久しぶりに自転車でJR安城駅前の昔からある本屋さんまで行ってきました。以前はここまで歩いて来ていたのですが・・・(´・ω・)

ジューンベリー

5月17日、久しぶりに訪れたJR安城駅前通りの街路樹に、美味しそうな木の実がなっているではありませんか!



近づいてみると、ジューンベリーの若い果実です。



駅前通りに 熟せば食べられる実のなる木を植えているなんて洒落ていますね








ジューンベリー(アメリカザイフリボク)

こちらは 安城デンパークの正面入り口前のジューンベリーです(5月13日)。



ところで私は木の実のときは「ジューンベリー」と言ってますが、花のときは「アメリカザイフリボク」と言ってます。
デンパークの樹名板も「アメリカザイフリボク」を使っています。




樹名板には学名 Amelanchier canadensis と書いてあります。(← 属名を覚えておきましょう (^_-)-☆)



「ザイフリボク属は、北アメリカを中心にアジアとヨーロッパに約10種が分布し、日本にはザイフリボク(Amelanchier asiatica)が自生しています。」(みんなの趣味の園芸「ジューンベリーの基本情報」)






関連して、おととしの6月 安城デンパークで見つけた木の実を!(^^)!

アメランキエル・ラエビス

「何だ、また ジューンベリーじゃないか?!」ということなかれ !(^^)!
樹名板には アメリカザイフリボクともジューンベリーとも書いてありませんよ
クリックで拡大
樹名板には
「Amelanchier laevis 'Snow flakes'
 アメランキエル・ラエビス ’スノー・フレーク’
   バラ科
   園芸品種 」
と書いてあります。



そこで、「アメランキエル・ラエビス」で検索するのですが、何もヒットしません。
仕方がないので、「Amelanchier laevis」でググると、 英文ウィキペディアのページがありました。
概要は以下の通りです:

スムース・シャッドブッシュ
英語から翻訳-Amelanchier laevisは、バラ科の北米種の木で、高さ9メートルまで成長します。ニューファンドランド州西部からオンタリオ州、ミネソタ州、アイオワ州まで、ジョージア州とアラバマ州まで、カナダ東部と米国東部を原産としています。 ウィキペディア(英語)
学名: Amelanchier laevis
上位分類: ザイフリボク属
科: バラ科

ザイフリボク属の学名が Amelanchier (アメランキエール)だったのです。
ジューンベリー(アメリカザイフリボク)に似ていて当然なのでした (^^ゞ

「学名が混乱しており、A・カナデンシス(A. canadensis)やA・ラエヴィス(A. laevis)、交配品種群のA・グランディフロラ(A. x grandiflora)があてられますが、今後整理が必要な種類です。」(みんなの趣味の園芸「ジューンベリーの基本情報」)




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これもナガミヒナゲシ? ‐ 思考実験

2023-05-17 17:00:00 | みんなの花図鑑

花弁の色がちょっと変わってますが、これもナガミヒナゲシなんでしょうか?



Google Lens で検索すると、ナガミヒナゲシと言ってきます。
まぁ、真っ白の花弁のナガミヒナゲシや、花弁が和紙を手の中で揉んだようなくしゃくしゃっな花弁のもあるので、これもナガミヒナゲシなんでしょう。

〔追記〕除草剤に侵された可能性が高いとコメントいただきました。
ググってみると、ここ にかなり詳しい言及がありました。







さて、こちらはごく普通のナガミヒナゲシです。
花弁は4枚、雄しべは多数。




「中央部のめしべの柱頭は4本から8本の筋状であるが、7・8本のものが多いようである。」(植物雑学事典)
上の画像を見ると、花のほうはたしかに7本ですが、果実のほうは6本です。




ここでひとつの思考実験です。
ある植物A と植物B とがあって、非常によく似ているとします。
そしてその識別ポイントが「果実の稜をみてそれが雪の結晶のように均等に6方向に伸びていれば 植物A、2個ずつ3組になっていれば植物B だとします。ところが今 この植物は果実をつけていません。代わりに花が咲いています。」



ある人はこう考えました
「いろいろサイトを検索しましたが、雌しべの子房と、果実を勘違いしているサイトがほとんどであまり参考になりませんでした」
(↑ 出典は名誉のために明かしませんが、こういう理由で、果実を見るまではどちらか分からないと結論されています)



それに対して私たちの推論はこうです
「果実の赤ちゃんが子房なのだから、子房の稜をみてそれが均等に6方向に伸びていれば 植物A、2個ずつ3組になっていれば植物B と分かる」

ナガミヒナゲシのばあい、稜はありませんが、子房の段階で6筋あったなら果実になっても6筋だろうと推定できます、6あったものが 5に減ったり 7に増えたりすることは考えられません。
「子房がふくらんで大きくなったものが果実、子房の中の胚珠が熟したものが種子です。」




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スウィートピーとツタンカーメン・エンドウ

2023-05-16 17:39:39 | みんなの花図鑑
スウィートピー

このエンドウ(pee) は観賞用の sweet pee です。
sweet pees はシチリア島が原産の有毒植物で、「1695年に修道僧クパーニによって発見され、その後イギリスで園芸植物として発展した。」(Wikipedia「スイートピー」)



sweet pee をネイティブが発音するのを聞くと「スウィーピー」と聞こえます。
どういうわけか日本では「スウィーピー」でも「スウィートピー」でもなく「スイートピー」と呼ばれています。でも綴りを見れば分かるように、強いてカタカナ表記するなら「スウィートピー」が自然なのです。




スウィートピー の例文(1)
・・・もとスウィートピーにアスピリンをやったら、すっかり花が上を向いて紙細工のよう・・・ 宮本百合子「獄中への手紙」




スウィートピー の例文(2)
・・・の花瓶に生けた紫色のスウィートピーが美しく見えた。 会館前で友人と別れて、・・・ 寺田寅彦「蒸発皿」



スウィートピー の例文(3)
・・・温室にスウィートピーが植込まれたところ。一本一本糸の手が天井から吊ってあり・・・ 宮本百合子「金色の秋の暮」




なお sweet pees は「匂いの良いエンドウ」という意味なので 「スウィートピー」を和名にするとすれば「香りエンドウ」みたいな感じでしょうか?
さらに、なお、ですが・・・
エンドウは「豌豆」(えんどう=宛の豆)という意味なので、エンドウの後ろに「豆」をつける必要はありません。





エンドウ

表題には 「ツタンカーメン・エンドウ」と書きましたが、画像のエンドウがツタンカーメン種であるかどうか、私は知りません。



この豆をよく「グリンピース」と言いますが、これも英語「green pees」のカタカナ表記が訛ったんですよね、たぶん。
「green pees」だから「グリンピーズ」が適当でしょうか?
(もっともネイティブの green peesc の発音を聞くと「グリンピー」としか聞こえませんが (´v_v`))




先日、玄関の新聞受けのバスケットにこのグリンピーズが入れてありました。
そして 家庭菜園をやってる福祉委員会のTさんから
「グリンピースと、グリンピースのツタンカーメンを袋に入れたけど、ツタンカーメンは、ご飯に一緒に入れて炊いて5時間後に見ると、御赤飯になっています、摩可不思議な豆ですのでお試しください」
などとLINEに伝言がありました。




ツタンカーメン・エンドウのほうはサヤが紫色ですからすぐわかります。
LINEのメッセージの通りやってみたら、炊き上がりは白かったご飯が 4時間後には本当に赤みがかっていました\(^o^)/




ツタンカーメンのエンドウ(アラビア語で「バーズラーァ」)は当初(1838年) ジョン・ウィルキンソンがエジプト旅行中にミイラの穴で封印された壷を発見、大英博物館に寄贈したものをミイラ研究家で、外科医でもあるトーマス・ペティグルーがそれを開けようとして誤って壊してしまっったことによって発見されたのが最初とのこと。
 「ミイラのエンドウ」の話は20世紀初頭にはあまり話題にならなくなっていたが、1930年代になって突然、今度は少し様相を変え「ツタンカーメンのエンドウ」として再登場しました。ハワード・カーターによるツタンカーメンの墓の発見が1922年で、このときもまた園芸業者が「ツタンカーメンの墓から発見されたエンドウ」としてセンセーショナルな売り込みをかけたのです。
 千年ハス(二千年ハス?)のように古代のロマンが大好きな日本人が飛びつかないはずはありません。実際に日本に入ってきたのは1956年のことだそうですが、古代エジプトへのロマンを書きたてながら新聞の報道とともに日本の津々浦々に広がっていったと思われます。(以上、Newsweekコラム保坂修司 イスラーム世界の現在形「日本で「ツタンカーメンのエンドウ」が広まった理由、調べました」を参考にしました)
 ちなみに、東京・京都・福岡で開催された「ツタンカーメン展」で、計約295万人を集めたのは1965年のことでした。





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チョウジの名の付く花と木

2023-05-15 16:08:57 | みんなの花図鑑
チョウジソウ

チョウジソウはキョウチクトウ科の宿根草で、全草にアルカロイドを含み有毒です。




和名「チョウジソウ」の由来
「熱帯常緑樹で丁香をとるために栽培されるフトモモ科のチョウジ(丁子)の蕾に横からみた花の形が似ている事から丁子草。 英名のcloveはフランス語のclou(釘)に由来するというのも同じ考え方のようだ。
いずれにしてもチョウジソウの名の由来は花 を横から見た形によるので丁字草とも表記される。」(ビオ・荒川さいたま「チョウジソウ(丁子(字)草)」)




上記記事に出て来るフトモモ科の「チョウジ」は、あいにく見たことが無いのですが、和名「チョウジ」の名はWikipediaによると・・・

「チョウジの花蕾は釘に似た形、また乾燥させたものは錆びた古釘のような色をしており、中国では紀元前3世紀に口臭を消すのに用いられ、「釘子(テインツ)」の名を略して釘と同義の「丁」の字を使って「丁子」の字があてられ、呉音で「チャウジ」と発音したことから、日本ではチョウジの和名がつけられた。」





ハナチョウジ

元の名は「ルッセリア Russelia」といいます。
これは 学名の Russelia equisetiformisの属名をカタカナにしたものです。
属名の「Russelia」はイギリスの自然学者「Alexander Russell」氏への献名です。
種小名の「equisetiformis」は「Equisetum(トクサ属)のような形の」という意味です。(かぎけん花図鑑「ハナチョウジ」による)




和名「ハナチョウジ」のほうは、どの記事を見ても
「横から見た花の形が「丁」の字に似ていることが名前の由来です。」
と書かれています。



ハナチョウジ Russelia は メキシコ生まれの常緑樹です。



水と暖かい空気が好きな常緑樹です。






ベニチョウジ

ベニチョウジはメキシコ原産の常緑低木でナス科ヤコウカ属(Cestrum)の栽培種。



ベニチョウジ(紅丁字) 和名は、花の形状と花色とから。 属名は、ギリシャ語のkestron(=彫刻刀)を語源としている。 雄蘂の形状から。(GKZ植物事典)



ベニチョウジの花期は「2~4月」(園芸植物)とか「花期は通年(6~10月)」(三河の植物観察)とか、記事によりまちまちですが、それもそのはず、この花は季節を問わず咲きます。



画像は4月、5月、9月に撮影したものですが、たしかに冬にも咲いていたことがありました。






チョウジタデ

水田雑草のチョウジタデは在来種で、外来種のヒレ・タゴボウに押されて最近少なくなっています。



和名の由来
花は紅色の萼頭の先に4枚の白い花弁が開く。その形が釘状なので同音の丁の字をあて丁子、丁香と名付けられ、また英名のcloveもフランス語のクルー(釘)に由来する「平凡社 世界大百科事典」
でも単純に花を横から見た形が丁の字に似ているので丁字蓼でいいような気もするが。(ビオ・荒川さいたま「チョウジタデ(丁字蓼)」)














〔欄外〕

学区連合運動会にはボランティアの方がグラウンドに鯉のぼりを吊るします。






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地味だけどかわいい - ニシキギ科の花

2023-05-14 16:30:30 | みんなの花図鑑
ニシキギ科の花はとても小さくて地味です。あまり気付く人は無いでしょう。
地味だけど可愛い花と一緒に実を結んだあとの姿を添えて鑑賞してみましょう。

ツリバナ

ツリバナの花は5数性で、花弁は5枚、 花盤は5角形で淡黄緑色、おしべは5本で花盤の上につき、子房は花盤に埋もれ、花柱も小さいです。












2021-6-19




2022-10-22



2021-11-02







ヒロハツリバナ

安城デンパークにて

ツリバナに比べ、葉が広いのでこの名が付けられました。



ツリバナは5数性ですが、ヒロハツリバナは4数性のようで、花弁、萼片、雄しべはともに4個です。
ただし、翼には5つと4つが混ざっているようで、これは5つあります。



これも翼は5つ



これは 4翼






マユミ

マユミにはメシベが短い花(短花柱花)をつける個体があり、結実しにくい傾向があるため雄株と信じられ、かつては、マユミは雌雄異株とされてきました。


しかし、雄株と思われていた木が突然 実を付け出したと云う事例が幾つも見出されて、現在では雌雄同株とするのが定説となっています。



マユミは4数性なので、花弁、萼、雄しべが全て4個です。






若い果実



四角くなってきました。



2019-12-05
果皮は4つに割れます



2021-11-09






白花マユミ

安城デンパークにて


















22-12-03



19-12-22





中国オオバナマユミ

安城デンパークにて














2021-10-18






ニシキギ

ニシキギの花は4数性で、花弁は4枚で淡緑色、おしべは4個、子房は花盤に埋もれています。















ニシキギの果実です。花は4数性でしたが、果実は2数性?です。


つまり、果皮は2裂し、真っ赤な仮種皮が2つ見えてます。




ニシキギの枝にはコルク質のかたい翼がついています。理由は分かりません。



枝を割って出て来る様が・・・



マントルプレートの出発点すなわち中央海嶺からはじまるmagnetic band のようです。
図は「海嶺の両側で岩石の磁気が全く対称的に逆転を繰り返している」ようす





マサキ













果実です。果皮は4つに割れます。









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ブラシのような/煙のような 樹の花

2023-05-13 17:37:26 | みんなの花図鑑
<ブラシのような>木の花と<煙のような>樹の花の特集です。
はじめに<ブラシのような>木の花から

ブラシノキ(カリステモン)

「ブラシノキ(学名:Callistemon speciosus)は、フトモモ科ブラシノキ属の常緑小高木。」(wiki 「ブラシノキ」より)




紅いブラシの実態はたくさんの雄しべです。





属名の Callistemon (カリステモン) は「美しい雄しべ」の意で、日本でも別名として使われます。




最初は蕾から雌しべだけが伸びています・・・




その後、雌しべを覆うように雄しべが伸びて、よく見る赤いブラシのかたちになります。




海岸の岩に貼りつくフジツボのような果実。この中に刻みタバコのような種子がぎっしり入っていました。そう思うと煙管(キセル)の先のようにも見えてきます !(^^)!





ティーツリー

ティーツリーはフトモモ科コバノブラシノキ属の樹で、花も属名のとおりブラシノキに似たところがあります。




学名はMelaleuca alternifolia
属名のMelaleucaは、古代ギリシャ語で「黒」を意味するμέλας(mélas)と「白」を意味する λευκός(leukós)から成っています。(日本メディカルハーブ協会「ティートリーの植物学と栽培」 )
メラス(黒)とレウコス(白)とで 「メラレウカ」ということのようです。




ティーツリーの花期は6月です。




「精油のティーツリー油(英: Tea tree oil、ティーツリーオイル)はこの植物の葉から抽出されたもの。精油は消毒、皮膚の問題に用いられ、スキンケア用品に配合されることもある。皮膚刺激性のあるシネオールの少ないものが医療用に推奨されている。」(Wikipedia「ティーツリー」)




クロバイ

白いブラシのような樹に咲く花として忘れてはならないのが、このクロバイです。
クロバイはハイノキ科クロバイ属の木で、学名は Symplocos prunifolia




クロバイの分布は「関東地方以西、四国、九州、琉球)、朝鮮南部」(植物図鑑EverGreen「クロバイ」)となっています。
「関東地方南部(静岡県)より西の温暖な山地に自生する」としている記事もあります。(庭木図鑑 植木ペディア「クロバイ」)

これは数年前、彦左公園(愛知・幸田)ではじめて撮ったもので彦左公園には4~5本ため池の周囲に分布します。そのときは非常に珍しいと思ったのですが・・・



今年になって2か所で合計10か所以上の自生ハイノキを見つけました。
2か所のうちの一か所は 愛知用水の調整池・前山ダム(常滑市)です。







もう一か所は 竜美ヶ丘公園(岡崎市)で、ここでは 少なくとも6か所8本以上のクロバイが自生するのを見つけました。






クロバイの「開花は新芽が伸び始める4~5月頃。前年に伸びた枝の葉の脇から長い花序を出し、小さな白い花を10~30輪単位で咲かせる。」(庭木図鑑 植木ペディア「クロバイ」)





花の「直径は8ミリほどで、突き出した多数の雄しべに隠れるよう5枚の花弁がある。」(同上)


「花はハイノキよりもバクチノキ、イヌザクラ、ウワミズザクラに似る。」(同上)





ウワミズザクラ

「花だけ見ると、とてもサクラの仲間とは思えない。」(森と水の郷あきた「樹木シリーズ⑫ ウワミズザクラ 」)



「コップを洗う細長いブラシのような白花を咲かせる。」(同上)



名前の由来・・・古代、シカの肩甲骨のを彫り、この樹皮で焼き、溝の周辺に生じる割れ目を見て吉凶を占ったという。この裏溝が転じて「上溝桜(ウワミゾザクラ)」と書き、それが転訛してウワミズザクラと呼ぶようになった。古名は、古事記の「天の岩戸」に出てくる波波迦(ははか)という。 」(同上、ただし太字は引用者)




つぎは 「ブラシのような」というにはちょっと毛が詰まっていませんが、他に合わせるところがないのでこの場をお借りして m(_ _)m
コバノズイナ

原産地は北アメリカの南東部。日本へは明治時代に渡来。(みんなの花図鑑「コバノズイナ [木葉の随菜]」)



「枝先に総状花序(柄のある花が花茎に均等につく)を出し、白い小さな花を穂のようにつける。 花はよい香りがする。」(同上)




「別名をアメリカ随菜(アメリカズイナ)ともいう。 「随菜」の名の由来は、枝の隋を灯芯に、若葉を食用にしたことからきている。」(同上)




学名は Itea virginica
「 属名の Itea はギリシャ語で「ヤナギ」を意味する。葉の形が似ていることから転用された。
 種小名の virginiana は「バージニアの」という意味である。」(同上)












スモーク・ツリー(けむりの木)

スモークツリーは学名Cotinus coggygria で、ウルシ科の木です。
属名Cotinus は 「野生オリーブ」を指す、と語源辞典にはあります。




名前はいろいろあり、Wikipediaの項目名は「ハグマノキ」を当てています。
ハグマノキ (Cotinus coggygria) 中国からヒマラヤ、ヨーロッパ南部にかけて分布しています。 わが国へは明治時代に渡来しました。(botanic.jp)



「雌雄異株の落葉木。メスの木は大きな花が咲いて煙っぽいですが、オスの木は小さいため流通しているのは当然メスです。」(ガーデニング花図鑑「スモークツリー(煙の木)」)




「スモークツリーには赤い煙と、緑の煙タイプとあります。赤煙を植えると、初夏に真っ赤なモヤモヤの煙と真っ赤な葉っぱがユラユラとする光景が見られます。」(同上)














ニセアカシア・エンジュなど - マメ科

2023-05-12 16:00:00 | みんなの花図鑑
アカシアの雨の季節がやってこようとしています。
その前に 4月のマメ科の花から

ソフォラ・ダビディ(アオバナエンジュ)

5月5日、安城デンパークにて



デンパークの樹名板には「ソフォラ・ダビディ」とありましたが、これは学名をカタカナ読みしたものです。
園芸店では「アオバナエンジュ」の名で売られていることもあるようです。
あとででてきますが、「ソフォラ」というのは「エンジュ属」のシノニムです。




「アオバナエンジュは、中国南西部原産のマメ科エンジュ属の落葉中木です。エンジュ(Sophora japonicum)は、落葉高木でとても大きくなりますので、個人の庭に植えることは困難ですが、このアオバナエンジュは、剪定をすれば比較的コンパクトな樹形に抑えることができます」(園芸植物 育て方と花の写真「アオバナエンジュ」)










ハリエンジュ(ニセアカシア)

ハリエンジュはマメ科ハリエンジュ属(Robinia)の木で、花期は5月~6月です。
(後に出て来るエンジュは約一か月遅く花を咲かせます。)



ハリエンジュは「ニセアカシア」とも言い、「アカシアの雨」の歌に出て来る「アカシア」はこの花のことです。



「田園に、蜜源となるレンゲソウが少なくなり、養蜂家はハリエンジュから蜜を集めるが、この樹も伐採されてしまうので困っている、と言う話を聞く。」(樹木図鑑「ハリエンジュ」)



「アカシヤの雨に打たれて」「このまま死んでしまいたい」という西田佐知子の歌は我々の世代にはあまりにも有名ですが、
「アカシアの雨」とはニセアカシアに雨が降っているさまではなく、ニセアカシアの花が散るさまのことです。(後述)





シダレエンジュ

シダレエンジュはマメ科エンジュ属の木です。花期は7月のおわりです。











ミツバチが訪れています。



マメ科の花は蝶形花といって、3種類の花弁からできています。
上弁の大きくよく目立つ一枚が旗弁といい虫に蜜の在りかを知らせる旗振り役をしています。



下側の花弁は二重で、左右で一組になっていて 内側の一組が舟弁(竜骨弁とも)、しべを守る役目をしています。
それを翼弁という左右一組の弁が覆っています。翼弁の役目はハチが止まる足場の役目と言われています。



ミツバチが来て翼弁に止まると、翼弁と内側の舟弁が押し下げられ、中のシベが露出しハチの腹部に花粉が付く仕組みになっています。










エンジュ

前後しますが、枝垂れていないほうのエンジュ(学名: Styphnolobium japonicum シノニム:Sophora japonica)の木と花です。
(2020年7月23日 愛知県緑化センターにて)
エンジュとハリエンジュ(ニセアカシア)とどう違うのかと言えば、文字通り、棘のあるのがハリエンジュ、無いのがエンジュってことです。




花は受粉が終わると、めしべだけ残してそっくり地上に落下します。
これはエンジュの雨ですが、ニセアカシアも同様でその様を「アカシアの雨」と読んだわけです。風流ですね。




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